※この前のエントリーで書き忘れてた事を思い出したので、忘れないうちに。
●高橋大輔2012-13シーズン新SP ロックンロールメドレー
大ちゃん自身がどこかで「残るプログラムはあと4つ」と発言していた記憶があります。
私はこれは「あと4つしかプログラムは見れないんだから、全部ステキなプログラムじゃないと」って言う意味には取っていません。
「あと4つ」なのは現役の競技スケーターとして、試合で滑るプログラムの事。
だから当然ここは、『最終的に』勝つために、今の段階でのプログラムをどうするか、という話だと思います。
今の大ちゃんの立ち位置は「これからもっと活躍できるようにがんばります」という漠然としたものではなくて、「2014年ソチオリンピック」と明確に決まってるんですよね。
これは別の競技の指導者の方のお話ですけど、「金メダルを取る選手は、必ず最初から『金メダルを取る』と決めている。そこから逆算して、自分に何が必要か、何をやるべきかを考える。そういう戦い方をしないとオリンピックでは勝てない」と仰っていました。
多分大ちゃんも必死にそれを考えているんじゃないかと思うんですが。
残り4つのプログラムが全部ステキなものであればそれに越したことはないけど、それだけでもダメなんじゃないかな、と思います。
シニアデビューしたばかりの若手なら、自分の得意ジャンルでまず名前を売って…というのでOKだけど、既に評価を確立したベテランが得意ジャンルばっかりやってたんでは飽きられてしまいます。
今回のSPの曲、「The Stroll」と「Rudy's Rock」という2つの曲のメドレーみたいですが、確かに今まで大ちゃんがやって来たのとは毛色が違う、ある意味では大ちゃんぽくないというからしくない雰囲気かも知れないけど、逆に敢えてそういう、今までの自分と違うものを目指しちゃう所はすごく大ちゃんらしいなあ…とも思います。
多分彼自身、何かしら新しい事をやってないと飽きる性質なんじゃないかと(笑)。
それに何よりこのプログラムは、FSで何が来ても、来期で何が来ても、よっぽどの事がない限りは「がらっと雰囲気を変える」事が出来るのが結構大きな利点かも知れないと思いました。
FSはオペラ曲という事ですが(「道化師」って正式に発表されたのは今日ですよね)、たちまちもう全然雰囲気違う(笑)。
こっちはJOで(テレビでだけど)もうじき見れるのを楽しみに待ってます♪
そしてまた。男子シングルである以上、試合で勝つのであれば、重要なのはジャンプです。どんなにステキなプログラムでも、ジャンプが飛べなきゃ勝てません。
そういう意味では、大ちゃんが8月のアイスショーの段階で、毎回4回転入れてる事について、みんなもっと騒ごうよ。
最近の日本男子はショーでもバンバン4回転入れて来る若手がいるから、皆マヒしてるのかも知れないけどさー…。
私が大ちゃんの演技を見るようになったのは2006年。
オープニングフィナーレの一芸披露や、フィナーレ終了後のお遊びで4回転に挑戦する事は珍しくなかったけど、試合ではないEXやアイスショーで、自分のソロナンバーのプログラムの中で、大ちゃんが4回転飛んだのは、私が知る限りでは今回が初めてだったと思います。
「このSPでは4回転入れて行くから。それがデフォだから」という、明確な意志を感じました。
で。…先日のネオスポーツでは、ロシア合宿での元気な様子と上機嫌のモロゾフを垣間見る事が出来たんですが、ちょっと不思議な気持ちになりました。
モロゾフがいて、1年半後のオリンピックを一緒に目指してて、そのためにも4回転はSPで1回、FSで2回の計3回を目標にしていて…。
なんだかまるで、幻の08-09シーズンを見ているみたいだなと。
07-08シーズンが終わった後、バンクーバーへ向けて08-09シーズンはこうなって行くんだろうなと思っていた、あの頃の未来予想図。
でも思いがけないモロゾフとの決別があって、怪我があって、そこからバンクーバーへの1年半は、描いていたのとは全く違うものとなりました。
それでもバンクーバーのシーズンがめでたしめでたしで終わったから結果オーライで、実現しなかった未来予想図なんてものは幻のまま過去へと葬り去られた、はずだったんですが……………まさかこんな形で甦って来るとは。
当初の予定では、バンクーバーで現役を終えるはずだった。それが「とりあえずあと1年」になり、その結果がモスクワの「ソチまでやります!」宣言に繋がり、現役でもう一度、オリンピックを目指す事になった。
まさかそれが、バンクーバーへ向かう2シーズンの「こうなるはずだった」のリベンジになるとは思いませんでした。
多分なによりモロゾフがリベンジしたくて、それで大ちゃんにコンタクトを取って来た、という事があるとは思いますけど、それにしてもやっぱり何ていうか、数奇な星の下に生まれた人っているんだなーと思わずにいられない。
もちろん大ちゃん自身も言うように、モロゾフとの関係は4年前と同じではないですよね。
ネオスポーツのインタビューで「これほど成長したかとびっくりした」なんて言ってまして、いつものモロゾフと言えばそうなんですけど、大ちゃん的にはきっとモロゾフにそう言わせてやる、思わせてやるという気持ちがあって、それを練習のモチベーションにしてるんじゃないかなーなんて思ってます。
ある意味、「お互いに戦いながら高め合って行くライバル」みたいな関係を築こうとしてるっていうのは考え過ぎでしょうか。
ともかく、新しいシーズンがどうなるか。そして来期のオリンピックシーズンにはどんなドラマが待っているのか。
楽しみですね!
***
追記。
大ちゃんがこのSP「ジャズみたい」って言ったの、なんか分かるなあ…。
私音楽のジャンルとか詳しくないけど、ロックと言えばエレキギター、っていうイメージあるから。
なんか管楽器がすごく主張してて、その管の音が最初ジャズっぽい、と思いました。
FOIで聞いた時はやたらムーディなテナーサックスが印象に残り、映像で見るとミュートの効いたトランペットがこれまたムーディに鳴っている。
マンボのねっとり絡みつくようなトランペットとはまた違った風情ですね。
私基本的に管楽器の音が好きなので、それもこのSPが好きな理由かも知れないです。
***
■拍手コメントへのお返事
□2012/10/2 1:25
こんにちは。熱いコメントをありがとうございます。お気持ちはよく分かります。
楽しい気持ちをみんなで共有するのは良いですが、ネガティブな感想を変に押し付けられても困りますよね。
□2012/10/3 11:17
はじめまして。
拍手もコメントもして貰えないのが普通、一手間頂ければ大変ラッキー!という感覚でやっておりますので、お気になさらず。
こちらこそ、同じ気持ちの方がいたのかと思うと心強く思います。
知り合いの、大学で野球やってた人の言葉を思い出しました。
「俺は野球に関しては、俺より上に行った人(=プロに行った人)の言う事には耳を傾ける。でも俺より下手なヤツにバッティング語られたって、聞かれへんやろ」
まして、「何と思われても何と言われても自分がやりたいって思ったふうにやろうかな」なんて言ってる人を、素人の意見でコントロールする事なんてできないと思います。
●高橋大輔2012-13シーズン新SP ロックンロールメドレー
大ちゃん自身がどこかで「残るプログラムはあと4つ」と発言していた記憶があります。
私はこれは「あと4つしかプログラムは見れないんだから、全部ステキなプログラムじゃないと」って言う意味には取っていません。
「あと4つ」なのは現役の競技スケーターとして、試合で滑るプログラムの事。
だから当然ここは、『最終的に』勝つために、今の段階でのプログラムをどうするか、という話だと思います。
今の大ちゃんの立ち位置は「これからもっと活躍できるようにがんばります」という漠然としたものではなくて、「2014年ソチオリンピック」と明確に決まってるんですよね。
これは別の競技の指導者の方のお話ですけど、「金メダルを取る選手は、必ず最初から『金メダルを取る』と決めている。そこから逆算して、自分に何が必要か、何をやるべきかを考える。そういう戦い方をしないとオリンピックでは勝てない」と仰っていました。
多分大ちゃんも必死にそれを考えているんじゃないかと思うんですが。
残り4つのプログラムが全部ステキなものであればそれに越したことはないけど、それだけでもダメなんじゃないかな、と思います。
シニアデビューしたばかりの若手なら、自分の得意ジャンルでまず名前を売って…というのでOKだけど、既に評価を確立したベテランが得意ジャンルばっかりやってたんでは飽きられてしまいます。
今回のSPの曲、「The Stroll」と「Rudy's Rock」という2つの曲のメドレーみたいですが、確かに今まで大ちゃんがやって来たのとは毛色が違う、ある意味では大ちゃんぽくないというからしくない雰囲気かも知れないけど、逆に敢えてそういう、今までの自分と違うものを目指しちゃう所はすごく大ちゃんらしいなあ…とも思います。
多分彼自身、何かしら新しい事をやってないと飽きる性質なんじゃないかと(笑)。
それに何よりこのプログラムは、FSで何が来ても、来期で何が来ても、よっぽどの事がない限りは「がらっと雰囲気を変える」事が出来るのが結構大きな利点かも知れないと思いました。
FSはオペラ曲という事ですが(「道化師」って正式に発表されたのは今日ですよね)、たちまちもう全然雰囲気違う(笑)。
こっちはJOで(テレビでだけど)もうじき見れるのを楽しみに待ってます♪
そしてまた。男子シングルである以上、試合で勝つのであれば、重要なのはジャンプです。どんなにステキなプログラムでも、ジャンプが飛べなきゃ勝てません。
そういう意味では、大ちゃんが8月のアイスショーの段階で、毎回4回転入れてる事について、みんなもっと騒ごうよ。
最近の日本男子はショーでもバンバン4回転入れて来る若手がいるから、皆マヒしてるのかも知れないけどさー…。
私が大ちゃんの演技を見るようになったのは2006年。
オープニングフィナーレの一芸披露や、フィナーレ終了後のお遊びで4回転に挑戦する事は珍しくなかったけど、試合ではないEXやアイスショーで、自分のソロナンバーのプログラムの中で、大ちゃんが4回転飛んだのは、私が知る限りでは今回が初めてだったと思います。
「このSPでは4回転入れて行くから。それがデフォだから」という、明確な意志を感じました。
で。…先日のネオスポーツでは、ロシア合宿での元気な様子と上機嫌のモロゾフを垣間見る事が出来たんですが、ちょっと不思議な気持ちになりました。
モロゾフがいて、1年半後のオリンピックを一緒に目指してて、そのためにも4回転はSPで1回、FSで2回の計3回を目標にしていて…。
なんだかまるで、幻の08-09シーズンを見ているみたいだなと。
07-08シーズンが終わった後、バンクーバーへ向けて08-09シーズンはこうなって行くんだろうなと思っていた、あの頃の未来予想図。
でも思いがけないモロゾフとの決別があって、怪我があって、そこからバンクーバーへの1年半は、描いていたのとは全く違うものとなりました。
それでもバンクーバーのシーズンがめでたしめでたしで終わったから結果オーライで、実現しなかった未来予想図なんてものは幻のまま過去へと葬り去られた、はずだったんですが……………まさかこんな形で甦って来るとは。
当初の予定では、バンクーバーで現役を終えるはずだった。それが「とりあえずあと1年」になり、その結果がモスクワの「ソチまでやります!」宣言に繋がり、現役でもう一度、オリンピックを目指す事になった。
まさかそれが、バンクーバーへ向かう2シーズンの「こうなるはずだった」のリベンジになるとは思いませんでした。
多分なによりモロゾフがリベンジしたくて、それで大ちゃんにコンタクトを取って来た、という事があるとは思いますけど、それにしてもやっぱり何ていうか、数奇な星の下に生まれた人っているんだなーと思わずにいられない。
もちろん大ちゃん自身も言うように、モロゾフとの関係は4年前と同じではないですよね。
ネオスポーツのインタビューで「これほど成長したかとびっくりした」なんて言ってまして、いつものモロゾフと言えばそうなんですけど、大ちゃん的にはきっとモロゾフにそう言わせてやる、思わせてやるという気持ちがあって、それを練習のモチベーションにしてるんじゃないかなーなんて思ってます。
ある意味、「お互いに戦いながら高め合って行くライバル」みたいな関係を築こうとしてるっていうのは考え過ぎでしょうか。
ともかく、新しいシーズンがどうなるか。そして来期のオリンピックシーズンにはどんなドラマが待っているのか。
楽しみですね!
***
追記。
大ちゃんがこのSP「ジャズみたい」って言ったの、なんか分かるなあ…。
私音楽のジャンルとか詳しくないけど、ロックと言えばエレキギター、っていうイメージあるから。
なんか管楽器がすごく主張してて、その管の音が最初ジャズっぽい、と思いました。
FOIで聞いた時はやたらムーディなテナーサックスが印象に残り、映像で見るとミュートの効いたトランペットがこれまたムーディに鳴っている。
マンボのねっとり絡みつくようなトランペットとはまた違った風情ですね。
私基本的に管楽器の音が好きなので、それもこのSPが好きな理由かも知れないです。
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■拍手コメントへのお返事
□2012/10/2 1:25
こんにちは。熱いコメントをありがとうございます。お気持ちはよく分かります。
楽しい気持ちをみんなで共有するのは良いですが、ネガティブな感想を変に押し付けられても困りますよね。
□2012/10/3 11:17
はじめまして。
拍手もコメントもして貰えないのが普通、一手間頂ければ大変ラッキー!という感覚でやっておりますので、お気になさらず。
こちらこそ、同じ気持ちの方がいたのかと思うと心強く思います。
知り合いの、大学で野球やってた人の言葉を思い出しました。
「俺は野球に関しては、俺より上に行った人(=プロに行った人)の言う事には耳を傾ける。でも俺より下手なヤツにバッティング語られたって、聞かれへんやろ」
まして、「何と思われても何と言われても自分がやりたいって思ったふうにやろうかな」なんて言ってる人を、素人の意見でコントロールする事なんてできないと思います。