報道写真家から

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汚職条項

2006年03月13日 05時20分00秒 | ■時事・評論
12日のニッケイネットにちょっと気になる記事があった。

日本の援助、「汚職禁止」にトルコ猛反発
「日本はトルコが汚職だらけだと思っているのか。失礼ではないか」。親日国として知られるトルコで珍しく日本批判が噴出している。トルコの考古学博物館建設に充てる2億8000万円の無償援助を巡り、日本側が「収賄・贈与に使われないようトルコ政府は必要な措置を講じる」と合意文書に書き込んだことがきっかけだ。

この項目は「汚職条項」といわれ、在トルコ日本大使館によると、日本政府のあらゆる対外援助に盛り込まれている。だが、トルコ政府から合意文書の承認を求められた議会外交委員会が猛反発。承認を拒否し、政府に文書を突き返した。トルコ外務省は10日夕、汚職条項を削除した。(カイロ=森安健) (07:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060312AT2M1100711032006.html


「汚職条項」とは、96年にOECD/DAC(開発援助委員会)において採択された確認事項だ。内容は、援助関連文書へ汚職防止条項を導入するというものだ。

これを受けて日本も98年度より、交換公文の付属文書に「汚職条項」を盛りこむことになった。当該国が同条項に違反すれば、援助資金の一部返金や契約そのものの撤回を求めることもある。

トルコは日本と共にOECDの加盟国である。そのトルコがOECD/DACが採択した条項に対して憤慨するというのも少し見当違いのような気がする。

国際援助金というものが、被援助国で適正に使用されてきたならば、DACもこのような採択をすることはなかったはずだ。この採択は、さまざまな国で援助金がたどってきた歴史の結果だと言える。援助金の相当部分が不正に使用されたり、行方不明になってきたことの証左だ。

しかし、被援助国ばかりを責めるのもフェアーではない。援助金の額が巨額になればなるほど、先進国からもさまざまな団体や業者が援助金に群がってくる。当該国に透明性を要求するならば、援助金に群がってくる外国団体の実態も明らかにすべきだ。




http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2002_14575/slides/12/2.html