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詰将棋は数学の世界~将棋世界2月号付録

2006年01月04日 | 将棋
将棋世界2月号の付録「ミクロコスモスの世界」を見てビックリした
なんという付録だろう。付録1冊がたった1つの詰将棋の解説に終始している

将棋世界の付録と言えば、通勤電車やお風呂の良き友として、格好の頭慣らしの教材だったが、これは頭慣らしどころか小説や歴史に近い
「ミクロコスモス」という最長手数詰将棋の素晴らしさを分かり易く丁寧に解説し、難しい詰将棋の世界へ誘う第一歩となっている

将棋世界編集部にすれば意欲作だが、一般の人には受け入れられるだろうか?
以前「アマチュア詰将棋作家の作品は解かない」という日記を書いたが、観賞は結構好きである。芸術を愛でる心ってヤツだね、これは(笑)

付録のP70以降に解説されている長手数作品のメカニズムについて言えば、これは例外なく①舞台装置消費×②長手数機構+③αという構成になっている。
伊藤看寿の「寿」(611手詰)は、①と金はがし、②持駒変換×竜追い、③なし。
奥園幸雄の「新扇詰」(873手詰)は、①守備駒消去、②持駒変換×竜追い、③置駒消却。
新扇詰の場合、寿よりも②の仕組みがうまく出来ていて、回転数を稼いでいるのが250手以上の上積みになっている。
「ミクロコスモス」(1525手詰)は、解説にあるように①馬鋸、②(と金送り+持駒変換)×香の位置変換、③なし。
どれも難しそうだが、C言語のループ文をイメージすれば分かり易いだろう

この付録で一番感心したのが、P74の3項「「ミクロコスモス」以降」の解説だ。
長手数を生み出す趣向の合成方法が解説されているが、足し算と掛け算以外にべき乗と指数関数があるというのだ。
掛け算だけでも一般人には十分分かり難いが、べき乗と指数関数にはすっかり気が狂ってしまった。
      
指数関数の例で紹介されている、田島秀男作345手詰の詰手順が知りたくて、ネット検索したら、ばか詰めの最長手数作品の名をもじって、「寿限無型再帰手順」という言い方をされていた。
一応詰手順を追ってみたが、意味がさっぱり分からない。訳が分からないがスゴい!としか言えない。
芸術を愛でる心だけでは味わえない作品・・・現代詰将棋は数学の領域に足を踏み入れたのかもしれない。

#興味のある方は次のHPにアクセスしてみて下さい。
「超長編作リスト」。図面をクリックすると詰手順を追うことが出来ます。


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