laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

上からの景色

2013-09-10 | kabuki a Tokio

陰陽師二度目。前回かぶりつきだったのに引き換え今回は天井桟敷。めりはりのある観劇ですw

基本的感想はかぶりつきと同じなんですが、やはり遠いってことと、上から目線wってことでいろいろアラが目立ったような気もいたします。

上からでよかったのがライティング効果がはっきり見えたこと。序盤で晴明と博雅が結界に守られていて、そこから出ちゃった太郎左?(福緒くん)がやられちゃうのとか、かぶりつきだとはっきり見えなかったので、なんであの子だけ連れてかれちゃうの?声出したから?って感じだったし。
逆に登場シーンの幻想的な月は下10パーセントしか見えず、あの美しい場面が大好きな私としては残念至極。ま、前回はあの登場シーンが美しすぎて過大な期待しちゃったんだけどねw
大詰めで将門と純友が地獄に堕ちていくところも、将門のナマ生首w入れ替わりとかも、はっきり見えた。ネタ見えすぎて残念な感じがするほどにw

あとは・・・こちらの距離感なのか、演じる側も初日の緊張感+わくわく感がなくなったのか、なんだかちょっとゆるんだ感じを受けました。
立ち回りや台詞の間合いとか、そういう技術的な面は改善されてるんだけど、なんだろう・・・やっぱりこっち側の遠い+最初じゃないっていう要因が大きかったのかなあ。
いや、やっぱり板の上の人々のテンションも明らかに下がってるっぽかったぞ。初日すらカテコ受けなかったのがショックなのかしらん。準備してみんなまってたらしいからねw
亀蔵さんのメイクも、初日笑われすぎたせいか、トーンダウンしてたし。あれは笑う客が悪いと思うんだが。あしやどーまんという人物を台詞なしでも表現できてる秀逸なメークだったのに。

将門や純友の動機とか心理描写にいささか、いや大いに物足りないところはあるし、原作を改ざんした桔梗の前のエピソードとか、改悪に近いとも思うんだけど、まあそういう大雑把な作劇・スターシステムによるストーリーの改ざんは歌舞伎の常道だから、そのせいでつまらなくなってるわけでもないと思うんだよね。

うーん。

つまらなくない、失敗してないところがつまらない、と言ってしまっては論理破綻にすぎるのだけれど。

大失敗からは反省とか反動とか、反作用的副産物が生まれえるけれど、これだけのメンバーが集まって、しかもまだ失敗がゆるされるギリギリの年齢で、こういう中途半端な作品になったことが、なんつーか、残念なんだよね。
興行的には大成功なんだけど、たとえば天日坊のあとみたいに興奮しきりで喋りまくる客とか、逆に衝撃のあまり席を立てない客とか、そういうのは皆無。

さらっと話題作だから見に来て、うん、割と面白かったんじゃない?で帰っていく、そういう空気。
うーん。なんだか残念だ。