SakuraとRenのイギリスライフ

美味しいものとお散歩が大好きな二人ののんびりな日常 in イギリス

2011年に読んだ本ベスト10(10位~6位)

2012年01月02日 | 
あけましておめでとうございます。
そんなに頻繁には更新されないブログですが、今年もマイペースで書いていきますので、どうかよろしくお願いします。

さて、新しい年が始まったばかりですが、今日は昨年読んだ本の中から特に印象に残った本ベスト10を書いていこうと思います。
こうやって書いておくことで、あとで2011年の頃自分はどんなことをして、どんなことを考えていたのかなと振り返りやすくなるんじゃないかなと思うのです。

ということで、早速始めたいと思います。

10位 国分拓『ヤノマミ』(NHK出版、2010年)
 この本はSakuraに薦められて読みました。NHKでヤノマミ族についてのスペシャル番組をやっていたのを観てSakuraがものすごい衝撃を受けたらしいのですが、その番組が元になった本です。「原始的」な生活を営むヤノマミ族の暮らしがかなり深いところまで観察されて紹介されていて、とても興味深かったです。

9位 加藤淳子『税制改革と官僚制』(東京大学出版会、1997年)
 政治学の基本文献ですね。名前だけはあらゆるところで聞いていたのですが、ようやく、やっと去年読むことができました。税制改革という極めて専門性の高い政策分野がどのように作られ、実行されていくかを丹念に分析します。官僚たちが、税制に詳しく、また、選挙にも強くて安心して国家全体のことを考えていられる自民党の幹部の議員たちと協力して族議員の特殊利益の主張を抑えていくという自民党単独政権下の政策過程が中心ですが、これがいまの民主党政権ではどう変わったのか興味をそそられますね。いまの民主党政権は族議員的な人ばっかりだなーって、税・社会保障一体改革関連のニュースとかを観てると思ってしまいますけどね。

8位 Paul Pierson, Dismantling the Welfare State?:Reagan, Thatcher and the Politics of Retrenchment(Cambridge University Press、1995年)
 これも政治学の基本文献ですね。福祉削減の政治が福祉拡大の政治とは違うこと、従って、そう簡単には福祉削減はできないことを理論的、実証的に示したもの。この作品の素晴らしいところは、福祉削減をするときに、政府がどんな政策と組み合わせるかを示したところじゃないかと思います。こういう視点は今後高度成長期のような右肩上がりの成長が見込めなくなってきた日本においてますます重要になってくると思います。

7位 中村圭志『信じない人のためのイエスと福音書ガイド』(みすず書房、2010年)
 こんな本が欲しかった!というような本です。西欧の文化や思想の背骨になっているキリスト教について、それを宗教学の立場から冷静に紹介をしてくれます。「ここは変だよね」というようなことを、そのままここは変ですねって書いてあるので、楽しみながらキリスト教の勉強ができました。キリスト教についての最良の入門書じゃないかなと思います。なお、最近の似たような本として、橋爪大三郎・大澤真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、2011年)がありますが、こちらの本は肝心なところの対話が全然かみあっていなくて、読んでいてストレスがたまりました。中村さんの本のほうがRenはオススメです。

6位 Allan Janik and Stephen Toulmin, Wittgenstein's Vienna(Ivan R Dee、1996年)
 ウィトゲンシュタインが生きた世紀末ウィーンの文化を活き活きと描いた作品です。ウィトゲンシュタインの問題の背景は分かると思うのですが、別にウィトゲンシュタインの哲学について解説した本ではありません。ウィーンの本屋さんで発見・購入してウィーンから帰ってから読んだのですが、ウィーンについて予習しようと思って日本で読んだ本たちの、文化について書かれたところはこの本が種本になっていることが分かります。英語がそんなに苦手じゃない方は、世紀末ウィーンの文化についてはこの本を読んでおけばいいんじゃないかなと思います。平凡社ライブラリーで邦訳もあるのですが、本屋さんで注文してもらおうとしたところ、品切れになっていました。。Renは英語がそこまで得意ではないので、邦訳も読んでみたいです。


それぞれの本についてのコメントは一言にとどめるつもりだったのに、いろいろ書いていたらすっかり遅くなってしまったので、5位~1位は次回にしようと思います。

(つづく)


(投稿者:Ren)

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