追記
過般の諸報告や事案について、追記が生じましたので ご報告いたします。
◇長野市内で21例目の新型コロナウィルス陽性感染者の職域などが公表されました
16日に公表された 長野市における21例目の新型コロナウィルス陽性感染者について「市内の40代男(U男さん)」という情報が さらに具体化されたうえで改めて報告されました。
それによると、U男さんは「関東管区警察局 長野県情報通信部所属の職員」とのことです。
関係者によると、U男さんは 県警の情報通信施設の保守管理を担う同部で事務を担当。同居家族はおらず 3日に実家がある神奈川県に新幹線などで帰省し、4日に東京都に滞在したとのこと。帰宅後の8日に38度台の発熱と倦怠感を覚え 医療機関で薬を処方してもらい、9日から自宅療養していたが症状が改善しないため 13日に再受診し、PCR検査で15日にコロナ陽性と判明。そのまま感染症指定医療機関に入院しました。詳しい感染経路は調査中です。
U男さんの同僚6人が濃厚接触者で、うち1人に発熱があり 医療機関を受診しているとのこと。他の5人についてもPCR検査を行なうことになっているとのことです。
ところで、今回の報道で あまり大きくは伝えられていませんが、気掛かりとなっているのが U男さんの職場の所在地です。
U男さんが勤める「関東管区警察局 長野県情報通信部」は、長野県庁の10階に在(ざい)しているのです。
長野県庁10階には 県警本部や食堂があり、一般の人の出入りもあります。当然、U男さんは県庁々舎の出入り口から登退庁し、10階ともなればエレベーターも利用したことでしょう。また食堂の利用も然りであります。
今後 これまでのU男さんの行動履歴や症状(現在は軽症)などによっては、関係先の消毒などの措置が必要になるのかもしれません。
公的機関に勤める人の感染は、巡り巡って 県民(市民)サービスの遅滞を招く恐れもあることから 先ずはそうならないよう万全の注意を払うことが求められます。
今回の事例を他山の石とし、とりわけ公僕の者が陽性感染者になることの無いよう 私も含めて自戒の念を新たにするところです。
◇GoToトラベルキャンペーン「東京除外」に変更 ~まさに〝トラブルキャンペーン〟に~
さきの記事でも触れましたが「今、やる? or やらない?」で賛否が渦巻いた「GoToトラベルキャンペーン」は 開始(22日)を直前に控えた先日、急転直下ともいえるスピードで いわゆる「東京除外」をもって予定どおり実施、ということになったことが報じられました。
私自身は、昨日になって 国(総理)の方から「専門家の意見を聞きたい。」との意思表示があったことから、これから ある程度の時間をかけて、現状把握と情勢分析を行ない、また 多くの観光客が〝移動〟するであろう各都道府県の首長の意見などを聴取したうえで「然るべき判断」をするものと思っていました。
それほど重要なことであります 今回の事業は。
新型コロナウィルス禍が収まり切らない中で 敢えて経済を回す。その適否は 非常に難しい判断を求められるハズであります。
しかし実際には、昨夕に再検討が画策され 僅か1回の専門家会議が開かれただけ。
で、出された結論が「東京除外で予定どおり実施」とは。
これほど重要な案件が これほど簡単に、そして これほど中途半端な見直しのまま〝見切り発車〟することについては、釈然としないこと極まれり の感であります。
この決定について〝除外〟された方の東京都知事は、事前の相談やレクチャーが無かったことを明かすと同時に「国の方で よーくご判断されたことかと存じます。」と皮肉交じりにコメントしていたものでした。
今回の〝東京除外〟の見直しには、それを聞いた瞬間に さまざまな「?」が浮かんできます。
大都市圏の集団感染が問題視される中、東京だけを除外すれば感染拡大は防げるのか?
東京発着を(補助対象から)除外するとのことだが、東京を経由して移動する場合の感染リスクはどうなるのか?
仲介の旅行業者や受け入れ先のホテルなどは、どのように東京の人かどうか判別するのか?身分証明書が無ければ(宿泊等を)断られてしまうのか?
既に(補助を前提に)ホテルの予約などをしている場合、発生するキャンセル料はどうなるのか?
東京都民のキャンペーン参加が除外されたことで、同じ納税者として 不公平は生じないか?
等々、疑問符が引きも切らないところです。
今回の見直しについて、感染症学が専門の 昭和大の二木教授は「全国で感染者が増え続け さまざまなクラスターが発生している中、今のタイミングでの全国規模の実施は見送るべきだ。」と話しています。
さらに 今回の運用見直しについて「極めて中途半端だ。どうしても22日から始めるなら、東京と一体の生活圏で感染者が急増している埼玉・千葉・神奈川各県なども最低限 対象外にすべきだ。」と批判しています。さらに二木教授は「東京を外せば 感染拡大防止にそれなりの効果はあるかもしれないが、受け入れる現地の体制 さらに心情的な軋轢(あつれき)も懸念される。国は今後 宿泊施設での検温実施などを求める方針だが、チェック体制のガイドラインも無いままに強行するのは 明らかに準備不足。キャンペーンは一旦見送り、感染状況が落ち着いた時に仕切り直すべきだ。」と強調しています。
さらに 公衆衛生学が専門の、関西医科大 西山教授は「東京の感染拡大が示すように、最初は無症状の若者がキッカケとなり 広範囲(の年齢層)に感染が拡大する傾向がみられるなど、最初の頃とウィルスの広がり方が変わってきている。したがって このキャンペーンによって多くの人が移動すれば、東京のような感染拡大のリスクが全国に広がる可能性がある。」と警鐘を鳴らしています。
そして…そもそも、キャンペーン補助など無くても (旅に)出かけたい人は出かけるものであり、その観点からすれば、このキャンペーン自体が 補助金の有る無し以前に、国をして「移動解禁!」を宣言したことになる、その影響の大きさを考える(考え直す)べきではないかと思うところです。
今回の見直しは、明らかに〝実施(=人の移動)ありきの政治的決着〟と言えるでしょう。
報道は 併せて、この〝場当たり的見直し〟のために、所管の国交省を初め「現場」が大混乱に陥っていることが伝えられていました。
顧(かえり)みれば 今般の新型コロナウィルス禍における国の対応は、場当たりの限りを尽くしたものでありました。
直近では「特別定額給付金」。当初の方針が 与党内での異論をキッカケに急転直下の変更。その煽(あお)りを受けた地方自治体は 今も事務作業に追われています。
さらに 一連の騒動の発端にまで立ち戻れば、中国の地方都市で未知のウィルス発生の報がありながら、春節という大きな(中国人観光客の)消費の機会を逃すのは勿体(もったい)ないとばかりに空港・港湾の門を開け放ったことで、むざむざウィルスの列島侵入を許したことが、今回の日本経済の低迷を招いていると言っても過言ではないのではないか と。
まさに〝一時(いっとき)の経済〟を優先したことが、かえって 今の〝経済の首〟を絞めていることになってしまっているのです。
そんな顛末を招いてしまった中で 苦し紛れに打った施策=GoToキャンペーン は〝GoTo自業自得キャンペーン〟と言えるのかもしれません。
私のブレーンのMくんは「経済は (社会生活を豊かにするための)あくまで手段であって 目的ではない。でも、今の社会は、経済こそを最終目的に据えて そこに向けて動いているように見えて仕方がない。」と口にします。
そのうえで「経済は いつか再生できる。でも「生命(いのち)」は再生できない。」
「今 国は、経済も生命も 同時に良くしようとしているけれど、それは無理。どちらが大切かを適切に判断して、先ずは〝大切な方〟を重点的に守るべきじゃないか。」
「そして、先ず守るべきものは「生命(いのち)」だよね。」と。
どうやら 国は〝二兎〟を追い始めたようであります。
今後の展開によっては〝一兎をも得ず〟になりはしないか。
懸念は尽きないところであります。
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