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茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

叶匠壽庵の笹巻

2015-07-29 15:53:43 | 街散策・旅行

小さな橋を渡れば、自然に恵まれた茶室棟。
三年前、両親とここを通りかかったとき、ピンク色がひらひらと舞い降りる頃だった。珍しいことに、ここには三年も前から執着があった(笑)

今日は、見違えるほどの眩しい緑に囲まれ、ここで一服の茶を頂きに腰をかけた。赤漆のテーブルに、濃いみどりに染まった。

七月の茶室限定和菓子は、夏に取れたての山椒を練り込んだ葛に粒餡をいれた笹巻き。


Kさんは、先に「美味しい」と声を上げた。
促されるかのように、ルハンさんと私は、笹の葉を広げ、一口を頂いた。

山椒が効いた~。

口じゅうに涼しげが広がり、頬っぺたが落ちるほど美味しかった。山椒がこんなにも葛に合うとは、山椒の知られざる一面を知った。

できることなら、ここの笹巻きを持ち帰りたい。

できることなら、月一回ここに行きたい。京の自然の移り変わりを楽しみながら、四季折々の旬の和菓子を味わいたい^^

哲学の径 叶匠壽庵 京都茶室棟
京都府京都市左京区若王子2丁目1番地
075-751-1077

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京都舌鼓-祇園MAVO

2015-07-26 22:15:53 | 街散策・旅行

~始まりは、たまご~
ムニュー名をながめるだけで、情緒のあるオーナーシェフだな、との印象を受けた。

牡蠣の貝殻に載せた苔玉、目の前に運ばれてきたとき、この演出に心が躍った。

まつぼっくりの薫りがかおる、和牛の赤ワイン煮に、マダム西村の勧めでドライラベンダーを散らしてみた。このマリアージュに感動を覚えた。

昔の京都に災いの病をもたらしたとの言われがある胡瓜。移り住む京都の郷土文化を、大事に守る西村シェフの思いと創意工夫が伝わる。祇園祭りから七月末までに、胡瓜の食用を控える古い慣習があると教えてもらった。帰りに、その風習にゆかりのある八坂神社に立ち寄ってみた。


この日は、ワインではなく、ルハンさんの熱い思いでティーペアリングコースにしてみた。日本茶と西洋ハーブのブレンドティーを色々頂き、発見も色々。


オープンして、まだ一年。店内に四つのテーブルしかない、祇園八坂神社裏にあるこちらのフレンチレストラン。いつかシシュランの星が付けられる日も、そう遠くないのかもしれない。

食後に、京都国立近代美術館で開催中の「魯山人の美」企画展に行ってきた。

器は料理の着物

美食の芸術にどっぷり浸かった日だった。ルハンさん、ありがとう!


祇園MAVO
京都府京都市東山区下河原通上弁天町440 舞風館 1F
075-708-6988

京都国立近代美術館
北大路魯山人の美 企画展 
2015年8月16日まで

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2015常滑・多治見の旅-ギャルリ百草

2015-03-22 13:39:35 | 街散策・旅行

常滑・多治見の旅の最後に、多治見の山間に佇むギャルリ百草に訪れた。名古屋市内にあった取り壊し寸前の古民家を、人気陶芸作家 安藤雅信氏が、多治見の山間に移築し、ギャラリーとして活用している。



すっきりした数寄屋風の古民家は、素朴の美が漂う。
建物の周りをぐるりと囲む緑も、四季の移り変わりが伝わる。

ガラスの戸越しに差し込む光。
ここなら、一日の中にある光の変化も、容易に愉しめるのではないでしょうか。


庭に、企画展開催中の森北伸さんのユニークな彫刻。


伝統日本家屋の扉を開けると、土間になる。
そこで靴を脱ぎ、敷居に上がってからの観覧は、
忘れかけていた何かにふと気が付く。
ほかのギャラリーでは味わえない暮らしのなかの東洋文化は、
ここにはある。


普通のギャラリーにありがちの棚や照明は、ここにはない。
畳の床や仏間を使っての展示が、逆に新鮮で印象に残る。

一見簡素にみえる百草だけれども、
そこに、暮らしと芸術を垣根なく問う空間であった。


二階に展示された安藤さんの作品は、日常生活で使い込み、愛着がついていく生活食器がずらり。
ギャルリー百草の建物に通じた美学が感じ取れる。

暮らしに美を取り入れるのではなく、暮らしに本来ある美を見いだしてほしい。
そんなメッセージを受け取れた訪問だった。


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2015常滑・多治見の旅-多治見散策

2015-03-19 08:38:15 | 街散策・旅行

常滑の翌日、岐阜の多治見散策をスタートしました。
古民家が立ち並ぶオリベストリートは、ちょっとした散策には最適です。


多治見駅前のギャラリー陶林春窯は、作家さんの作品をたくさん観ることができて必見です。


ランチは、地元の方で人気のレストランを発見しました。外見ではちょっと想像できないほどファンタジックな店内-Cafe Zakka Hinatabocco。あまりにも人気で、三十分待ちました。逆に待ち時間がちょうどよい休憩タイムになりました。味も雰囲気も旅の疲れを癒してくれました。


多治見に入るまでは、美濃焼といえば、織部緑の釉薬しか思い浮かびませんでした。それ以外にも色々あるようには思うけれども、そのいろいろの中身は、ぼんやりしていました。

広くないけれど美濃焼ミュージアムで、ようやくその疑問が解けはじめました。その後、岐阜県現代陶芸美術館へ。駐車場から長かった通路の向こうでは、素晴らしい現代陶芸美術に沢山触れることができました。

釉彩豊富な美濃古陶を生み出したこの多治見の地では、きっと芸術家が集ったモンマルトルの丘のように、古くから自由な創作環境であったでしょう。今でも日本中から、若き陶芸家達がここに移り住む理由が、ようやく分かった気がいたしました。

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2015常滑・多治見の旅-浦山尚弥x村田益規コラボ

2015-03-16 11:15:03 | 街散策・旅行

甚秋陶苑の後、焼物散歩道の一角にある、器・暮らしの道具モリーナ(morrina)に行きました。一階には、日常の食卓で使える常滑焼の食器がいっぱいです。


常滑に発つ前に、大先輩の方々にモリーナをススメて頂きました。二階のギャラリーで、運よく台湾在住の烏龍茶職人浦山 尚弥さんと常滑の急須作家村田益規さんのコラボ企画展に、参加することができました。村田益規さんのどの作品も、急須職人のしっかりした技術と作家の芸術性が溢れ出ています。

台湾で製茶活動を続けながら、年に数ヶ月日本で活動する浦山さん。現地の茶事情に詳しい方です。

私がチョイスしましたのは、

龍眼六季 龍眼木炭で焙煎した四季春(2014年10月末) 南投県 名間郷

貴妃茶 品種 金萱 高発酵、中焙煎(2013年8月)南投県 仁愛郷 霧社高峰


作家村田益規さんの艶やかな黒蓋碗で、淹れて頂きました。

朱泥、黒、窯変の三色の蓋碗のなか、私は、この艶やかな黒が一番好きでした。

男前の感じが心をくすぐります。その上、丹念に叩かれた紋様が美しいです。写真に写っていない黒の建水、首と胴体に、それぞれ異なる叩きの紋様が施されています。目に焼き付けるほど印象に残りました。歯がゆい思いでした(笑)。

龍眼六季の清らかさ、貴妃茶の華やかさ、浦山さんがこの黒蓋碗を使ってどちらもうまく引き出しています。伊藤誠二さんの常滑急須は、私は老茶を淹れることにしています。釉や焼き方が一つ変われば、それぞれの常滑焼がどのお茶に合うか変わってくるだろうなーと検証したくなりました。建水は諦めても、この蓋碗は諦める理由が見つからなくなりました。

そして、浦山さんセレクト&命名したこの龍眼六季は、低地で機械摘みの四季春を、龍眼炭焙によるプレミアムバージョンです。雑味のなさ、はっきりした「回甘」(甘みが口に戻ってくること)、龍眼炭の力だと思い知らされました。


ネイティブほど中国語を話す浦山さん。藻掛けやら、飛天壺やら、焼き物にも詳しかったです。そして、茶にネーミングをつける心得まで、この日は沢山学んだ気がします(笑)。ありがとうございました。

好きなことをするため海外に飛び立つ、そして、こうやって地元愛知の作家さんと手を組み、常滑焼を広めていこうとする浦山さんです。これからのご活躍もご期待したいのです。

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