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好きなことだらけさ…

NBAバレエ団公演『ロミオとジュリエット』2日目

2017年02月27日 | バレエ

2017年2月26日(日) 開演14:00 東京文化会館 大ホール

たぶん、25日がシクリャーロフと分かっていたら取らなかったであろう公演ですが、
買っちゃったからには観ますw

主役は以前「くるみ割り人形」で観た事のある二人。
宮内浩之&竹内碧でした。
当日券で観た25日は左サイド席だったため、
バルコニーに佇んで乳母とやり取りするシーンが見切れて
全く見えなかったんですが、
(シクリャーロフは見えてたから問題なしw)
この日は右サイド、しっかり見えました。

背の高いダンサーがいなかったNBAでシクリャーロフがロミオだと
ひとり飛びぬけて高身長w
マキューシオとベンヴォーリオの踊りは見劣りせずに良かったんですが、
並んだ時のバランスがビミョー。
その点、この日は3人の身長が揃っててピッタリ合ってました。

ついつい、頭に刷り込まれてるマクミラン版の「ロミ&ジュリ」との違いを
考えながら観てしまいますが、
マーティン・フリードマン版は余計な部分はサクッと削ってる印象。
シェイクスピアの戯曲を忠実に再現したものだそうです。

幕が上がり、ロミオがバラを1本持ってピンで登場。
そこにマキューシオとベンヴォーリオがワイワイ出てきて
ロザラインとその友人登場。
ロミオ、ロザラインにバラを渡すも、むげに放り投げられてる。
落ちたバラを拾ったマキューシオとベンヴォーリオがロミオをからかう。
というシーンから始まります。
その後のヴェローナの広場でのモンタギューとキャピュレットの小競り合いに
ロミオは加わっていません。
怒りのディボルトがカッコよく登場で、小競り合いは一層激しくなり、死人続出。
最後は大公が出てきて、貴様ら何やってんだ!!仲良くしろいって感じで
モンタギュー公とキャピュレット公がイヤイヤ握手。

ロミオたちがキャピュレット家の舞踏会に忍び込み、
ジュリエットと出会うシーンも無理なくストーリーが見えてきます。
怒りのティボルトは土橋冬夢。
前日よりは若干冷静さがあるように見えたので、こちらの方が好きかもw

バルコニーは高い位置にあるわけではなく、
キャピュレット家の果樹園に忍び込んだロミオが
中庭に出ていたジュリエットを見つけるという設定。

2幕目、マクミラン版ではヴェローナの広場で結婚式の行列を
うっとり眺めるロミオやコミカルなダンスが披露されますが、その辺は入ってなくて、
広場に来た乳母をからかうマキューシオとベンヴォーリオ。
そこにロミオ登場です。
手紙を受け取った後、秘密の結婚式。
場面は広場に移りマキューシオの見せ場とロミオvsティボルトになだれ込み、
ティボルト倒れーのキャピュレット夫人泣崩れーので、大公登場。
モンタギュー公に対してキッパリ、ロミオ追放宣言です。
モンタギュー夫人頽れる。

3幕目は別れに嘆く寝室のパ・ド・ドゥ。
ロミオが去り、キャピュレット夫人がパリスを連れてくるも
頑として拒むジュリエット。
誰もいなくなった部屋で短剣を取り出し自殺を図ろうとするジュリエット。
思いとどまり、ロレンス修道士の元へ。
ここで、教会に行くとパリスが来てるんですね。
たぶん、ジュリエットの変貌ぶりに相談に来てたんでしょう。
そこでパリス&ジュリエットのイヤイヤダンスがあり、
ロレンス修道士が割って入り、パリスにひとまずお帰りっていう感じです。
いよいよ例の薬を手に入れたジュリエットは
部屋に戻り、死を覚悟して薬を飲みほします。
その先の展開は早かったです。
お友達がお祝いにきて、死んでるジュリエットに気づき、悲しみの葬儀。
 葬列の最後、ロミオが駆け抜けます。
墓所での葬列が去ったあとすぐにロミオ登場。
ジュリエットの亡き骸のそばで悲しんでるパリスと少しもみ合って、
サクッとパリス倒れちゃいます。
ジュリエットが死んでしまったと嘆き毒薬をあおるロミオ。
ジュリエットのお腹の上に倒れ込みます。
直後、ジュリエット目を覚まし、愛するロミオが自分の腕の中にと喜んだのも束の間、
死んでいると気づき、ロミオの腰の短剣を使い自害。
ロミオの上に折り重なるように倒れます。
墓の異変に人々が集まって来て、
それぞれ、息子と娘を喪ったモンタギュー公とキャピュレット公は
両家の争いが若い二人を死に追いやったことを悔やみ、和解を誓い合う。
両家の和解シーンまで入ってたのはヌレエフ版だったかな。
そして、この幕が下りる直前の和解シーンは、
黒茶がかった色調で絶妙に人物が配置され、
まるでレンブラントが描いた1枚の絵のようでした。

 竹内碧のジュリエットは可愛かったですね~。
宮内浩之とのパートナーリンクもピッタリ。
マキューシオも前日の大森康正より高橋真之の演技の方が好きかな。
そうそう、広場のシーンでジプシー役が1人、ステンと転んじゃったんですが、
周りがすぐさまフォローしてました。素晴らしい。

難を言えば2日間とも音がちょっとね…w
ロイヤルチェンバーオーケストラだったんですが、
せっかくのプロコフィエフが…そこだけが残念。
全体的にまとまりのあるいい舞台でした。

〈主なキャスト〉
ロミオ:宮内浩之
ジュリエット: 竹内碧
マキューシオ: 高橋真之
ベンヴォーリオ: 清水勇志レイ
ティボルト: 土橋冬夢
パリス: 森田維央



NBAバレエ団公演『ロミオとジュリエット』

2017年02月26日 | バレエ

2017年2月25日(土) 開演18:00 東京文化会館 大ホール

NBAバレエ団の「ロミオとジュリエット」は、マーティン・フリードマン版。
2003年にコロラド・バレエに振付けられたもので日本では初演だそうです。
なかなかのドラマチック・バレエでした。

追記 パンフをちゃんと読んだら、コロラド・バレエが最初じゃなかったです。
34年前にタンパ・バレエに振付けたのが最初だったそうです。
2003年は芸監の久保紘一氏が
「コロラド・バレエ20周年記念公演」で踊ったんだそうです。
 
実はこの公演、26日のチケットを取ってました。
ゲストのウラジーミル・シクリャーロフ目当てです。
2日間の公演のうち、彼が踊るのは25日だけと当日気が付いてビックリ!!
土曜日当日券買いに文化会館に走りましたww
チケット取る時、詳しいキャストが出てなくて、
Wキャストだとは思わずに購入。
取った後はサイトとかちゃんと確認しないままでいたら、こんな事に…。
一緒に観に行く友人が午前中から「大変、大変!」とLINEくれてたのに、
自分、寝てましたwww
とにかく当日券買えて、シクリャーロフのロミオを観ることが出来ました

シクリャーロフのロミオは2015年マリインスキー・バレエ公演で
日本で観ることが出来るはずだったのが、怪我で降板。
ファンの間では幻のロミオと言われてたらしいw
パンフレットにも本人のメッセージとして
「前回の日本公演ではケガのため最後まで踊ることができず、
心から残念に思ってます。
今回は自分の持っているベストパフォーマンスを
披露したいと思っています。」(抜粋)と、ありました。

甘いマスクの文句のないロミオ様でした。
彼は主役の王子だけでなくキャラクターテールも踊れる
芸域の広さを持ってるらしく、しっかり演技もできるダンサーでした。
この日のお相手のジュリエットは峰岸千晶。
彼女はちょっとクールビューティー過ぎるかな?
ジュリエットはもう少し幼さが見え隠れするキャラだと思うので、
好き好きロミオ様感があまり見えないw
バレエは綺麗に踊ってましたが、演技から踊りに移る時、
一瞬止まる感じがあって、流れるように初恋に身を投じるってのが
自分は感じられなかったです。

他のバレエ団の面々はしっかり踊れますね~。
ティボルトが最初からロミオに殺されるまで怒りまくりでしたww
常に腕を上にあげる動きで怒りを表してたんですが、
キャピュレット公もほぼ々々怒ってたから
キャピュレット家の男性は常に激昂してるらしい。

26日の鑑賞に続きます。

〈主なキャスト〉
ロミオ:ウラジーミル・シクリャーロフ
ジュリエット: 峰岸千晶
マキューシオ: 大森康正
ベンヴォーリオ: 森田維央
ティボルト: 三船元維
パリス: 米倉祐飛




『マリアンヌ』

2017年02月24日 | 映画 洋画

1942年、カサブランカ。
マックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティヤール)はこの地で出会った。
極秘諜報員とフランス軍レジスタンス。
決して交わることのない人生を歩んでいた2人を、ある重大なミッションが引き合わせる。
それは、夫婦を装い、敵の裏をかいてドイツ軍大使を狙うという作戦だった。
そして迎えた終戦。
ロンドンで再会した2人は、決して人に言えない“ある秘密”を抱えていた……。
(MovieWalkerより)


 昔の戦争絡みラブ・ストーリー映画みたいで、雰囲気たっぷりでした。
時代もハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマンの「カサブランカ」。
そして、美しいブラピ~。
もちろんマリオン・コティヤールも綺麗ですが、
汚れ役好きなブラピが綺麗な役で登場してくれるのはうれしい。

そんな時代じゃなければ、二人ともスパイ活動に従事していなければ、
幸せに暮らせたであろうけど、
それだと出会いすらなかっただろうしね。

ハエでも叩くようになんの躊躇もなく敵を撃ち殺せる極秘諜報員マックスも、
明日死ぬかもしれないと言われれば、マリアンヌの誘惑にもノルよなぁ。
で、吊り橋効果バリバリで氷の心が融けちゃって
後半はかけがえのない妻への愛で溢れちゃってます。

車が実に効果的に使われてました。
詳しく書くとネタバレになってしまうので、止めときますが、
愛を育むのも、愛を貫くのも車の中がキーになってました。

悲しいけど、なかなかステキな映画でした。




『ボリショイ・バレエ inシネマ「白鳥の湖 全2幕」』

2017年02月23日 | バレエ

映画館で観るボリショイ・バレエ。今回は「白鳥の湖」。
2015年1月25日モスクワ公演収録。
DVD、BDも発売されてますよね。
今年の6月にある日本公演もこのバージョンの白鳥。

グリゴローヴィチ版の白鳥は初だったんですが、
どうやら30年越しの新改訂版というものだったらしいです。
(新改訂版初演は2001年ですから、16年経ってますが。)
初演の1969年当時はソ連当局の圧力がかかって結末が違うんだとか。
ロシアの「白鳥の湖」は概ねハッピーエンドで終わるんですが、
今回は珍しくバッドエンド。改訂前はどうだったんでしょう。

ともするとオデット・オディールの添え物のように殆ど踊らない
ジークフリード王子がいたりするんですが、
グリゴロ版は最初のパーティーから最後までジークフリードがガンガン踊ってました。
端正なお顔のロジキンが舞台狭しとバンバン回る~。
ロットバルトは王子に影のようにつきまといユニゾンで踊るという
観たことがないもので、
そのロットバルトを踊ったアルテミー・ベリャコフが光ってました。
ザハーロワは、はい、完璧です。
言う事ないけど、やっぱりデカい白鳥だよなぁw

カメラワークもなかなか良く、
白鳥群舞のフォーメーションがきれいに見える高い位置からの撮影もありで、
こうなってるのかぁと面白かった。

まあ、話の流れをぶった切る途中、途中のごあいさつは
超絶技を魅せるボリショイだからいいけど、
改訂されたという結末が??という感じw
あれはロットバルトがオデットを殺しちゃったの?
チャイコの曲もババーンで終わらず、なんだか尻すぼみ感が…。
今ひとつジークフリードの苦悩が伝わってこないまま、終わってしまった。

毎回思うけど、舞台に登場しているダンサー全員、
高レベルで踊るボリショイ・バレエ。
さすがでございました。


〈主なキャスト〉
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ 
ジークフリート:デニス・ロジキン 
ロットバルト:アルテミー・ベリャコフ 
道化:イーゴリ・ツヴィルコ 
王妃:エカテリーナ・バリキナ 
家庭教師:アレクセイ・ロパレーヴィチ 
王子の友人たち:クリスティーナ・クレトワエリザヴェータ・クルテレワ



『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

2017年02月21日 | 映画 洋画

フロリダで生まれ育ったジェイク(エイサ・バターフィールド)は、
周囲に馴染めない孤独な少年。
そんな彼の唯一の理解者である祖父が、謎めいた死を遂げる。
祖父の遺言に従って小さな島を訪れたジェイクは、森の奥で古びた屋敷を発見。
そこには、美しくも厳格なミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)と
奇妙な子どもたちが暮らしていた。
やがて彼らと心を通わせ、その不思議な能力を知るジェイク。
しかもなぜか、彼らは毎日、1940年の9月3日を繰り返していたのだ。
ジェイクがその事実と理由を知った頃、目に見えない脅威が屋敷に迫っていた。
だが、ジェイクには解明しなければならない疑問があった。
誰が現実に存在し、誰を信じられるのか。
そして、自分がこの世界に送り込まれた役割とは何なのか。
真実が明らかになったとき、永遠に続く1日と奇妙な子どもたちに訪れる大きな変化。
そして、自らの身体に宿る力に気付いたジェイクは、
屋敷に迫る脅威に立ち向かってゆく……。
(MovieWalkerより)

子供たちが暮らす、お城のような屋敷で話が展開するのかと思ってたら
異能力と時間が交錯する大きな話でした。

オープニングとエンディングはホラー映画仕様で雰囲気満点。
登場するホローの造形やイーノックが心臓を埋め込んで操る人形たちは
ヤン・シュヴァンクマイエルの映画に出てきそうなダークなカワイさプンプン。
なんだけど、そこはアメリカ映画。
わけのわからないシュールさはなかったですww
ティム・バートンのダークファンタジーになってました。

地元の映画館でポイント使って観る都合上、2D吹替え版になっちゃったんですが、
主人公ジェイクの声がマモだったぁ~。。。。
ダークなオープニングの後、
アメリカのスーパーでバイト中のエイサ・バターフィールド登場。
『僕と世界の方程式』で観たばっかりだったので期待値が上がってる。
そこに第一声の「僕は・・・」でコケた。
うわっ、良い子になった亜人かよっwww
宮野真守はけして嫌いじゃない。むしろ鳳凰院凶真は大好きである!!
しかし、ジェイクはマモじゃないだろう…。
観てる間中、"良い子の永井圭"が頭をよぎるぅぅ。
朴璐美や花澤香菜は他のキャラが被ることなく観れてたのに。
なんだかもったいない事した気分。

バロン演じるサミュエル・L・ジャクソン、今回もたいそうエグい役どころでww
お金払って、字幕版でもう1回観ようかなぁ。




糸巻き作ってみた。

2017年02月20日 | ハンドメイド

お正月前に刺繍糸で鳥を編んでて5番の糸が増えちゃって、
そのまま保存してると絡まりそうなので、糸巻きを作ってみようと。

試しに直径3cm、長さ5cmの丸棒を5本買ってきた。
1個80円はちと高いなぁ。
本当はもう少し細く短い方がよかったんだけど、
東急ハンズで売ってたサイズで一番小さいのがこれだった。
100均で買うよりは安いけど、数が増えるとちょっと高いな。

丸棒の上下にハギレとフェルトを合わせて
ブランケットステッチしたものをボンドでくっつけただけ。

ハギレとフェルトの間にキルト芯を挟んで、少しだけふっくらさせてます。

番号も分かるようにラベルを1目で縫い留め。
思ってたよりはイイ感じに出来たけど、
1個80円では数が増やせないなぁ。
2mくらいの長い丸棒をカットしてもらった方が安いのかな?
1カット50円って書いてたけど…。



出掛けなくて良かった~w

2017年02月17日 | 瑣末な日々

物凄い強風でした。
春一番だったそうですが、花粉が…。
映画に行こうか、錦糸町までバッハ聴きに行こうか、
娘と四谷方面にお出かけしようかと色々考えてたけど、
朝起きたら、風がブォーwww
これはダメだ。
家でシュシュ編んでました。

ネットに出てた「シロツメクサのシュシュ」っていうのを編んでみました。
まだ完成には至らず。
オバサンが使うにはカワイ過ぎるので、
誕生日だねと言ってショートケーキを買ってきてくれた娘に
あげることにします。

アプリコットのケーキは美味かった。
ピスタチオとアーモンドが入ってました。



『僕と世界の方程式』

2017年02月16日 | 映画 洋画

イングランド中部シェフィールド。
大好きだった父マイケル(マーティン・マッキャン)を事故で亡くし、
母ジュリー(サリー・ホーキンス)や周囲に心を閉ざしてしまった少年ネイサンは、
他人とのコミュニケーションが苦手な反面、
数学の理解力に関しては飛びぬけた才能を持っていた。
ジュリーは、普通の学校に適応できない息子の才能を伸ばそうと、
数学教師マーティン(レイフ・スポール)に個人指導を依頼。
数年後、マーティンの献身的な教育の成果もあり、
ネイサン(エイサ・バターフィールド)は国際数学オリンピックの
イギリス代表チームの選抜候補に選ばれる。
代表チーム監督リチャード(エディ・マーサン)の指導のもと、
台北でのトレーニング合宿に参加することになったネイサン。
その合宿は、イギリス最大のライバルである中国チームと合同で行われ、
ネイサンはそこで中国チームの美しく聡明な少女チャン・メイ(ジョー・ヤン)と
パートナーを組むことになる。
彼女と共に学ぶ日々は、数学一色だったネイサンの人生をカラフルに変え、
彼を大きく成長させていく。
そしてネイサンの心にはこれまで経験したことのない感情が芽生え始めていた。
やがて台北合宿は終了、イギリスチーム、中国チームともに
国際数学オリンピック本番のために
イギリスのケンブリッジ大学トリニティ・カレッジへと向かう。
だがオリンピック当日、ネイサンは人生最大の選択を迫られることになるのだった……。
(MovieWalkerより)

ネイサンの心の動きを丁寧に追ったいい映画でした。
監督のモーガン・マシューズは自身が制作したドキュメンタリーで扱った
自閉症児の記録をドラマ化したものだそうで、長編映画デビューだそうです。

父親とだけは心を通わせることが出来る自閉症の少年が
数学オリンピックで知り合った少女との交流がきっかけで、
自分の気持ちや周りの世界に目を向けることが出来るようになるまでのお話。

周りに溶け込めないネイサン。
幼い頃、突然の自動車事故で父親を亡くしてしまっても、
その意味すら理解しないまま高校生になってしまう。
母親も彼を分かろうと日々必死ですが、上手くいかない。
自分のダメさ加減を十分理解していながら、どうする事もできずにいる数学教師と
数学オリンピックを目指しますが、その勝敗がメインではなく、
知り合った少女チャン・メイとの恋愛模様に話が流れるわけでもない。
ストーリーとしては中途半端で、ここで終わりか!?と思ってしまうけど、
話の落としどころが実にうまく、思わずホロっとさせられる。
ああ、彼はちゃんと成長してる。
これからはお母さんともうまくやっていけると予感させる終わり方でした。

主演のエイサ・バターフィールドは『縞模様のパジャマの少年』と『エンダーのゲーム』でも
観ましたが、『ヒューゴの不思議な発明』の印象が強く、成長したなぁとw
もう19歳なんですね。
ネイサンの気持ちをその時々、上手~く表現していて
俳優さんとして彼も成長してる~。
これから観ようかと思ってる『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』にも出てますね。



『沈黙‐サイレンス‐』

2017年02月14日 | 映画 洋画

17世紀。江戸初期頃の日本では、幕府により厳しいキリシタン弾圧が行われていた。
日本での布教活動に情熱を注いでいた高名な宣教師フェレイラが捕らえられ
棄教したとの報に接した弟子ロドリゴとガルペは、
日本人キチジローの手引きでマカオ経由で長崎に潜入。
そこでは、想像を絶する光景が広がっていた。
弾圧の目をかいくぐった隠れキリシタンたちの現状も目の当たりにする。
幕府は一層取締りを強化、キチジローの裏切りに遭い、
ロドリゴたちも捕らえられてしまう。
頑なに信心を曲げないロドリゴに対し、長崎奉行は彼のために犠牲になる人々を突き付ける。
信仰を貫くべきか、棄教し目の前の人々の命を守るべきか。
追い詰められ自身の弱さを実感したロドリゴは、選択を迫られる。

(MovieWalkerより)

一応観てきましたが…。
宗教観欠如の自分には難し過ぎかも。
ロドリゴの苦悩も、隠れてまで信仰心を捨てない村人も、それを弾圧する井上も。
ただ傍観者でいるしかなかったです。

信仰心のため、己が命をなげうつ者、転び苦悩する者。
すべて弱きもの。
遠藤周作は読んだことがないんですが、
弱い人々を見続けていたのでしょう。

この映画を観る前にNHK-BS1で放送した
「巨匠スコセッシ"沈黙"に挑む~よみがえる遠藤周作の世界~」を見ました。
スコセッシ監督自身が神父を目指していたんですね。
ナレーションは映画にも出演していた塚本信也さんで、
実際に隠れキリシタンの里に行って、末裔の方にお話を聞いてました。
でもまあ、信仰と暴力と人間のありようなんて、答えがあるとは思えない。

人は昔から宗教観の違いから、諍いを争いを戦争をテロを引き起こしている。
それはどの神もみな沈黙してるからなのか?
てか、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も同じ神様じゃないのか?
そこに仏陀がいてもいいじゃないか。
世の中、八百万の神々がいていいではないかと思ってしまう。



NODA・MAP 第21回公演『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~

2017年02月11日 | 舞台(演劇・音楽)

2017年2月10日(土) 開演19:00 東京芸術劇場プレイハウス

盟友、中村勘三郎へのオマージュと野田自身が公言した本舞台。
最後のサルワカ演じる妻夫木聡のセリフに集約されていたように思えました。

以下、朝日新聞の舞台評から
漠然と江戸時代としか言いようのない時空で物語は展開する。
三、四代目出雲阿国と弟の淋しがり屋サルワカの女歌舞伎一座の顚末と、
幕府転覆を狙う由井正雪のエピソード。
この二つがないまぜになっている。
ただし、後者には屈折があり、古田の役は死体/売れない幽霊小説家となっていて
これが生死を繰り返して「由井正雪」になっていく。
そしてそういう筋書きを、ゴーストライターでもある
幽霊小説家の手を借りて書き進めるのがサルワカであり、
その芝居の中で阿国は足跡姫に憑依され、もうひとつの世界を生きる。
ざっとこんなストーリーになってました。

いつもの野田の舞台より難解度が低いような印象だったのは
古田だけじゃなく、みんなしてダジャレ言いまくりのせいか!?
言葉遊びじゃなんてシャレた感じじゃなくてダジャレ、結構笑えるwww
中村扇雀演じる様々な役人の名前しかりで、こんな名前でいいのかと笑わせる。
そして、脱力感を漂わせながら縦横無尽に動く古田新太。
宮沢りえは阿国と足跡姫を演じ分け、
カワイイ弟の妻夫木聡は最後に勘三郎を匂わせる。

もう生で観ることは出来ない勘三郎の芸を生き方を思い、
演じる先から消えてゆく芸能者として、先を行こうとしているのかもしれない。

俳優陣は鉄壁過ぎかな。
NODA・MAP初参加の佐藤隆太、鈴木杏、中村扇雀にしても達者揃い。
ひとりくらい未知数の若者入れたら、また違った印象の舞台になったかも。

〈主なキャスト〉
三、四代目出雲阿国 宮沢りえ
淋しがり屋サルワカ 妻夫木聡
死体/売れない幽霊小説家 古田新太
戯けもの 佐藤隆太
踊り子ヤワハダ 鈴木杏
万歳三唱太夫 池谷のぶえ
伊達の十役人 中村扇雀
腑分けもの 野田秀樹