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好きなことだらけさ…

NODA・MAP 第21回公演『足跡姫』~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~

2017年02月11日 | 舞台(演劇・音楽)

2017年2月10日(土) 開演19:00 東京芸術劇場プレイハウス

盟友、中村勘三郎へのオマージュと野田自身が公言した本舞台。
最後のサルワカ演じる妻夫木聡のセリフに集約されていたように思えました。

以下、朝日新聞の舞台評から
漠然と江戸時代としか言いようのない時空で物語は展開する。
三、四代目出雲阿国と弟の淋しがり屋サルワカの女歌舞伎一座の顚末と、
幕府転覆を狙う由井正雪のエピソード。
この二つがないまぜになっている。
ただし、後者には屈折があり、古田の役は死体/売れない幽霊小説家となっていて
これが生死を繰り返して「由井正雪」になっていく。
そしてそういう筋書きを、ゴーストライターでもある
幽霊小説家の手を借りて書き進めるのがサルワカであり、
その芝居の中で阿国は足跡姫に憑依され、もうひとつの世界を生きる。
ざっとこんなストーリーになってました。

いつもの野田の舞台より難解度が低いような印象だったのは
古田だけじゃなく、みんなしてダジャレ言いまくりのせいか!?
言葉遊びじゃなんてシャレた感じじゃなくてダジャレ、結構笑えるwww
中村扇雀演じる様々な役人の名前しかりで、こんな名前でいいのかと笑わせる。
そして、脱力感を漂わせながら縦横無尽に動く古田新太。
宮沢りえは阿国と足跡姫を演じ分け、
カワイイ弟の妻夫木聡は最後に勘三郎を匂わせる。

もう生で観ることは出来ない勘三郎の芸を生き方を思い、
演じる先から消えてゆく芸能者として、先を行こうとしているのかもしれない。

俳優陣は鉄壁過ぎかな。
NODA・MAP初参加の佐藤隆太、鈴木杏、中村扇雀にしても達者揃い。
ひとりくらい未知数の若者入れたら、また違った印象の舞台になったかも。

〈主なキャスト〉
三、四代目出雲阿国 宮沢りえ
淋しがり屋サルワカ 妻夫木聡
死体/売れない幽霊小説家 古田新太
戯けもの 佐藤隆太
踊り子ヤワハダ 鈴木杏
万歳三唱太夫 池谷のぶえ
伊達の十役人 中村扇雀
腑分けもの 野田秀樹