ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

分析化学は謎解きと同じ

2008-04-10 07:01:00 | 時事・雑感
中国製冷凍餃子に端を発して、
多くの人々が食品の安全・安心の検査に関心が高まっている。
冷凍餃子事件の完全解決を見ないうちに、
今度は東京、兵庫でペットボトル入りお茶から、
除草剤のグリホサートが検出されたと報じている。

これらのニュースから通常では聞かない化学物質や分析機器、
例えば農薬のジクロボス、メタミドホス、グリホサート・・・
分析機器のガスクロ、ガスマス、高周波プラズマなどの専門用語が、
日常的にテレビや新聞に頻繁に出てくるようになった。


現役時代から相互リンクしている「津村ゆかりの分析化学ページ」(http://www5e.biglobe.ne.jp/~ytsumura/)がある。
彼女の分析学に対する熱い思いに共鳴して、
退職後も目を通すサイトの一つである。

その中に彼女が共感した言葉を専門書から引用した、「ふとした言葉」がある。

『つまり、分析をするということは、
最先端の科学の知識を生かして行う謎解きにも似た知的なゲームという側面と、
勘と経験を頼りに高度な技能を駆使して行う職人芸という側面がある。
 小島建治「分析のメカニズム」日本分析機器工業会編:「よくわかる分析化学のすべて」より(2008/3/8) 』

要約すれば「分析化学とはどういう物か」と言う事を、平易な言葉で説明しているのだが、
奇しくも私は25年前に「精緻なるロマンを求めて」(http://www5.ocn.ne.jp/~eikene/internet15.htm )の中で、
「分析化学」とは未知なる物質を探り当てるという、
多分に夢とロマンに満ちた、興味ある謎解きにも似た仕事に違いないと書いた。

こんなにも興味ある遣り甲斐のある仕事を一生の「飯の種」にしていた事を、
今回の冷凍餃子やペットボトル入り農薬事件から、改めて認識させられた。
それと同時に難しかったが思う存分に働けたと言う満足感は、
定年退職後に潔く一切の仕事から身を引いた、私の最も大きな理由でもある