清酒 東の麓 蔵人日記

山形県の地酒「東の麓」を醸造する職人のブログ

南陽の酒米  圃場巡回

2006年07月07日 | 日記

今日は午後から南陽酒米研究会の圃場巡回に同行させていただきました。

葉色、茎数、幹長などから、米になったとき、酒造りにあまり必要としない蛋白質等の含有量や収量に大きく関わる肥料(穂肥)の与える時期と量を判断する為の巡回です。

南陽酒米研究会は、他県では減肥栽培と呼ばれるくらいの窒素成分しか与えない米つくりをしています。量より質をです。

しかし、昨今の米価を見るとき、食用うるち米と酒米との価格差が少ないことで、農家として酒米を作る魅力が無くなっているのも事実です。でも酒米には、酒米から日本酒へ変わっていく物語が生まれます。自分の作った米から酒が出来上がり、それを飲む歓びを知っています。農家の方々は、だから酒米作りはやめないとおっしゃいます。

そんな言葉に報いるためにも、良い酒をたくさん造り、もっともっと売っていけるよう頑張らなくてはと思い帰ってきました。

蔵人S

 


新潟県酒造技術研究発表会へ行ってきました 2

2006年07月07日 | 日記

6日、事務局の工藤先生を含め10名、昨夜の交流会の余韻を呼気に残しながら朝日酒造株式会社様の蔵見学をさせていただきました。

朝日酒造といえば、あの有名な「久保田」を造っている会社です。

朝日酒造全景がカメラに収まりきれません

新しい工場は都会のイベント会場かホテルかと間違うような建物で、中の設備も素晴らしいものでした。

 酒造期は9月から10ヶ月間で、残りの2ヶ月を設備のメンテナンスに充てているそうです。酒造米は、自社関連会社に朝日農研という農業法人を持ち、減肥栽培で作った五百万石や朝日酒造で復活させた千秋楽を使っているということです。また、農家と契約をして米の品質により価格を決めて買い取るシステムをとっているそうです。

ビン詰めラインや倉庫も見せていただきました。ちょっとした体育館並みの倉庫です

あの地震災害の時は、この倉庫内の一万本が割れたそうです。割れなかった物も酒をかぶり、製品としては出せないものが殆どだったそうです。

全体を通して、ナショナルブランドと呼ばれるメーカーとは違い、大きな造りの中にキメ細かい人の手が入る酒造りをしていると感じました。

約2時間、説明と案内をしていただいた朝日酒造の社員の皆さん、ありがとうございました。              蔵人S