歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

指数関数のすごさを実感させられる動画「長さの比較」

2010-08-31 01:00:05 | 動画
 曽呂利新左衛門という歴史上の人物がいます。豊臣秀吉に御伽衆として仕えたといわれますが、創作上の人物という説もあるそうです。彼については以下のような逸話があります。

(以下引用)
ある日、新左エ門は秀吉から、 「何でも褒美のものを取らせよう、何がよいか。」 というお言葉に、 「この広間の畳に、端の方から一畳目は米一粒、二畳目は二倍の二粒、三畳目はその倍の四粒、というように、二倍二倍と米を置き、広間の百畳分全部をいただきたい」
秀吉はせいぜい米俵一俵か二俵くらいだと思い、にこにこしながら「欲がないやつだ」と承知した。ところがあとで勘定方の家来に計算させたところ、四畳までで十五粒、八畳で二百五十五粒、十六畳でも米一升(四万六千粒)くらいであるがその後急激に増えて三十二畳で千八百俵、百畳ともなると5.5×1023俵という膨大な量になることがわかりました。これは、これまで人間が作った米全てを集めてもまだ足りないくらいの量です。秀吉は青くなり、新左衛門に謝ってほうびを別のものに替えてもらったそうです。この考えに気づいていた新左エ門。こんな人間を敵にしたくないものです。
(引用終わり)

出所:http://www.mizunasu.co.jp/info/sorori.html

 指数関数って怖いですね。この話は高校の数学の参考書で紹介されていた記憶があるのですが、突然ふと思い出したのはこの動画を見たためです。



 モノの長さを小さいものから比較していく動画です。ハードディスクのディスクとヘッドの間隔がいかに短いか、万里の長城がいかに長いか、などを様々なモノとの比較で知ることができます。そして最後に指数関数のすごさを実感させられるのですが、これがまさに圧巻です。ニコニコ動画には時々こういった理系作品の良作が見られますね。

映画『仮面ライダーW』&『天装戦隊ゴセイジャー』を観てきました

2010-08-29 21:12:21 | 日常
 切り替えを申請したパスポートを受け取りに川崎に出かけたのですが、休日に出かけようとすると必ず息子が付いてくるので、ついでに親子2人で川崎チネチッタにて映画『仮面ライダーW』&『天装戦隊ゴセイジャー』を観てきました。



 『天装戦隊ゴセイジャー』はTV版と同様に正直言って残念な内容で、俳優の演技もアクションシーンの撮り方もイマイチ。作品全体を通じて「見るのはお子様だしこの程度で作ればいいや」的な雰囲気を感じざるを得ませんでした。
 一方、『仮面ライダーW』は大人の鑑賞にも十分耐えられる良作でした。この世界観が果たして小さな子どもにどこまで理解できるかな、とは思いましたが、それでも製作サイドが細部に至るまで妥協せずに力を入れて作った娯楽作品『仮面ライダーW』からは、たとえよくわからない部分があっても息子は十分その面白さを感じているようでした。映画の終盤に次期仮面ライダーのOOO(オーズ)がちょこっと顔を出すのは、この手のシリーズもののお約束ですね。Wは非常に面白い作品であっただけに、OOOにも期待したいところです。

美術館で開催されたスイス・ヴィンタートゥール市の投資誘致説明会

2010-08-28 23:38:36 | 海外ものづくり事情
 スイスにヴィンタートゥールという町があります。チューリッヒから車で約15分、人口は10万人ほどの小さな町ですが、大型ディーゼルエンジン、医療、環境、包装、印刷、情報技術などで世界トップレベルの技術を持つ企業が集積しているスイス有数の工業都市です。例えば、現在世界に3社しかない船舶用大型ディーゼルエンジンのライセンサーの1つ、フィンランドのバルチラ(Wärtsilä)のスイス法人がヴィンタートゥールにあります。このバルチラ・スイスは、元はといえば19世紀にドイツのディーゼル社と合弁でヴィンタートゥールに設立されたスルツァー(SULZER)のディーゼルエンジン開発製造部門なのです。海に面していないスイスで船舶用大型ディーゼルエンジンの開発が行われ、そこで設計された図面をもとに世界中の重工メーカーで生産されているとは、なかなか興味深いものがあります。
 またその一方で、ヴィンタートゥールは世界有数の美術コレクションでも有名な町でもあります。日本では産業と芸術の関係性はあまりピンと来ないのですが、ヴィンタートゥールで財を成した企業家たちは積極的に美術品を収集し、地元のヴィンタートゥール美術館に寄贈していった結果、この美術館はゴッホ、モネ、ルノワール、ピカソ、ルソー、クレー、ジャコメッティなど世界的なコレクションで知られる欧州でも有数の美術館となったのです。

 さて、ヴィンタートゥール美術館が誇るコレクションが2010年8月7日(土)~10月11日(月・祝)に東京の世田谷美術館にて「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」として公開されています。同美術館のコレクションが海外で展示されるのは史上初めてなのだそうです。私は一昨日にこの世田谷美術館に行ってきたのですが、芸術鑑賞のためではなく、ここで開催されたヴィンタートゥールの投資誘致説明会への出席が目的です。




 公共交通機関での交通アクセスが不便な美術館です。千歳船橋、田園調布、用賀からバスを使わざるを得ないのですが、炎天下でバスを待つのは正直しんどかったです。


 説明会にはスイス大使も挨拶に来ていました。
 私はこれまで仕事上の情報収集のためアジア諸国の投資誘致説明会に何度か足を運んだことがありますが、今回はそれらとは趣が大きく異なりました。そもそも美術館で投資誘致説明会というビジネスのミーティングを行うこと自体、日本ではあまり聞きません。また投資誘致局の同一の担当者が、ビジネス拠点としていかに有利かという話だけでなく芸術品のコレクションについての話も誇らしげに説明するというのも、アジア諸国の投資説明会では経験がありません。
 産業だけでなく美術品のコレクションでも有名な町であるからこそ、こういった投資誘致説明会が実現したんじゃないの、と言えばそれまでですが、芸術というコンテンツ力をビジネスに生かし、コストメリットや市場規模を強調する新興国とのレベルの違いを示そうとするスイスの戦略を見たような気がします。確かにお話を聞いてみると、スイスは日本が欧州でFTAを締結している唯一の国ですし、技術インフラや生活インフラにも優れており、欧州各国とのアクセスも良好なので、高付加価値製品で欧州市場を開拓しようとする企業にとっては進出先として十分検討の余地があると思いました。


 説明会の後は、「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」の鑑賞、そしてカクテルパーティー(たぶんスイスのワインとチーズを供されたのでしょうね)がプログラムに用意されていたのですが、残念ながら仕事の関係でこれらはパスせざるを得ませんでした。お土産としてスイス大使館よりマウスパッド、ボールペン、ストラップ、そしてスイスチョコレートを頂いたので有効に活用することにします(チョコレートはその日のうちに食べてしまいました)

田んぼにネットを張りました

2010-08-28 20:39:21 | 自然
 今日は息子の幼稚園で夏祭りがあったので、恒例の谷戸での農作業はほんの少し手伝っただけでした。暑いとはいえ、時折谷戸を吹き抜ける風には涼しさが感じられ、秋の到来を感じさせてくれます。

 
 稲穂が茶色になってきました。カマキリがシオカラトンボを捕食していたので写真に収めました。かなりのスピードで食べてしまうのでちょっと驚きでした。

 
 ちょっとだけ手伝った作業がこちら。雀に米を食べられないよう、ネットを田んぼにかけました。さて今年の稲刈りはいつ頃になるでしょうか。

歴史的な出来事の影響範囲や場所の規模を実感できるウェブアプリ“Dimensions”

2010-08-26 00:31:16 | IT,インターネット
 いかに大きいか、広いかを表現する際に、良く知られている建物や場所が引き合いに使われることがよくあります。「広さは●●ヘクタール」と言われてピンと来なくても、「東京ドーム●●個分」と言われると、ああそれは広いんだなあと多くの日本人は実感することができるでしょう。しかし東京ドームを見たこともない人に対してはこのような説明は通用しません。どうすればよいでしょうか?近所の建物など、その人が知っている建物や地形と比較してあげればきっとわかってもらえるでしょうけれども、ちょっと計算が面倒です。
 英国BBCが公開している“Dimensions”(http://howbigreally.com/)は、対象が歴史上の出来事や場所に限定されていますが、誰でもその大きさ、広さを実感することができる優れたウェブアプリケーションです。歴史的な出来事の影響範囲や場所の規模を自分の住む家の近くなど任意の地図上へ重ねて表示させることで、その出来事や場所の規模をより身近に感じることができます。私もいくつか試してみました。

【もしもアメリカのペンタゴンが東京ドームの隣にあったら】

 東京ドームがすっぽり入るサイズです。でっかいなあ。

【もしも中国の三峡ダムが秋葉原にあったら】

 ダム本体でこの長さ。上を歩いて渡ろうとしたらかなり時間がかかりそうです。でっかいなあ。

【もしもリオのカーニバル(カルナヴァル)のパレードが日比谷公園で行われていたら】

 意外にパレードが行われる距離は短いんだなあ、と思いました。しかしこのパレード会場に8万人の観客、6万人のパレード参加者が集まるのですから、その盛り上がりのすごさがうかがえます。

【もしもカルタゴの名将ハンニバルが日本に遠征していたら】

 第二次ポエニ戦争(紀元前219年 - 紀元前201年)の際にハンニバル将軍は5万人の軍勢を率いてイベリア半島から陸路でピレネー、アルプスを越えてローマに攻め込んだのですが、その移動距離がいかに長いものであったかが実感できます。

 最も衝撃的だったのがこちらです。

【もしも2010年7月のパキスタンの水害が日本で起こっていたら】

 水害の被害を受けた土地の広大さに驚かざるを得ません。パキスタンが被った人的被害、経済的打撃がいかに大きいかが容易に想像できます。ニュース報道によると被災者は約2,000万人、犠牲者は2,000人超とのことですが、そんなものでは済まないように思います。

 学校教育の現場だけでなく、大人たちが世界や歴史に対する理解を深める上でも非常に役立つアプリケーションだと思います。対象となる歴史上の出来事や場所がもっと充実したものになることに期待しましょう。

NHKスペシャル「灼熱アジア 第1回 タイ “脱日入亜”日本企業の試練」を見て

2010-08-24 01:03:53 | 海外ものづくり事情
 昨夜、NHKスペシャル「灼熱アジア 第1回 タイ “脱日入亜”日本企業の試練」を見ました。国内の政治的混乱にも関わらず中国、インドなどとのFTAを武器に輸出が絶好調であるという話は勉強になりましたし、取材先の日系金型部品メーカーが急ぎの仕事で焦っている最中に落雷による停電が起こり、マシニングにかけていた部品がすべてオシャカになってしまった模様は、南国での操業のリスクを実感させてくれるものでした。
 ただし、「もはやタイにおいて技術立国(モノ作り大国)日本の圧倒的な優位性は崩れてきている」という番組のメッセージには、タイの素形材業界を見て回ったことのある私にはちょっと納得がいきませんでした。確かにタイはASEANの中でも比較的厚みのある機械工業の集積が形成されている国ですが、その裾野は日本と比較すると実に狭いものです。また、番組で紹介された自動車部品のサミットグループのように世界でも通用するローカルメーカーも現れてはいますが、そもそもこのサミットグループは日本と関係の深い会社です(こちら)。タイの機械工業の技術レベルを牽引しているのは今でも間違いなく日系企業ですし、そこそこ優れた技術を持つローカルメーカーでは必ずといっていいほど日本人技術者が指導しているのは常識です。また、タイでは国境を越えたビジネスチャンスが広がる一方、コスト競争が厳しさを増しているのは事実ですが、日系企業の競争相手はローカルメーカーではなく同じ日系企業というパターンがほとんどではないでしょうか。
 タイ・サミットによるオギハラ(日本を代表する金型メーカー)の買収劇は確かに驚きでした。しかし、日系企業にとってのタイの戦略的重要性を高める上では、将来のパートナーとしてのタイのローカルメーカーの技術力の底上げに日本側がまだまだ協力していく必要があるように私は思います。

稲穂が垂れてきました

2010-08-21 21:01:43 | 自然
週末恒例の谷戸での農作業に行ってきましたが、昼間は暑くて30分以上続けて作業することができませんでした。
それでも稲穂が垂れてきた田んぼの風景からは秋の訪れを感じます。これからは残暑をいかに凌ぐか、ですね。

日用品を素材にしたものづくり、音源にした音楽

2010-08-21 19:24:14 | IT,インターネット
 100円ショップで売られている日用品は、安価な素材としてDIYを趣味とする方々にとって大変重宝しているようです。日用品を素材に本来の用途とは全く異なるものをうまく作る方々のサイトを見ると(たとえばこちら)そのアイデアの豊かさに感心します。以前このブログの書評でも取り上げた「創るセンス 工作の思考」(集英社新書)の著者の森博嗣氏も、100円ショップの台所用品などを見ると創作意欲を掻き立てられると著書で述べています。

 話は変わりますが、日用品を楽器にしてしまう人達がいます。ストローを笛にするという例を以前テレビで見たことがあり、そのときは「結構うまく音階が出るものだな、まあ面白いんじゃないの」程度の感想しか抱かなかったのですが、日用品を楽器にした人達によるこちらのバンドの演奏の動画を見てそのテクニックの凄さに驚いてしまいました。




 ホース、ストロー、給油ポンプ、定規など、いずれも100円ショップで揃いそうな日用品で、ここまで完成度の高い音楽を作ってしまうなんて。ちなみに演奏している曲は人気アニメ「けいおん!!」のOP「GO!GO!MANIAC」とED「Listen!!」で、週間シングルランキングで1位と2位を独占したこともあるヒット曲です。ちなみに原曲はこちら「GO!GO!MANIAC」とこちら「Listen!!」。いずれも難曲ですが、比較してみると見事に演奏をこなしていることがわかります。
 この日用品バンドで個人的に興味を引いたのは、「けいおん!!」でベース(音源は定規)を担当しているRAZOさんという方の演奏です。「カノンロック」(バロックの名曲「パッヘルバルのカノン」を台湾人ギタリストがロック調にアレンジした作品で、2007年にインターネットで大流行した。詳しくはこちら)をこの方が定規で演奏している動画が凄いです。単なる定規で、よくこんなに速いスピードで細かく音階を変えながら演奏できるものだと驚嘆してしまいます。後半の転調も完璧です。




 日本人という民族は堅実さや集団主義がよく指摘されます。しかし、実は個人レベルでは大変ユニークな発想を持つ人が多く、彼らがウェブという情報発信のツールを得たことによって多様な才能が一斉に開花しつつあるのが今の状況なのかなと感じます。 

川崎ソリッドスクエアビルのこと

2010-08-20 20:04:48 | 日常
 パスポートの有効期限がそろそろ切れそうです。これでは秋のブラジル出張のためのビザ取得に支障が出ますし、本日はお休みを頂き時間もあったので、パスポートの更新手続きをすることしました。職場の近くで手続きすれば取りに行くのが便利だと思い、有楽町の交通会館のパスポートセンターまで行ったのですが「外務省からの通達により、住民登録した都道府県じゃないと受け付けられない」とあっさり断られてしまいました。事前に調べなかった私が悪かったですね。

 仕方なく神奈川県内のパスポートセンターに行くことにしたのですが、横浜のセンターは場所が山下公園の近くでちょっと横浜駅から行くには不便です。そこで、川崎駅から歩いていける距離にある川崎のセンターに行くことにしました。

 川崎駅周辺は一昔前に比べるととても華やかに変わりましたが、パスポートセンターが入居するソリッドスクエアというオフィスビルも非常におしゃれなビルでした。

 1階は吹き抜けのホールになっているのですが、中央の広いスペースには薄く水が張られ、天井の明かり窓から差し込む自然光が水面に写る仕組みになっています。この水深の浅い円形の池を囲むようにベンチが配されているのですが、池の東には巨大な岩がいくつか据えられています。なんだかモダンアートのような空間です。

アマゾンの名ガイド、高橋雄一氏の死を悼む

2010-08-18 00:30:07 | Weblog
 2006年の1月、ブラジルのアマゾン川中流域にあるマナウスに出張で訪れたことについては、このブログで何度か報告しました。

 ブラジルの「怪我の功名」から生まれた技術
 私が撮った写真が「鋳造ジャーナル」の表紙を飾りました
 ブラジルでの工場見学(その12) アマゾンの工業都市・マナウスの不思議
 ブラジルでの工場見学(その13) Moto Honda da Amazonia Ltda.(前編)
 ブラジルでの工場見学(その14) Moto Honda da Amazonia Ltda.(後編)

 このマナウス滞在中に週末のジャングルツアーでお世話になった地元の名ガイド、高橋雄一さんが8月15日に亡くなられたことを知りました。62歳でした。
 少年時代に福岡からアマゾンに移住された高橋さんは、これまでいろいろと苦労をされてきたと思うのですが、博識に裏打ちされたユーモアたっぷりのガイドのおかげで大変楽しい思い出になりました。本当に残念です。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。