歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

ブラジルの露天市場「フェイラ」

2010-10-30 14:40:38 | Weblog
 生産者が作物などを路上に持ち込んで売る露天市場は、新鮮なものを安く買うことができるので主婦たちから人気がありますよね。
 ブラジルでも「フェイラ」(Feira)という露天市場が開かれます。最近のブラジルの若い世代はスーパーマーケットで買い物をするようになっていますが、年配の方々にはこのフェイラは根強い支持を受けています。


 こちらはリオグランデドスル州の州都ポルトアレグレのフェイラです。開かれる時間帯と場所が法律で決められています。


 日本の山芋のように見えますが、「マンジョッカ」というブラジルの芋です。


 お茶やワカメ、寿司も売っていたので日系人かと思ったら中国系の方でした。繁盛していました。


 こちらのパイナップルはかなり小ぶりですが、甘くて大変美味です。


 こんなかぼちゃは日本では見ませんね。


 豆の種類が豊富です。


 日本の露天市場ではまず考えられないのですが、クレジットカードも使えます。


 有機食品のみを販売するフェイラ(Feira Ecologica)が開かれる通りや、工芸品を販売するフェイラが開かれる通りもあり、多様なフェイラが各地で開かれるようになっています。
 フェイラは観光客を相手にしたものではなく、地元の人達の生活に密着したものですが、異国から訪れた者にとっては珍しい食材を見つけることができたり、この国の生活のスタイルを買いまあ見ることができたりするので、眺めていてなかなか楽しいです。

リオデジャネイロ最大のファベーラ(スラム)を見てきました

2010-10-30 13:35:26 | Weblog
 しばらく更新できませんでしたが、ブラジル出張中での出来事について続きを書こうと思います。

 リオデジャネイロはサンパウロと並ぶブラジル有数の経済都市であり、風光明媚な海岸など優れた景観に恵まれた世界的な観光地でもあります。また、ブラジル社会のあまりにも大きな貧富の格差の現実を、強烈なコントラストを以って突きつけられる町でもあります。


 美しい海岸沿いには一流ホテルと富裕層たちが住む高級マンションが立ち並んでいます。右の高級マンションには元大統領などブラジルのセレブたちが住んでいるのだそうです。
 リオデジャネイロは海岸線の近くにまで山が迫っているのですが、ボサノヴァの旋律が似合う光景が広がる海岸線からほんのちょっとだけ山側に入ると雰囲気は一変します。海岸線を見下ろす山の斜面にはファベーラと呼ばれる巨大なスラムがあちこちに形成されているのです。

 ファベーラはブラジル全土の都市部の周辺に形成されています。住民は主に経済的に貧しいブラジル北東部から仕事を求めて流入してきた貧困層で、大半は善良な人達なのですが、麻薬や銃器の密売を営むギャング組織の根城になっていることが多く、犯罪の発生率も高いことから一般のブラジル人も立ち入るのを嫌がる地域です。
 とはいえ、ファベーラは都市に対して多くの労働力を供給しているだけでなく、最近では消費者としての存在感も増しています。特にリオデジャネイロのファベーラは規模が大きく、ファベーラの人口はリオデジャネイロ市民の3分の1近くを占めると言われます。また、有名なリオのカーニバルの踊り手の多くはファベーラの住民たちです。つまりファベーラはリオデジャネイロの経済にとって重要な位置づけにあるのです。

 現地を訪れた際、嫌がるタクシー運転手に頼み込んでリオデジャネイロ最大のファベーラであるホシーニャ(Rocinha)地区を訪れました。ただし「絶対に車から外に出るな」という条件だったので、地区内を車で通り過ぎただけです。それでもブラジル社会の現実というものを知る上で貴重な体験だったと思います。


 ホシーニャ地区の入り口です。バイクタクシーが客待ちをしています。市内ではあまりバイクは見ないのですが、この地区内ではひっきりなしにたくさんのバイクが走り回っていました。


 いきなりものすごい急坂を上っていきます。市バスと行き交いました。行き先のガーベア(Gavea)はリオデジャネイロの高級住宅地です。おそらく女中などとして働きに出る住民が多いのでしょう。


 道路沿いは汚れが目立ち、経済的に貧しい地区であることは一目瞭然なのですが、それでもレンガ積みで作られた立派な建物が立ち並んでおり、ステレオタイプな「スラム」のイメージとはやや異なります。住民たちが山の斜面に勝手にベニヤ板などで粗末な小屋を建てて住みついていたのが、レンガ積みの建物を建てるようになり現在の姿に進化していったのです。また、水道や電気もかつては勝手に水道管や電線から盗水、盗電していたのですが、現在では当局も盗水、盗電を黙認せずに料金を徴収するようになっているそうです。


 普通に店が開いていて商売を営んでおり、危険な雰囲気はそれほど感じませんでした。ちなみに銀行の支店も地区内に置かれているそうです。また、黒人系の住民が多いのではと思っていたのですが、白人系の顔立ちの人達も多く見かけました。やたらと目立ったのが選挙ポスターです。政治家たちにとってファベーラは大票田になっているようです。


 坂を上りきって峠を下りていくとそこは高級住宅地になっていました。振り返ると私たちが通り過ぎたホシーニャ地区の家々が見えます。目が眩むような貧富の格差を実にわかりやい構図で見ることができる都市というのは世界でもリオデジャネイロ以外にはあまりないと思います。
 なお、私たちが通り過ぎたのは人口15万人ともいわれるホシーニャ地区のメインストリートであり、たまたま地区でも比較的治安が良いところを眺めたに過ぎません。メインストリートから脇道に入っていくには危険な事態に遭遇することを覚悟しなければならないと警告を受けました。ブラジル社会について理解を深める上でファベーラを知ることは重要ですが、立ち入るには慎重な姿勢が必要であり、軽率な行動は慎むべきです。

マカスカッシュ

2010-10-29 23:50:16 | Weblog
最近は深夜残業が続き疲れがなかなか取れません。おまけに企画コンペも落選ばかりで気持ちもふさぎ込んでしまいがちです。
何か飲んで気分転換しようと思い、誰もいなくなった深夜のオフィスを出てコンビニに向ったところ、マカスカッシュなる炭酸飲料を発見しました。マカだけでなくガラナも入っているそうです。
マカといえば「男の若さを取り戻す」とか「昼も夜も元気に」とか、なんとも思わせぶりな文句で宣伝されることが多いようです。私は単に仕事をこなすための力を少しでも与えてくれたらそれで十分だったのですが、結果は普通の清涼飲料水と変わりありませんでした。当たり前ですね。
でもこれを飲んでいる姿を人に見られたら、ちょっと誤解されてしまうかもしれません。

江ノ島ネコ募金

2010-10-22 18:13:59 | Weblog
先日休日出勤したので今日は代休でした。
久しぶりに江ノ島に行ってみましたが、以前に比べてネコがかなり減ったように感じました。こんな募金箱を見つけましたが、効果が現れたのでしょうか。

FTTHが…

2010-10-17 23:58:24 | Weblog
接続できなくなってしまいました。何かヤバいウイルスに感染してしまったか?と思い、焦りましたが、使っているノートパソコンは無線LANスポットで問題なく接続できたので、パソコンの問題ではなさそうです。
考えられるのは、ケーブルがどこかで破損しているということです。光ケーブルは曲げると危ないと聞いてはいましたが、そういえばあまり適切とはいえない条件で使っていたので恐らく…
という訳で復活するまではiPhoneまたは外出先での無線LANスポットなどでのブログ更新となります。はあ。

収穫の秋

2010-10-11 18:03:57 | 自然
好天に恵まれた中、近所を散歩してきました。


まずはいつも週末に訪れている室が谷戸の田んぼ。もうすぐ脱穀できそうです。

 
谷戸から山に入りました。結構鬱蒼とした雰囲気。鎌倉にもこんなところがあります。

 
富士山を眺めることができるビューポイントがあります。

 
山越えをして御所が谷戸に到着。こちらでも収穫し終えた稲が束となって干されていました。稲のほかにも天日で干されているものがあったので、作業をされている方に「これなんですか?」と聞いたところ、ゴマと蕎麦とのこと。


こちらがゴマで


こちらが蕎麦

収穫の秋ですね。

ブラジルにおける日本のサブカルチャー

2010-10-11 02:19:06 | Weblog
 アジアを訪れると現地において日本のサブカルチャーが深く浸透していることを実感することが少なくありません。ブラジルにおいてはどうなのだろうと思い、スーパーマーケットなどを訪れる際はDVDや雑誌などのコーナーに目を向けるようにしていたのですが、ほとんど日本のアニメやゲームなどのキャラクターの姿を見ることができませんでした。唯一見かけることができたのはこちら。リオデジャネイロの街角で見かけたハローキティのキャラクター入りサンダルの看板です。ブラジル女性にこういったカワイイ系のキャラクターが受けるというのはかなり意外でした。


 やはりブラジルは日本にとって遠い国であって、日本のサブカルチャーの持つソフトパワーは及んでいないのか、と思ったのですが、現地で日本語を教えている日系人の方のお話によると、日本のアニメに興味を持つ非日系人の日本語学習熱が高まっているのだそうです。何が人気なのかと聞くと、「NARUTO」が圧倒的な支持を得ており、「カードキャプターさくら」も人気なのだとか。調べてみたところ、どちらの作品もブラジルでTV放映されています。



 ポルトガル語による「カードキャプターさくら」のOPです。

 面白くなっていろいろとYouTubeで探してみたら、このブログでも過去に取り上げた、富山県城端町を舞台としているアニメ「true tears」のポルトガル語吹き替え版を見つけました。



 これにはちょっと驚きました。ちなみにこれはTV放映されたものやDVD販売されたものではなく、アニメ好きのブラジル人たちがポルトガル語の声を当てて自作したビデオのようです。日本のアニメに強い関心を持つ人は世界中津々浦々にいらっしゃるようですね。

ブラジルの白物家電事情(3) 弁当箱暖め機と洗濯物乾燥機

2010-10-09 23:26:33 | Weblog
 
 弁当箱暖め機です。弁当箱をこちらにセットすればお弁当を温めることができます。職場に置いておくと便利かもしれません。漢字で「泉」と書かれたマークが付いているので日系人の会社が作っているのでしょうか。一括払いで29.9レアル(約1,500円)です。(リオデジャネイロにて)

 
 洗濯物乾燥機です。温風が吹き出して洗濯物を乾かしてくれます。一括払いで359レアル(約18,000円)。本格的な乾燥機とは違って大量の洗濯物を乾かすことはできませんが、下着ぐらいならこれで十分かもしれません。(サンパウロにて)

 ブラジル出張中、日本では見かけない白物家電をいくつか見かけました。自動車やデジタル家電は世界中どこに行っても同じものが売られていますが、白物家電はユーザーのライフスタイルや価値観に合わせたその国ならでは製品が作られ、売られているのだなと実感しました。逆に言えば、国民のライフスタイルや価値観を知りたければ、家電販売店の白物家電コーナーに足を運ぶと良いかもしれません。

また元の生活に戻りました

2010-10-08 22:33:32 | Weblog
ブラジルから帰国してすぐにまた元の生活に戻りました。日本のカップ麺は美味しいですねえ…はあ。
そういえばブラジルのカップ麺はチェックし忘れていました。ブラジルは食事のボリュームがたっぷりなので夜食の必要がなく、全くカップ麺のことが思い浮かびませんでしたね。

2010年ブラジル総選挙の模様

2010-10-08 01:56:13 | Weblog
(以下引用)
ブラジル大統領選:ルセフ氏、セラ氏決選に 過半数届かず

 【サンパウロ國枝すみれ】ルラ大統領退任に伴うブラジル大統領選の投開票が3日行われた。選管の集計によると4日午前0時半(日本時間4日午後0時半)現在、大統領の後継者で最有力候補である与党労働党のジルマ・ルセフ元官房長官(62)の得票率は46・88%(開票率99・88%)で、当選に必要な過半数に届かず、31日の決選投票に持ち込まれることになった。
 決選投票は、得票率32・62%で2位となったブラジル社会民主党のジョゼ・セラ前サンパウロ州知事(68)との一騎打ちとなる。中道左派のルラ政権は貧困層への手厚い福祉政策や大規模インフラ事業を実施。民間世論調査機関IBOPEが9月末に行った調査によると、ルラ政権の政策に満足している市民は8割に達し、その6割が後継者のルセフ氏を支持すると答えていた。だが選挙戦終盤に、ルセフ氏が政権入りした時から右腕だった元側近の息子2人の収賄スキャンダルが露見し、支持率が今ひとつ伸び悩んだとみられる。
 一方、セラ候補はサンパウロやマトグロソなど西南部8州を中心に票を集めた。セラ氏は米コーネル大で経済博士号を取得。政治家として経験があり、上流・中産階級の支持を集める。また、環境保護を訴える緑の党のマリナ・シルバ元環境相は19・34%を獲得し、2人を追い上げた。大統領選には計9候補者が出馬した。
 投票所となったオブジェクティブ小学校で、イベント会社のシモニ・アルバジさん(33)は「私は経験豊富なセラに投票した。経済が好調なのはルラ大統領の功績ではない」と答えた。
(引用終わり)
出所:毎日新聞 http://mainichi.jp/select/world/news/20101004dde007030003000c.html


 日本でも報じられているように、10月3日日曜日にブラジルでは大統領選挙が行われました。日本では大統領選挙だけが報じられているようですが、同日に州知事、上院、下院、州議員の選挙も行われており、正確には総選挙と表現すべきでしょう。私はたまたま投票が行なわれた3日まで現地に滞在していたので、運良くこのブラジルの選挙の模様を目にすることができたのですが、いろいろな点で日本の選挙とは大きく異なります。

 選挙前には運動員たちが様々な選挙活動を行うのを目にしましたが、日本とはかなりスタイルが異なります。日本では候補者の名前を連呼する街宣カーが走り回り、騒音に悩まされるのですが、ブラジルではそのような活動はなされません。その代わり、候補者の立て看板、そしてポスターや候補者の番号を記した旗を持つ人々が町中にあふれます。


 候補者の番号を書いた旗を振っています。あちこちで見かけます。旗を振る運動員は明らかに貧困層らしい人が目立ちます。いくらぐらいの日当で雇われているのでしょうか。(リオデジャネイロにて)

 幹線道路沿いは立て看板だらけです。これはまだマシなほうです。(ポルトアレグレにて)

 道の真ん中に置かれた立て看板、ではありません。車が信号待ちをしていると、大きなポスターを持った運動員がすっと横断歩道の両側からやってきてご覧のような光景になるのです。信号が青になるまで、ドライバーは候補者の顔と番号を見ざるをえない仕組みです。(ポルトアレグレにて)

 そして投票の当日です。今回の出張でお世話になったポルトアレグレ在住の日本人移住者の奥様がブラジル国籍で選挙権をお持ちなので、ブラジルの投票の模様がどんなものなのか、彼女の後を野次馬としてついていくことにしました。
 ちなみにブラジル人にとって選挙への投票は権利ではなくて義務なのです。投票しなければ様々な公共サービスが受けられなくなってしまうため、選挙権を持つブラジル人はほとんど投票します。このため本来は日曜日に開催されるプロサッカーの試合も選挙前日の土曜日の開催となり、当日の日曜日には多くのお店が休みになります。これも日本と大きく事情が異なります。


 投票所近くの道路にはこのようにチラシが大量にばら撒かれています。拾ってもらうつもりはなく、とにかく顔と番号を覚えてもらうための方策でしょう。

 こちらが投票所になっている私立小中学校です。学校などが投票所になっているのは日本と同じですね。

 中はこんなかんじ。


 奥様が気を利かせてくれて、ブラジルの投票の模様を見学したいという日本人がいるから見せても良いか?と立会人にお願いしたところ、あっさりOKを頂きました。ついたての向こう側で奥様が投票しているのを覗いている私の姿です。


 そしてこれもまた日本の選挙とは大きく異なるのですが、ブラジルでは紙の投票用紙での投票ではなく、上の新聞記事の写真のような機械で電子投票が行われます。ボタンで投票したい候補者の番号を入力すると、候補者の写真がディスプレイに表示されます。これでよければ緑の確認ボタンを押して投票は終了です。
 この電子投票システムは大変なすぐれものです。冒頭に引用した新聞記事には、3日に投票が行われ4日の午前0時半には開票率99.88%とありますが、広大なブラジルでこんな短時間で開票、集計がなされるというのは紙の投票用紙による投票ではまずありえないでしょう。奥様は「日本は技術が進歩しているのに、どうしていまだに紙の投票用紙で投票するのかしら?」と不思議がっていましたが、全く同感です。これはブラジルから学んだほうが良いように思います。

 今回のブラジル出張ではあいにく私が好きな工場見学はほとんどなかったのですが、様々な興味深い事柄を見聞させてもらいました。まだいろいろと現地で仕入れたネタがありますので、今後も紹介していくつもりです。