先週、川口にある田口型範株式会社という会社にお邪魔しました。この会社は鋳物用の木型、金型を作っているほか、五軸加工による切削の仕事も請け負っています。てっきり地元の鋳物屋が同社の主なお客さんだと思っていたのですが、実際には県外の自動車部品メーカーなどとの取引が中心で、川口にはほとんどお客さんはいないのだそうです。
こちらは木型工場です。
田口型範に入社した新人は、金型や五軸加工に配属される者も含めて全員がまず研修で木型づくりを学んでいます。最近では木型もNC工作機械で削って作ることが多いのですが、研修では敢えて鑿と鉋を使った昔ながらの技法で木型を作ることを新人は体験するのです。型とは何か、その本質を学ぶ上では、一見こうした時代遅れのように見える技法の学習が役に立つようです。
木型作りに使う道具を見せてもらいました。鑿、鉋は非常にたくさんの種類があって、職人たちはこれらの道具を使いこなしながら木型を作っています。なお、これらの道具は会社のものではなくて、職人たちが個人で所有しているものだそうです。会社から支給される道具ではなくて、自分の目利きで選んで自腹で購入した道具を使うだなんて、まさに職人ですね。
ご指摘の通りですね。ちなみに道具の購入に際しては会社から補助が出るそうです。