先週の週刊東洋経済は「躍る!ブラジル」というタイトルでブラジル特集記事を掲載しており、強い関心をもって読ませていただきました。内容は総じてブラジル経済の明るい未来について述べる一方、インフレ無き成長を目指す経済政策の危うさなど影の部分についても触れており、それなりにバランスを取った内容になっています。しかしブラジルの最大のカントリーリスクである、貧富の格差の大きさを背景とした治安の問題、大都市に形成された巨大なスラムを根城にした犯罪組織と治安当局との「麻薬戦争」についてはほとんど触れていない点が気になりました。
さて、治安の問題ほどではないのですが、ブラジルという国は先進国の基準から見るといろいろと困った問題を抱えています。その1つが電圧の問題です。
新興国では電圧が大きく変動するのは日常茶飯事ですが(ブラジルも例外ではありません)、ほとんどの国では電圧は国内で統一されているものです。しかしブラジルではこれが地域によってバラバラなのです。州ごとに異なるのであればまだよいのですが、同じ州であっても都市によって異なる例があるので家電メーカーとしては困ってしまいます。
少々古い資料ですがアメリカ商務省の"Electric Current Abroad"(1998edition)という資料によると、例えばサンパウロ州のサンパウロ市の家庭用電圧は115Vですが、同じ州のサン・ベルナルド・ド・カンポ、ジュンヂアイは220V、その他の都市はだいたい127Vです。この資料によると、国内で複数の電圧が用いられている国は他にもインドネシア、イタリア、南アフリカ、レバノン、モロッコなどがありますが、ブラジルの電圧の多様性は特に際立ったものになっています。
このため、家電販売店ではこんな製品を見かけました。
日本ブランドの某社の冷蔵庫ですが、背面に127Vと220Vの切り替えスイッチが付いています。注意書きには「電圧を間違うと冷蔵庫の中身が燃えます」という趣旨の内容が書かれているのだとか。
ブラジルの電圧が地域ごとにバラバラなのは歴史的な背景があるらしいのですが、「ワールドカップの時だけ国が一つにまとまる」という国民性もきっと影響しているのでしょうね。
さて、治安の問題ほどではないのですが、ブラジルという国は先進国の基準から見るといろいろと困った問題を抱えています。その1つが電圧の問題です。
新興国では電圧が大きく変動するのは日常茶飯事ですが(ブラジルも例外ではありません)、ほとんどの国では電圧は国内で統一されているものです。しかしブラジルではこれが地域によってバラバラなのです。州ごとに異なるのであればまだよいのですが、同じ州であっても都市によって異なる例があるので家電メーカーとしては困ってしまいます。
少々古い資料ですがアメリカ商務省の"Electric Current Abroad"(1998edition)という資料によると、例えばサンパウロ州のサンパウロ市の家庭用電圧は115Vですが、同じ州のサン・ベルナルド・ド・カンポ、ジュンヂアイは220V、その他の都市はだいたい127Vです。この資料によると、国内で複数の電圧が用いられている国は他にもインドネシア、イタリア、南アフリカ、レバノン、モロッコなどがありますが、ブラジルの電圧の多様性は特に際立ったものになっています。
このため、家電販売店ではこんな製品を見かけました。
日本ブランドの某社の冷蔵庫ですが、背面に127Vと220Vの切り替えスイッチが付いています。注意書きには「電圧を間違うと冷蔵庫の中身が燃えます」という趣旨の内容が書かれているのだとか。
ブラジルの電圧が地域ごとにバラバラなのは歴史的な背景があるらしいのですが、「ワールドカップの時だけ国が一つにまとまる」という国民性もきっと影響しているのでしょうね。
先日の新聞に、サンバチームの山車と衣装が燃えてしまったと報じられていました。サンバチームの長が、こんなコメントをしていました。「衣装は燃えてしまったが、我々の気持ちは燃えてない。Tシャツでも踊る」と。一瞬、失礼なことを思いつきました。おいおい、気持ちは燃え続けさせねばならんでしょ、と。新聞記者も「萎えてない」とか「消沈していない」とか表現を工夫すればいいものを。きっと内心おもしろがりながら書いたんではないでしょうか。
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誠意がないという言い方もありましょうが、多分間違えたら自己責任というメーカー側の論理が通りやすい社会環境であろうかと思います。なおこういうことをかいていますが、大概の場合壊れることは確実でも、燃える設計はしないのが日系企業と思います。(多分ブラジル国内の家電業界で表記をあわせてるんでは)
燃えることのないよう、基板周りの設計には気を使うようですね。また日本メーカーは難燃材を使用するのですが、中国メーカーはコストダウンのために安い材料を使うので、結構ヤバイのだそうです。
お世話になります。
日本テレビ『世界番付』を担当しております、中村望美と申します。
突然のご連絡で申し訳ございません。
今回、番組の企画で『世界の家電』を紹介しようと考えております。
その際、ブラジルの家電事情でこちらの『家電メーカー泣かせの国U+2022ブラジル』の記事が大変興味深くご紹介しようと考えております。
その際、こちらの記事に掲載されている2枚の写真を番組内で使用したく思い、お借りできないかというご相談のご連絡をさせて頂きました。
詳細等のご連絡をしたいので、よろしければ下記の連絡先までご連絡頂けると幸いです。
nakamura-n@sionnet.co.jp
お忙しい中、大変恐縮ですが、宜しくお願い致します。
中村望美