歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

タイ第二の都市ナコンラチャシマにて

2009-11-30 18:52:03 | 海外ものづくり事情
 昨日の夕方にバンコク・スワンナプーム空港に到着、現地で夕食をとった後、東北部のナコンラチャシマ(コラートとも言います)までバスで移動しました。空港から3時間強かかりました。
 ナコンラチャシマは東北タイ(イサーン地方)の玄関口に位置し、県の人口が約200万人、市街地の人口約50万人のタイ第二の都市ですが、首都バンコクに比べて賑わいなどの格差があまりに大きいです。途上国は一部の例外を除きどこも同じようなものだとは思いますが、この国も首都への豊かさの一極集中ぶりがあまりに顕著だと思います。

 本日はこのナコンラチャシマで日系の鋳造メーカーと非鉄鋳造メーカーを訪問してお話を聞いてきました。ナコンラチャシマには金属工学科を擁するスラナリ工科大学があるのですが(タイには金属工学科を擁する大学はスラナリ工科大学を含め2大学しかないそうです)、優秀な人材はバンコクに職を求めて流出してしまうので、人材確保には苦労しています。
 鋳造メーカーは、大卒の人間を確保するためにイサーン地方でもラオスとの国境に近い地域に募集をかけていました。ナコンラチャシマだと3時間でバンコクに行けますが、ラオスとの国境地域であればそう関単にはバンコクまで出ることはできません。そこで、ラオスとの国境地域の「バンコクだと遠すぎるけど、ナコンラチャシマだったら故郷に帰りやすいからまあいいか」という人材確保を狙うのだそうです。ナコンラチャシマのような地方は首都バンコクに比べて人件費が大幅に安いのですが、優秀な人材ということになると確保は決して容易ではないので企業が進出する際には注意が必要ですね。

明日からタイ出張です

2009-11-28 23:23:05 | Weblog
夕食後、名古屋に向かいました。今夜は中部国際空港近くのホテルで一泊し、明日からタイ出張です。今回、事情があって中部国際空港からの出発になりますが、成田空港以外からの出国は今回が初めてです。
余裕があればまた現地の模様をこのブログで報告したいと思います。

大根を掘りました

2009-11-28 17:39:51 | 自然
子供たちと一緒に近所の畑で大根の収穫をしてきました。
普通の青首大根なのですが、サイズがかなり短めになっています。土を深いところまで耕さなかったため、大根が十分に根を生やすことができなかったことが原因です。しかしこれはこれでなんだか新品種っぽくて良いのではないかな。

「痛電車」に遭遇しました

2009-11-28 01:41:47 | Weblog
昨日の昼、秋葉原駅で「痛電車」に遭遇しました。

少し前までは広告がラッピングされたバスや電車に出会うこと自体珍しかったのですが、いつの間にやら当たり前のような光景になってしまいました。しかしアニメ絵がラッピングされた電車はかなり目を引きますね。

工作機械の輸出はなぜ役所に厳しく規制されるのか

2009-11-26 01:15:12 | ものづくり・素形材
 工作機械業界の方々とお付き合いしていると、国の「輸出管理」に対する不平不満のお話をよく聞きます。大量破壊兵器の生産技術の流出につながりかねない、ということで工作機械の輸出は厳しく管理されています。輸出管理の手順が明文化されておらず役所の担当者によって話が異なる、意味の無いような書類の作成を求められる、ドイツやスイスの役所はもっと柔軟に制度を運用している、などなど、関係者の方々は誠に憤懣やるかたない様子です。この工作機械の輸出管理の問題については以前このブログでも触れましたが(こちら)、いろいろと話をうかがってみると我が国の役所による輸出管理はやはりやり過ぎであるように思いました。

 例えば、某社が某国の航空機部品メーカーに工作機械を輸出しようとしたところ、役所から待ったがかかりました。このメーカーは軍需産業にも関わっており、輸出はまかりならん、というのです。しかしこの航空機部品メーカーは、アメリカのボーイング社の下請メーカーであり、ボーイング社向けの仕事のためにこの某社の工作機械を購入しようとしていたのです。安保条約を締結している友好国のための輸出なのに、なぜNGなのか誠に理解に苦しむ、というのが某社の言い分です。

 また、輸出先で工作機械が故障した場合、工作機械メーカーが修理のためにエンジニアを派遣することも難しいそうです。エンジニアを派遣することで技術が流出し、軍需に流用されかねない、と役所から待ったがかかるというのです。じゃあどうやってメンテナンスのサービスをするんですか、と聞いたところ、部品を送って交換することであればオッケーなのだとのことでした。確かに賃金コストの高い日本人エンジニアを現地に送るよりも、部品を丸ごと交換するほうがコストが安くなるでしょう。しかし、現地のローカルスタッフをエンジニアとして育てればメンテナンスコストはもっと安くなり、現地のユーザーの満足度も上がるのではないかと思うのですが、それは技術流出だからNGなのだとのことでした。

 こうも工作機械業界が役所から厳しく規制されるのはなぜなのか。背景にはかつての某社のココム違反事件があることは明らかですが、それだけではない、とある関係者氏はおっしゃいます。

 日本は軍需に転用できるハイテク技術をたくさん保有しています。例えばデジタルカメラなどの民生用IT機器。これらの技術はミサイルの誘導装置などに転用することは大いに可能でしょうけれども、工作機械のように、どこに販売されるのか、販売先での用途は何かなど、役所からうるさく問われることはありません。そして金型などの素形材。これもまた軍需と深い関係があるはずなのですが、役所がうるさく輸出を規制することはありません。ノウハウの塊である金型の図面が外国に流出してコピーを作られてしまった場合、役所は金型メーカーに対して同情的な立場を取りますが、もし同じように工作機械の設計図面が外国に流出した場合、工作機械メーカーは役所から同情されるどころか「管理がなっとらん」と厳しい制裁が課されてしまうと思います。

 なぜ工作機械業界の場合は役所の対応が異なるのかというと、この関係者氏は業界構造の違いにあると言います。民生用IT機器の場合、生産しているメーカーがいずれも大企業であり、役所としてはあまり手を出したくない相手です。そして素形材の場合、生産しているメーカーは圧倒的に中小企業が多く、政策的に保護すべき対象であり、こちらも役所としては厳しい態度で臨みにくい相手です。一方、工作機械業界はというと、中小企業が中心とはいえ、企業の規模としては素形材ほどは小さくはありません。民生用IT機器や素形材は量が膨大で、とても工作機械のように販売先を個別にトレースできないという問題もありますが、工作機械は業界を構成する企業のサイズが役所がいじめるのにちょうどよいからだ、というのが関係者氏の主張です。

 この関係者氏の主張が正しいかどうかは私には判断できませんが、過度な技術流主防止政策は適切な技術移転や国際分業、そして業界の発展を阻害するだけであることは確かであるように思います。

茨城県高萩市を訪れました

2009-11-25 22:57:51 | Weblog
高萩の鍛造メーカーを訪問しました。建設機械の部品をリングロール鍛造で生産する会社です。残念ながら工場内の写真はNGでした。
ところで高萩は「市」だったんですね。「市」を名乗るにはちょっと賑わいに欠けるように思いました。

経済産業省のプレスリリースに顔文字が登場

2009-11-22 11:46:52 | Weblog
経済産業省のプレスリリースによると、こんな事業が11月21日土曜日から始まっています。

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「たんすケータイあつめタイ\(^o^)/」始動!!~求ム、不要になったケータイ。平成21年度使用済み携帯電話の回収促進実証事業~


本件の概要
経済産業省では、使用済み携帯電話をインセンティブを付けて回収し、その効果を検証する「平成21年度使用済み携帯電話の回収促進実証事業」(今年度補正予算事業)を「たんすケータイあつめタイ\(^o^)/」と銘打ち、来る11月21日(土)から開始します。来年2月28日(日)までの間、全国の家電量販店・総合スーパーなどの店頭において、商品券(最高5万円)が当たる抽選に申込みできる応募券と引き換えに、使用済み携帯電話の回収を行います。

担当
商務情報政策局 情報通信機器課 環境リサイクル室

公表日
平成21年11月11日(水) ----------------------------------------------------------------------------------------------------

出所はこちら→http://www.meti.go.jp/press/20091111001/20091111001.html

商品券がもらえる可能性は低いですが、レアメタル資源の確保という国の政策上重要な取り組みだと思いますし、私も古い携帯電話を持って家電量販店に行ってみようかな。しかし、やはり気になるのは・・・

「たんすケータイあつめタイ\(^o^)/」

\(^o^)/

アスキーコードの顔文字を国が事業名に使うようになったのですね。時代は変わりましたね。

日本の景気回復キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

といったプレスリリースが近い将来行われたりするのかなあ。

自由鍛造メーカー再訪

2009-11-21 20:18:46 | ものづくり・素形材
 3年前に訪問した、東京の京浜島にある自由鍛造のメーカーを先週、再訪する機会がありました。まさに熟練技能の世界で、「『カン』や『コツ』と言われる、いわゆる『暗黙知』も、現代の科学技術で分析すれば、そのほとんどは言葉やデータで説明できる『形式知』に変換することが可能であり、熟練技能と呼ばれてきた工程の多くを素人でもできるようになるのでは」と考えていた私に、工場を見学し、当時の社長から「そんなことができるのか」と言われ、考え直すことを迫られてしまった会社です。当時の模様についてこのブログに書いたのがこちらです。


 工場の入り口です。


 大型フォークリフトのフォークの生産で世界でもトップクラスの会社です。


 鍛造の模様がこちら。このときはインコネルという特殊な素材を鍛造してタービン用の部品を作っていました。
 真っ赤に焼いた金属の塊を人手で金敷のところまで運んで、金型は使わずにハンマープレスで叩きながら形状を作っていくという、まさに鍛冶屋さんの仕事です。5~6名の作業員がチームを組んで作業をするのですが、ハンマーのすさまじい轟音が響く中、素材が冷めてしまわない限られた時間の中で作業を進めなければならないので、お互いのコミュニケーションは身振り手振りと一種の阿吽の呼吸に頼らざるを得ません。まさに「暗黙知」の世界です。
 作業はとてもマニュアル化できず、また非常に危険な作業でもあるので、新人は入社後数ヶ月は先輩たちの作業をただ立って見ていることだけを求められるのだそうです。そして一種の「徒弟制度」の下で育てられていきます。「徒弟制度」というと前時代の遺物のようにも思われますが、このような現場では十分な合理性があると思いました。

里芋を掘ってきました

2009-11-21 19:35:47 | 自然
恒例の週末の畑仕事をしてきました。久しぶりの晴天に恵まれ、実に気持ちよかったです。

今日は里芋を掘ったのですが、これが大豊作でした。


収穫した芋の一部は、穴を掘って作った室の中に入れて保存しました。これで結構長持ちするらしいです。