歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

第二の故郷

2009-02-28 23:32:54 | Weblog
 仕事で必要な資料を探しに、三田にある母校、慶応義塾大学の図書館を訪れました。そうです今日は仕事です。。。

 母校には塾歌の他に様々な歌があり、そのうちの1つ「慶応賛歌」の歌詞には「第二の故郷、三田の山」というくだりがあります。卒業してからそろそろ20年近くの年月が経とうとしていますが、確かにここに来ると我が家に帰ってきたような感覚を覚えます。今はとてもその時間はないのですが、再び大学で学ぶ機会が与えられるのであればこのキャンパスで学びたいと思います。

いろんな仕事をやるといいことが

2009-02-28 22:05:51 | Weblog
 私は長く製造業関係の調査を主に担当してきましたが、それだけでは食べていけないので、異なる分野の調査もやらせていただいています。シンクタンクの研究員の中には専門家として特定の分野の研究に専念する方もいらっしゃいますが、受託調査を業務とする場合は、程度に差はあれ私のようにジャンルにこだわらずに仕事をこなす方がほとんどであると思います。

 最近の私は、製造業関連の調査と同時並行的に、新興国の投資環境、そして国内の過疎地に関する調査の仕事をやっています。金型や鋳物について調べる傍ら、モンゴルやウクライナなどの統計データを集め、合間を縫って国内の農山漁村の特産品について調べるという、第三者から見るとちょっとわけのわからないことになっています。
 全く異なる分野の調査を同時並行で行うことはかなり非効率ではあるのですが、仕事の分野を切り替えることで気分転換になりますし、いろいろなことについて知識を深めることによってお客さんとの話のネタが豊富になりますから、営業的にもプラスです。また、意外なところで異分野の知識や人脈が役立つこともあり、様々なジャンルの仕事をすることで得られるシナジー効果も無視できません。

 よくやるよなあ、と言われることもありますが、高校生の頃と比べるとどうってことないように思います。私もあの頃は、現代国語、古文、漢文、数学、英語、物理、化学、生物、歴史、地理など、今から考えれば恐ろしく広範囲なことを同時並行的に勉強した(させられた)ものです。高校生はこれらの本業に加えてクラブ活動をしたりしているのですから、若さとは羨ましいものです。現在私が置かれた状況は割と当時に近いような気がしますが、苦手だった数学が今はないだけマシであるのかもしれません。

通勤電車の中でいかに仕事をするか

2009-02-26 23:18:05 | Weblog
 最近、通勤電車のロングシートでノートパソコンを膝に乗せて仕事をしている方を多く見かけます。私も時々やっていますが、左右を挟まれ窮屈な姿勢でキーボードを打っていると非常に肩が凝るのでもうやめたくなります。
 しかし多忙を極めてくると、長い通勤時間がいかにももったいなく感じられます。そこで仕事用デバイスの選択肢として浮上するのがスマートフォンです。

 私が使っている携帯電話はウィルコムのスマートフォンWS011SH、いわゆる「アドエス」です。使い始めて1年以上になりますが、充実した機能と長文メールの入力が容易なフルキーボードに私は満足しています。
 「アドエス」にはマイクロソフトのオフィスソフトが搭載されており、機能限定版ですがワード、エクセル、パワーポイントが使えます。これらのソフトについては、普段は電子メールに添付されたこれらのファイルを閲覧するのに使う手段に過ぎないのですが、これらを使えば窮屈な通勤電車であっても(座れさえすれば)ちょっとした報告書を作成したり数表を作ったりする作業をある程度はこなすことができます。

 しかし、キーボードも小さくタッチタイピングで文字入力することなどとてもできないため、なかなか作業がはかどらずイライラしてきます。また何しろ画面が小さいので長時間作業を続けると目が疲れ、やはり肩が凝ってしまいます。
 結論としては、通勤電車の中でオフィスソフトを使って仕事をするのは始めから諦めるか、それともお金を払ってグリーン車に乗るかしかないようです。しかし、乗り物の中で書き物をしていると意外に良いアイデアが沸いてくる気がします。さて、どうしたものか。

インクスが倒産してしまいました

2009-02-26 07:18:37 | ものづくり・素形材
 昨日、金型メーカーの(株)インクスが東京地裁へ民事再生法の適用を申請したというニュースが飛び込んできました。自動車業界からの受注の大幅減により資金繰りが逼迫したことが原因であるとのことです。

倒産・動向記事
2009/02/25(水) ソフト受託開発
自動車メーカー減産関連
株式会社インクス
民事再生法の適用を申請
負債169億300万円

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2935.html

 インクスは金型作りに必要な日数を大幅に短縮するために熟練技能を徹底的にデジタル化したことで、マスコミでも製造業におけるIT革命の旗手として取り上げられることが多かった金型業界では有名な企業で、中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」、経済産業省の「ものづくり日本大賞」にも選ばれています。私も2006年に長野県にある同社の茅野零工場を訪問し、その大胆なデジタル化、無人化の状況に驚嘆したことがあります(こちら)。金型業界では同社のビジネスモデルについて批判的な意見も少なくなかったようですが、業界に新風を送り込んだ同社の倒産は大変残念です。
 タイ・サミットグループが日本を代表するプレス金型メーカー、オギハラの筆頭株主になったという先日のニュースにも驚きましたが(こちら)、これも驚きのニュースです。今回の不況が金型業界に及ぼしている深刻な影響がうかがえます。

ブログサービスはなぜ無料なのか

2009-02-24 23:38:35 | Weblog
 2年以上にわたってgooブログで駄文を書き続けてきました。多数あるブログサービスの中でもgooを選んだのは、無料であること(これはもっとも重要)、簡単であること(面倒な操作を覚える暇がないので)、NTTの関連会社が運営しているから(経営が傾いてサービスが打ち切られることはたぶんない)、というものです。他のブログサービスに比べるとgooブログは使える機能が少なく、凝ったことはできませんが、あまり私は不満はありません。むしろシンプルであるが故に、記事を書くことに専念できるというメリットがあると思います。

 ところでgooに限らずブログサービスの多くがなぜ無料なのでしょう。プロバイダーやポータルサイトなど本業の顧客獲得のためかな、と想像するのですが、それにしても膨大な記事を蓄積するためのデータセンターの維持経費はバカにならないでしょうし、果たしてコストに見合った対価が得られているのでしょうか。IT産業のビジネスモデルにはわからないことが多いです。

柳島青少年キャンプ場で餅つき

2009-02-23 23:22:03 | Weblog
昨日、茅ヶ崎市の柳島青少年キャンプ場にて、息子がお世話になっている自主保育サークル主催の餅つきイベントに参加してきました。今年は何回も餅つきを経験しているのですが、縁起物なので喜んで微力ながらお手伝いさせていただきました。
このキャンプ場は茅ヶ崎海岸の防砂林の中にあるのですが、バス停からの道を間違えた私たちは入口をなかなか見つけることができず、大変な目に遭いました。防砂林を突っ切ってダイレクトにキャンプ場に向かおうとしても、飛砂防止のための頑丈なネットが張り巡らされていてなかなか入れないのです。せっかく海岸の近くにあるキャンプ場なのに海岸に出るまでに大きく迂回しなければならないのはもったいないと思いました。

秋田県二ツ井町の「恋文街道」

2009-02-22 23:53:23 | Weblog
 先週、経済産業省を訪れたら1階ロビーに「地域資源∞全国展開プロジェクト」という名称の展示コーナーがありました。どんなプロジェクトかというと、町や村の特産品や観光コースなどを地元の商工会が地域資源を活用して開発する、というもので、その成果の一部が写真パネルで展示されています。
 こうした「むらおこし」的な事業は昔からあちこちで行われており、正直言ってあまり新鮮味を感じないのですが、ちょっと気になったものもあります。その一つが秋田県二ツ井町商工会の「恋文街道」です。

 なぜこの町が恋文なのかというと、明治天皇が東北巡行の際に皇后の便りを受け、この地を「きみまち阪」と名付けたエピソードがあるからだそうです。恋愛がかなうといった言い伝えが伝わるスポットには若者を中心に多くの観光客が集まりますから、天皇の恋文という地域資源に目をつけるという着眼点はなかなか良いと思いました。

こちらが観光ガイドマップの表紙です。


 ただし、「恋」をテーマとした地域振興策は悪くないアイデアなのですが、観光ガイドマップで紹介している体験型観光の内容は今やすっかり廃れてしまった「手紙を書く」という行為にこだわっている点はどうかなと思いました。電子メールも手紙の範疇に含めてしまって「ここから携帯でメールを送信すれば想いがかなうかも」といった売り込み方もありかもしれません。

 などと考えながら二ツ井町について調べていたら、七蔵町「アンオフィシャル」ホームページというサイトを見つけてしまいました。これによると、なんでも二ツ井町は「NorthWind ~ノース・ウインド~」という恋愛アドベンチャーゲーム(いわゆるギャルゲーですね)のロケ地になっているのだそうです。こちらも観光資源として活用すれば経済波及効果が高まりそうですが、何しろ18禁のゲームなのでちょっとはそれは難しいか。。。

タイの自動車部品大手のサミットグループとは

2009-02-21 18:22:52 | Weblog
タイの自動車部品大手のサミットグループが、世界最大の自動車用プレス金型メーカーのオギハラ(本社:群馬県太田市)の筆頭株主となった、というニュース(こちら)は日本の金型業界、自動車業界にとっても、また今後の日本とタイの経済関係のあり方を考える上でも非常にインパクトの大きい出来事だと思います。しかし、サミットグループとはどんな会社なのかというと、私は「華僑系の財閥で、タイ最大の自動車部品メーカー」といった程度の認識だったので、ちょっと調べてみました。

TSAと業務資本提携しました!(リクナビ)
オギハラとTSAは、既に平成20年6月に中国福建省福州市において、自動車用パネル部品の製造販売を行う『福州オギハラ・タイサミット』を合弁で設立しており、今後はTSAとの業務資本提携による事業シナジーの創出と経営基盤の強化を図ることで、より一層のブランド力強化を目指して行きます。
すでに中国で合弁事業を行っており、両社は親密な関係にあったのですね。

金型大手オギハラ、タイ企業が筆頭株主に(newsclip.be)
TSAなどタイ・サミット・グループは自動車部品製造のほか、ホテル、ゴルフ場の開発・運営にも進出。2007年の売上高は390億バーツ、従業員約2万人。グループオーナーのジュンルンルアンキット家は米経済誌フォーブスがまとめた2008年版のタイの富豪ランクで資産5.8億ドル、9位にランクインしている。一族のスリヤ・ジュンルンルアンキット氏はタクシン政権(2001―2006年)で副首相、工業相、タクシン派与党の幹事長などを務めた。

オーナーはタイを代表する富豪で、一族は政界にも食い込んでいます。

今やタイを代表する富豪のオーナーですが、親と一緒に中国・広東省からタイに渡ったとき家族は無一文で、彼は15歳の時から自動車のシート工場でワーカーとしてほとんど毎日働いたのだそうです。2006年にジャーナリストの松田健氏が彼の半生についてインタビューを行っており、これをまとめた記事が「バンコク週報」に掲載されています。非常に興味深い内容です。

財閥サミット・グループをわずか一代で築く(上) (バンコク週報1206号(2006年2月20日))
サミット・グループを一代で築いた社長(中)(バンコク週報1207号(2006年2月27日))
サミット財閥を一代で築いた社長(下)(バンコク週報1208号(2006年3月6日))
タイ最大の自動車部品メーカー、サミット・グループは、40年ほど前、バンコク都内スリウォン通りのソイ(小路)で「三友」という社名で、4輪・2輪車向けや家具向けシートの修理、生産を始めたのが起こり。創業者のサンサーン・ジュランクン社長はこれまでにサミット・オート・ボディ(SAB)、サミット・オート・シート(SAS)など30余社からなるサミット・オート・インダストリーズ・グループ(SAG)をたった1代で築きあげた。同社長の実弟も「タイ・サミット・グループ」30余社を築いており、兄弟が築いた企業のそれぞれ約半数が日本企業との合弁となっているなど日本との関係が深い。
(中略)
サンサーン社長の中国名は荘漢忠で、中国語が堪能。「兄弟の中で私だけが中国の広東省生まれで、親と一緒にタイに来ました。父はスリウォン通りのあるソイの角で、1杯50サタン(1バーツの半分)のラーメン屋を始めました。シートを作る工場と家はそのソイを少し入ったところにありました。私は15歳の時に自動車のシート工場にワーカーとして入ったのが始まりで、日曜も半日は働く週6.5日制勤務で月給は80バーツ(現在のレートでは約240円)。ドイツから輸入していたフォルクスワーゲンの完成車には、税金を安くするためシートが付属していなかったのでそのシートを生産していました」(同社長)と振り返る。


記事では、グループが日本からの技術導入を図ると共に独自開発にも力を入れているほか、『現場、現実、現物』の三現主義を重視しているなど日本企業の影響を強く受けていること、またオーナー自身が松田氏曰く「生前の本田宗一郎氏に似ている」(学歴のない現場からの叩き上げという点も似ていますね)気さくな知日家であることなど、知られざるサミットグループのことが詳しく述べられています。

グループの現状について詳しい情報を得るにはこちら。
Summit Auto Seats Industry Group
Summit Auto Body Industry Co.,Ltd

日本を代表する金型メーカーの筆頭株主が外資になってしまった、ということは正直残念に感じます。しかし外資とはいえ、日本的なものづくりを積極的に導入しながら、日系が強い影響力を有するタイの自動車産業の中で成長してきた企業と資本提携できたことは、オギハラにとってラッキーであったと言えるのではないでしょうか。
今回の不況によってタイ国内の自動車産業が大きな打撃を受けているにもかかわらず、巨額な出資を行ってしまってサミットグループは大丈夫だろうか、という気もしないではありませんが。

タイサミット、オギハラの筆頭株主に

2009-02-20 22:35:37 | Weblog
 今朝の日本経済新聞に載った小さなこの記事、一面トップ扱いでもおかしくないほどのインパクトがあると思います。日経産業新聞はさすがに大きく扱っていましたが、日本経済新聞はご覧のようなベタ記事で、全国紙に至っては全く扱っていないというのはどういうことでしょう。
 日本の金型産業は今後どうなるのか、タイの財閥の財力がいかにすごいか、いろいろと考えさせられるニュースです。