歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

大連金型工業団地

2007-04-28 23:58:18 | 海外ものづくり事情
 インターモールドにはいくつか海外からの参加もあったのですが、興味深かったのが中国大連市の大連金型工業団地の出展です。単にパンフレットを並べただけのシンプルな展示なのですが、ほかの海外からの参加者と比べて割と大きなスペースを使っていて「力が入っているなあ」と思いました。
 一応、団地の資料をもらったのですが、中身を見てちょっと驚いてしまいました。大連金型工業団地は2003年6月に大連経済技術開発区に設立された、歴史の浅い工業団地ですが、すでに100社以上の金型メーカー、工具など関連メーカーが団地に進出しています。中でも日系または日中合弁のメーカーが目立ちます。
 人材育成についても力が入れられており、団地の資料によると「大連では大学及び専門学校が37校あり、そのうち7校の大学、専門学校に金型専攻科目を設置した。即ち:大連理工大学、大連軽工業学院、大連交通大学、大連職業技術学院、大連大学、大連軽工業学校、大連開発区職業専門学校等があり、毎年金型専門者1500人が卒業できる。」(原文ママ)なのだそうです。
 大連市はかなり金型産業の誘致と育成に力を入れているのだなあ、と思うとともに、国として日本の金型業界へのてこ入れをもう少しなんとかすべきなのではないか、と感じました。

(会場内は撮影禁止なのですが。。。)

インターモールド

2007-04-27 17:40:46 | ものづくり・素形材
 東京ビッグサイトで開催されている「金型展(インターモールド)2007」を見てきました。内部は写真撮影禁止なのが残念です。JIMTOFほどの規模ではありませんが、たくさんの来場者で賑わっていました。
 特に金型工業会主催のセミナー「3次元CADは金型メーカーにとって役に立っているのか?」にはたくさんの業界関係者が詰めかけており、熱心にメモを取る姿が印象的でした。


アメリカ大使館

2007-04-26 19:27:59 | 日常
 赤坂から神谷町に向かって歩きました。途中でアメリカ大使館のそばを通ろうとすると、大使館脇の歩道には屈強な警官が行く手を塞いでおり、大使館に用事がない者は道路の向かい側を歩けと言われます。公道なのに。アメリカ大使館脇については歩行者の行動を制限する、そんな法律でもあるのかしらん。


プロフェショナル原論

2007-04-25 23:34:31 | 読書
 波頭亮著「プロフェショナル原論」(ちくま新書)を読みました。著者は経営コンサルティングの第一人者であり、私も多少仕事の内容はそれに近いところがあるのですが、彼の仕事に対する厳しい姿勢には心底感服しました。
 プロフェショナルの掟は、(1)顧客利益第一、(2)成果指向、(3)品質追求、(4)価値主義、(5)全権意識、の5点である、というのは全くその通りだと思います。しかし、プロフェショナルは営業をしてはならない、値引きをしてはならない、自分の利益を追求してはならない、という彼の主張は、ちょっと厳しいなあ、というのが率直な感想です。私の仕事に対する姿勢がまだまだ甘いのかもしれませんけど。

英単語の勉強

2007-04-24 23:20:42 | Weblog
 海外出張で思い知らされた、自分の英語力のなさ。簡単な英単語もなかなか思い出せず情けなくなりました。これではいけないと思い、一念発起して勉強し直すことにしました。
 そうはいってもまとまった時間もないので、大学受験用の単語集を買って通勤の合間に眺めることから始めています。受験の時には覚えていたはずなのに、今ではすっかり忘れてしまっている単語が実に多いです。しかし、あまり入試に出ないような特殊な単語に限って結構覚えていたりするので、記憶というものは面白いものです。


中小企業メルトダウン

2007-04-23 20:47:52 | ニュース・雑感
 仕事量は増えている、しかし大企業からのコストダウンの要請は厳しく、利益なき繁忙が続いている。これが多くの日本の中小メーカーの実感です。さらに、納品時になってからの値引き要求や、中間在庫の大量押し付け、材料高騰を考慮しない価格設定、など、大企業による中小企業イジメとしか言いようがない不適切な商慣行については、これまで私もいろいろと見聞きしてきました。
 今週の日経ビジネスの特集「中小企業メルトダウン」には、そんな中小企業を巡る厳しい状況が大きく取り上げられています。とある優れた技術を持つ中小企業が倒産して、今まで発注していた大企業が慌ててしまった話も紹介されていますが、「いつまでもあると思うな親となんとか」ではなく、「いつまでもあると思うな町工場」ということを大メーカーの調達担当者は肝に銘じるべきでしょう。


エンジニアの年収

2007-04-21 00:14:27 | IT,インターネット
IT系のブログでこんな投稿を見つけました。

エンジニアの年収は1500万円が限界なの?

(以下引用)
@ITさんのページに、「年収MAP」なるものがあったので、さっそくトライしてみました。
年齢と現在の年収を入れると、適した職種や、適正な年収を算出してくれるそうです。
http://www.atmarkit.co.jp/job/map/index.php?action_IncomeMap=true
さっそくやってトライしてみたところ、「年収は0~1500万円の範囲で入力してください」とのこと。私のまわりには1500万円以上もらっているエンジニアはごまんといるので、せめて、3000万円くらいまでは上限をあげてほしいです。
(引用終わり)

私のまわりには1500万円以上もらっているエンジニアはごまんといるので

マジですか?
金型技術者や鋳造技術者は。。。
多くの若者がITエンジニアを目指すのも無理もないように思いました。

ASEANで儲ける金型メーカー

2007-04-20 20:08:16 | 海外ものづくり事情
 タイの日系プレス金型メーカーの現場です。きびきび働くタイ人従業員の姿が印象的でした。

 金型産業は量産技術の基盤となる重要産業ですが、ユーザーからのコストダウン要請が厳しく、経営的には恵まれているとは言いがたい産業です。利益率が5%にも達しない企業が日本ではかなり多いのではないでしょうか。
 一方、ASEANに進出している日系金型メーカーの利益率は総じて日本よりも高いです。中には、税引き後利益率が20%以上、というちょっと信じられない数字を出している企業もありました。じゃあASEANは金型メーカーにとって操業しやすい条件が揃っているかというと、以下の理由から必ずしもそうとは言えません。

(1)材料、工具の多くは日本から輸入しているので高い。
(2)従業員の生産性は日本よりも低い。
(3)現地でユーザーが生産する製品の種類が少ない。このため必要となる金型の数は少ない上、繁閑の格差が大きくなる。
(4)外注先として使えるローカルメーカーが少ないので、ピーク時に合わせた設備を抱えざるをえない。(※この点はタイはちょっと違います)

 これだけ不利な条件があるにもかかわらず、なぜ利益が高いのか。答えは単純で、競合先が少ないのでユーザーもあまり強気に出ることができない、ということです。

 他方、日本国内は競合先が多いので、ユーザーも強気で、彼らの決めゼリフは「中国メーカーはこの値段で作っているのだから」です。確かに中国でも日本製とひけをとらない品質の金型を作るメーカーも現れており、見積価格は日本よりも安いのですが、これにはカラクリがある、と某金型メーカーの経営者からうかがいました。
 この経営者の説明によると、中国の優秀な金型メーカーはプレスや樹脂などの成形部門を持っており、金型を安く見積もり、プレスや樹脂成形の大量生産とのセットで受注して儲ける、という戦略なのだそうです。従って、彼らに金型単品を注文するとかえって高くついてしまうのだとか。そんな事情を無視して、ユーザーが「中国メーカーはこの値段で作っているのだから」と金型メーカーに迫るのは、ちょっとおかしな話です。

 日本国内の厳しい競争環境が、金型産業の高い国際競争力を生み出したことは事実だと思います。しかし、昨今のユーザーのあまりに理不尽な要求は退けられるべきですし、ASEAN並とまでいかないまでも、もう少し儲かるような産業にならなければ、日本の金型産業は空洞化の一途を辿るだけなのではないでしょうか。



タイ、マレーシア、インドネシアの車

2007-04-19 22:44:58 | 海外ものづくり事情
 タイ、マレーシア、インドネシアの自動車市場はそれぞれ独特で、タイはピックアップトラック、マレーシアはセダンの乗用車、インドネシアは乗商兼用のミニバンタイプの車が主流です。タイ、インドネシアで乗用車が少ない背景には、商用車に圧倒的に有利な税制があるのですが、同じ商用車でも両国の間で売れ筋のタイプがまったく異なるのは興味深いです。
 タイのピックアップトラックは、写真のように移動売店になったり、荷台に座席を取り付けて乗り合いタクシーになったり、そのまま荷台に農作物を積み込んだり、変幻自在です。途上国にうってつけの車だと思うのですが、マレーシア、インドネシアではあまり売れません。不思議です。

インドネシアの自動車市場

2007-04-18 22:48:19 | 海外ものづくり事情
 某社でいただいたアセアン4カ国の自動車販売台数の資料です。2006年は原油価格の高騰でどの国も自動車販売台数が前年に比べて減少したのですが、インドネシアの減り具合は際立っています。理由はインドネシア政府の政策ミスで、他国はガソリン価格を緩やかに上げていったのに対し、この国はある日突然100%上げるといった措置を講じたのだそうです。それでは自動車市場は冷え込むのが当たり前です。
 ガソリン価格のことのみならず、あらゆる点でインドネシア政府のやることはその場しのぎというか幼稚な政策が目立つ、というのが日系企業の指摘です。インドネシアは広い国で、多様な文化を持つ魅力的な国だと思うのですが、日系企業の目からみると政府に対してはどうしても批判的な意見が多くなります。