あるところを単車で走っておった。
時速30kmぐらい。コツッとヘルメットに当ったものを感じた瞬間
いきなり胸のポケットが
ガサガサッ!「何じゃ!」
恐るおそる覗き込んでみたら・・・「油ゼミ」だった。
僕がこうやって捕まえて写真とろうとしても「ジイ~~~~~~」
すごい勢いで羽根も体も振動してエライ元気もんです。
僕が子供のとき、どうしても捕まえたくて必死になって鳥もちを付けた
竹の棒でやっとの思いで捕獲したのを思い出した。
あんだけ難しかったセミが
こないして簡単に飛び込んできた!
人にぶつかって、あげくにシャツのポケットに落ち込んだ・・
拍子の悪いセミだな
その確率3000万分の一ぐらいかな
でも、こいつの生命の短さを知っておる僕
このカットを撮ってすぐリリースした。
ジ~~っと鳴きながら林の中へ消えていった。
僕にぶつかって死んでしまうのもセミの人生(人生に例えた)
が、僕のポケットに落ちて、生きながらえてその必死に生きとる
姿をメディアに流され、わずかでもその華やかさをみせつけたコイツ
まさに一期一会、人間と昆虫のドラマだってあるんだね。