クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

詩人“正津勉”は、出版記念会でネクタイを締めるのか?―『山川草木』―

2009年04月18日 | ブンガク部屋
向かうは神楽坂。
4月15日、日本出版クラブ会館で、
“正津勉”先生の出版記念会が開かれた。

詩人正津先生の著書の中で、
今度の出版物は異色ではないだろうか。
タイトルは『山川草色』(さんせんそうもく)。
写真家“三宅修”との共著である。

先生の教え子のひとりとして、
あるいはBゼミの末席に加わっている者として、
神楽坂へ向かう。

仕事が終わってすぐの直行だったが、
会場入りは遅れる。
すでに会は始まっていて、
歓談する出席者で賑わっていた。

拙ブログで何度も書いているように、
正津先生は詩人である。
ただ、ここ数年の著書を見ると、
小説家、エッセイストの顔を持っている。

また登山家でもあり、山岳詩人の名を持つ。
今回出版された『山川草木』も、
三宅修氏による美しい山々の写真とともに、
作家たちが歌い、詠み、綴った自然への想いを、
正津先生が解説した書物だ。

版元は白山書房。
『山川草木』は白山書房創業30年記念出版である。

この頃ぼくは、正津先生のゼミにご無沙汰になっていた。
出版記念会はゼミの人たちも多く参加していて、
昨年の暮れ以来に顔を合わせる。
中には、数年ぶりの人もいた。

岡本敬三氏の出版記念会以来にお会いする人もいる。
歌人、詩人、俳人、作家、カメラマン、編集者、翻訳家、
ピアノ教師、医師、評論家、新聞記者……
まるで春の山の賑わいである。
芽吹く草花を目の当たりにしているようで気持ちがいい。

ところで、正津先生のゼミに出入りし始めて、
なんだかんだ言って9年目を迎えている。
正津先生とは出会って10年以上経っているが、
実は1度も背広姿を見たことがない。

今度はネクタイを締めてくるだろうか?
半蔵門線に揺られながらそんなことを思っていた。
しかし、実際に会場に入ると、
先生はいつものジーンズ姿。
出席者の方が気合いが入っていたかもしれない。

先生のジーンズ姿にはまるで違和感がない。
いまにも山へ行きそうな装いである。

きっと我々は、正津先生の背広姿は一生見られないのだろう。
西から太陽が昇ったって怪しい。
形式にとらわれず、どこか自由奔放で、
それでいて自分に厳しい。
ときに恐い一面を覗かせるが、
酒と山を愛し、誰にでも気さくに話すようで、はにかみ屋。

読者はそんな正津先生のスタイルに憧れるのだろう。
昔もいまも、そしてこれからも……
宴もたけなわの挨拶のとき、
ネクタイを締める三宅氏の隣で、
詩人は飄々と立っていた。

正津先生、改めてご出版おめでとうございます。



日本出版クラブ会館


『山川草木』出版記念会。




挨拶をする正津勉先生。
画像を掲載してあとで叱られるかも……

日本出版クラブ会館
http://www.shuppan-club.jp/

※参照URL「B-semi」
http://homepage1.nifty.com/B-semi/index.htm

参照記事「“詩人のゼミ”で飲む酒はどんな味?」
http://blog.goo.ne.jp/kuni-furutone118/e/598eeb67940590b3e99603e617acc750


「山の本」
白山書房発行


『山川草木』
三宅修・正津勉著
2009年4月10日発行
白山書房

白山書房ホームページ
http://hakusan.outdoor.cc/

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クニのウラ部屋雑記(95) ―... | トップ | 庚申塔を見ませんでしたか »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
進行役は出版記念会でネクタイを締めたのか? (KAMEDA)
2009-04-19 00:32:35
 ご紹介ありがとうございます。
三宅修さんも最初はノー・ネクタイで会場に登場。
普段は全く締めないと語っていました。

さんせんそうもく の内容見本と注文の頁です
http://hakusan.outdoor.cc/SAMPLE/sansensoumoku.html

 みうね山の項目では詩人の後ろ姿をアップしています
http://yamanohon.exblog.jp/

返信する
KAMEDAさんへ (クニ)
2009-04-20 00:13:30
先日はお久しぶりでした。
やはりお祝いの席というのはいいですね。
とても楽しい出版記念会でした。
三宅さんも最初はノーネクタイだったのですね。
とても優しそうな方で、
正津先生も終始笑みを浮かべていて、
あたたかい時間だったと思います。
お酒もおいしかったです(^^)
返信する

コメントを投稿

ブンガク部屋」カテゴリの最新記事