クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

「山田太郎ものがたり」と「花ざかりの君たちへ」の“声”の色は?

2007年07月07日 | レビュー部屋
――黄色い声。
金持ちとイケメンの登場するドラマでは、
ほぼ黄色い声が飛び交います。
きゃあこら、きゃあこら(キャーキャー)言う女子はなんだか楽しそう……。
「花ざかりの君たちへ」に次いで「山田太郎ものがたり」でも、
黄色い声と女子がセットで登場していました。

涙ぐましい貧乏生活を送っているのに、
大金持ちと間違えられている“山田太郎”(二宮和也)と、
彼が気になり始めている本当の金持ちの“御村”(桜井翔)。
「山おんなと壁おんな」のように、対比する2人の設定です。

山田太郎のストイック性は、「巨人の星」の星親子といい勝負でしょう。
ペンケースはお菓子の空き箱で、
筆記用具は短くなった鉛筆をつなぎ合わせたもの。
夜は工事現場にバイトに励むという勤労青年です。
彼の稼ぐお金は汗と涙の結晶そのもので、
その重さをものともせずパッと使ってしまう母親(菊池桃子)は、
憎めない天然キャラのように描かれていましたが、決して好感は持てません。
ストイックの息子と、快楽的(?)な母親という対立構造がここにも見えます。

――お金はないけど愛がある。
多くの兄弟と、「あんちゃん」が主役というポイントは、
「ひとつ屋根の下」を彷彿とさせます。
本来の“あんちゃん”の姿を見たら、
女子の黄色い声はどうなるのでしょう。
玉の輿を狙う女子は……。
山田太郎の日常が明らかになったとき、
黄色い声は別の色に変わるのかもしれません。
もしくは無音か……?

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