クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

第10回「篤姫」の紀行は?

2008年03月10日 | レビュー部屋
大河ドラマでわりと好きなのは、
本編が終わったあとに流れる紀行映像です。
どことなく郷愁を漂わせる音楽と共に、
本編に因んだ史跡やゆかりの地を紹介しています。

第10回の「篤姫」(主演宮崎あおい)で、
その紀行に取り上げられたのは茨城県水戸市。
徳川斉昭のゆかりの地として、
「弘道館」や「偕楽園」が紹介されました。
斉昭が偕楽園に植えさせたのは梅の花です。
ちょうどいまの季節は「梅まつり」が催され、
園内は梅の花で彩られています。

さて、名君と名高いその斉昭が、
天保14年(1843)の徳川家の日光参詣のおりに詠んだ歌が、
埼玉県羽生市に残っています。
当時、斉昭ら一行は日光脇往還を通行し、日光へ向かいました。
その途中、川俣関所の直前に位置する上新郷の“本陣須永家”で、
一行は休憩をとったのです。

斉昭が本陣で目にしたもの。
それは地袋に描かれた富士山の絵でした。
シンプルかつ幻想性のある絵です。
斉昭は筆を執り、次の歌を詠みました。

 利根川の水は鏡か
  真なる思ひするがの
     不二のうつし絵

斉昭の人柄を表すかのような力強い文字です。
現在この和歌の記された文書は、
富士山の図と共に羽生の文化財に指定されています。

文人であり、野心家でもあった徳川斉昭。
梅は学問の神菅原道真が愛した花です。
今年も梅の花が満開に咲き、
斉昭の遺徳が偲ばれます。

※画像の人物は徳川斉昭です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3月10日生まれの人物は?... | トップ | 羽生を散策しませんか?(2... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

レビュー部屋」カテゴリの最新記事