クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

横穴石室の位置が復元されている古墳は? ―渕ノ上古墳―

2018年02月16日 | 考古の部屋
渕ノ上古墳(ふちのえこふん)は谷田川の近くに佇んでいる。
佇むと言っても墳丘らしきものは見当たらない。
削平されている。

あるのは横穴式石室の位置の復元。
ここに古墳が存在して石室があったのですよ、と伝えてくれる。

石室は全長5.7メートルの大きさ。
中から直刀や馬具、耳環、埴輪などが出土したという。

石室に使われていたのは角閃石安山岩の川原石。
榛名山二ツ岳が吐き出した火山弾が川に入り込み、
その川原石を採り入れた。
お隣の板倉町にある筑波山古墳も川原石が使われていた。

谷田川が供給源だろう。
いまはもっと南を流れている利根川だが、
かつて谷田川筋が本流だった時期もあった。

渕ノ上古墳があるのは群馬県館林市羽附旭町。
神社の境内だが、公園として整備されている。
南に谷田川が流れ、西には高速道路が見える。
とはいえ、車の音は聞こえてこない。
とても閑静な場所で、時の流れを忘れてしまいそう。

ちなみに、渕ノ上古墳から出土した円筒埴輪や巫女の埴輪は、
館林市立郷土資料館で展示されている。

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