クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

旧吹上町の“愛宕神社古墳”の被葬者は新幹線の音を聞く?

2019年01月11日 | 考古の部屋
旧吹上町(現埼玉県鴻巣市)に残る古墳はいずれも宗教施設となっています。
だからこそ残ったのでしょう。
ただの土山であれば、干拓などに使われて消え去ったかもしれません。

愛宕山古墳は、その名の通り墳頂に愛宕神社が鎮座しています。
現存しているとはいえ、時代の流れとともに人の手がだいぶ加わっています。

高さは約3m、直径は20~30mありますが、
後世に盛り土をされたようです。
築造年代は推測6~7世紀。

この近くには宝養寺古墳があります。
また、元荒川や鉄道を越えた南側には三島神社古墳が横たわっています。
元荒川周辺に古墳群が築造され、往古はもっとたくさんあったのでしょう。

愛宕山古墳のすぐ目の前に通っているのは上越新幹線です。
古墳に足を運べば、聞こえてくるのは新幹線が走り去る音。
隣には千手院、裏には公園があり、
子どもと訪れてもブランコやすべり台で遊ぶことも可能です。

愛宕神社は立派なたたずまい。
前の道を通り過ぎたとき、
「古墳」とはなかなか認識できないでしょう。

出土遺物や内部施設は不明。
被葬者がいるようには見えませんが、まだここに眠っているとしたら、
毎日車や新幹線の通り過ぎる音を耳にしているはずです。


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