クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

縄文人のゴミ捨て場にて ―寺西貝塚―

2019年03月24日 | 考古の部屋
寺西貝塚は群馬県板倉町の史跡として指定されている。
標柱と文化財説明板も建っている。

とはいえ、奥まっているところに佇んでいるため、
見付けるのにいささかウロウロするかもしれない。

海のない群馬県。
海は遠い。
なのに、古代の人々が食べた貝殻が出土。
ロマンを感じてしまう。

縄文時代、気温が暖かかったため、
海が関東の奥まで入り込んでいた(縄文海進)。
当時、いまとは全く異なる風景が広がっていたのだろう。

寺西貝塚では主にヤマトシジミの貝種が確認されたという。
貝殻に混ざってニホンシカの角や馬の骨なども出土。
同貝塚は、昭和21年と同38年に調査が実施されている。
いまでも現地では貝殻を見付けることができるらしい。

なお、板倉町文化財資料館では、
寺西貝塚の土層を剥ぎ取ったものが展示されている。
いまでも地中に眠る貝殻は多くあるかもしれない。

寺西貝塚の標柱や展示資料の前に立つ。
海から遠く離れた群馬県板倉町で、
潮の匂いを感じられるかもしれない。
心にそっと吹く風は潮風か。


寺西貝塚の遠景(群馬県板倉町)

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