オム・テウンとのWインタビューのようだが、イル君の記事だけ訳してみた
愛を失って・・・愛に尽くす・・・
愛ほど陳腐でありながらも 難しい定義がまた、あるだろうか。
ここに、愛を失った男と 愛に尽くす男が1本の木の下に立った。
ひとつの愛を失って より大きな愛を得た男、別の愛で傷を癒す男、二人の愛についての談論が木の下で繰り広げられる。
1本の木のような男がいる。
その男の心臓は一人に根をおろして 他のことを考えるすべを知らない。
愛する女性と交わした6年前の約束を守るために 無計画に韓国に戻った男。
だが彼女をどこにも探すことはできない。
6年前 彼女と通話した番号ひとつだけを頼ったまま 男はむやみに約束の場所で待つ。
1本の木のような男、この馬鹿正直で一途な愛の主人公がまさに
オム・テウンだ。
愛を失い 愛の傷に耐えられずに すべてのことを諦めた。
時間は止まり 彼のもとに残ったのは傷だけだ。
苦痛に耐えることができず休学したが また学校に戻った男。
いきなり酒を教えてくれという後輩に 酒を飲む方法、酒に酔わない方法、酒に溺れない方法など
酒についてのノウハウを伝授したその男の胸に妙な活力が広がる。
チョン・イルから初恋のドキドキするときめきが伝わってくる。
私の愛に不安になり、私の愛にときめき、私の愛のために苦しみ、私の愛を待つ人たちに 皆既日食がやってくる。
生涯でただ一度でも見るのが難しいという皆既日食。
太陽と月が出会って世界が目を閉じてしまうその瞬間に これらは生涯最高の、最も輝く愛の瞬間を迎える。
切実な愛を心におさめた二人の男の物語が始まる。
本当の愛を探して飛び立つ青い鳥
21才のチョン・イルは予想した通り 笑う姿が本当に見栄えが良かった。
どうすればあんなふうに爽やかに笑うことができるのか、と考える前に 彼がまた笑う。
「私は感情の起伏がとても激しい方です。でも、そのような小さな部分まで表現するスタイルではありません。
いつか一度険悪な表情でいたが 人々が‘不躾だ、うわべだけ垢抜けている’と後日談があったんです。
それで今はいつも笑おうとしています。いつもいつも(笑)
事実 家でもそんな風に、一人でいる時はあまり笑いません」そうしてまた‘ニヤ~っ’と言いながら笑うチョン・イル。
彼はいつから自身の感情を隠す大人になったのか?
〈思いっきりハイキック〉(以下〈ハイキック〉)で 家族を前にして今のソファーに座って全身を震わせてわがままを言ったユノは子供だった。
だが、片思いするソ先生(ソ・ミンジョン)の前で はにかんで自身の心を告白するユノは大人だった。
普段好きなことは何かという質問に、すぐに「ショッピングとウイニング(サッカーゲーム)です!」とあどけない子供のように答える彼。
そうしてしばらく間を置くと「空を見ることです」とだいぶ大人っぽい口調で言葉を続ける。
「青く澄みわたった空より 雲に隠れた空がより好きです。空を見上げていると心が本当に楽です。こういう考えがよぎったり・・・」
子供と大人が混在しているようなチョン・イル。彼が今回は〈私の愛〉というフィルムに乗せて 暖かい愛を見せるつもりだ。
過去の愛を忘れられないまま、いきなり酒を教えてくれという後輩ソヒョン(イ・ヨニ)と酒間をぶつかり合いながら、
好きと言うことと愛することの違いを知りつつ、彼は自身も感じることができないくらい徐々に ある気分になっていく。
それが真実の愛だったことを なぜその時はわからないのか。
偶然シナリオを呼んだチョン・イルは ジウに一気に夢中になった。
「見たとたん一度でとりこになりました。それでキャスティングされようがされまいが、無条件でまず監督にお目にかかれるようにしてくれとお願いしたんですよ。
ジウの物静かながらも落ち着いていて、慎ましさが多いながら穏やかなイメージが良かったんです。〈ハイキック〉のユノのように過激でなくて・・・(笑)」
抱いていた欲が夢みたいに実現されたという事実で うれしさをこらえる暇もしばらくの間、彼が一番先にすべきことは ユノを消すことだった。
「キャスティングされて 発音、発声演技に神経を最も多く使いました。身についたユノの話し方も変えて。
ユノを演じる時より力をちょっと抜いたというんでしょうか? 率直に ユノは体でする演技が多かったじゃないですか(笑)
なぜか負担な気持ちで 監督が面倒がるほどたくさん訪ねましたよ。監督の前でリーディング練習もたくさんして・・・
〈静かな世の中〉のチョンホを演技したことさえも助けになりました。映画でチョンホは目で対話をするでしょう? ジウも眼差しで語る場合が多かったんですよ。」
〈ハイキック〉を始めた以後で 休む間もなく走ってきた彼に〈私の愛〉は しばらく休息するスローテンポとも同じだった。
だが彼はいまだに映画よりドラマに より魅力を感じる。
「映画とドラマ どちらも魅力がありますが 事実ドラマのほうが好きです。性格がせっかちだからなのか・・・
早く撮影して、視聴者の反応もすぐに受けることができるから ということのようです。
〈ハイキック〉の時は本当に1日3時間以上睡眠をとったことがなかったんです。いったん夢中になると、その朦朧とした状態がおかしくて 私は良かったんです」
一方、映画の中では一度も向き合う場面はないが、カム・ウソン、チェ・ガンヒ、オム・テウン、リュ・スンニョン等
数々の先輩たちと一緒に同じ映画に出演するということだけでも 彼は感謝していると話す。
「共同作業ができず 少し残念で心残りな部分もあります。でも先輩方が本当に兄のように気楽に接して下さって良いです。
オム・テウン先輩とは ミニホームページ???です。兄と弟という???名も私が作りました。
先輩後輩としてピッタリじゃないですか(笑)
〈ハイキック〉の時もそうして・・・イ・スンジェ、ナ・ムニ先生と チョン・ジュナ、パク・ヘミ先生も 映画を見に必ずいらっしゃるそうです」
彼とインタビューをして ふと気になった好奇心がひとつ。やはり21才のチョン・イルも愛をしてみたのだろうか?
「そうですね。私は片思いから始めました。私が感じたことですが、片思いしているその当時には 相手がどんな振る舞いをしても 皆かわいく見えます。
それが好きで結局交際するようになるじゃないですか? それでおかしな事に 良くない点が見えるんです。
私は火のように愛するタイプのようです。めらめらと燃え上がって すぐ冷めてしまう・・・(笑)
恋人期間は100日? 150日? えー、ところで愛・・・終わればつまらないのは皆同じです(笑)」
親しい友人たちが大部分 軍に入隊したため 近頃めっきりさみしいという彼は いつか自身にも 映画の中のジウのように 真実の愛がやってくるだろうと信じている。
1羽の青い鳥がくわえてきた やや青い愛の種が いつの日か彼の暖かい心に芽生えるのを祈る。
「私を理解してくれ 私の話をよく聞いてくれる人がいいです。長く付き合ってみると 愛情が生まれて・・・
愛ですか? もちろん始めたいです。私は今 さみしいんです(笑)」
(真ん中あたりの文)
好きなのはコーヒー、服を買うこと、写真を撮ること、空、旅行などで、
愛するのは家族、私の仕事、演技、私に愛を下さるファンたちです。
いつまでも待っていて下さる、これらの人に差し上げることが愛ではないかと思います。
そして最も重要なのは、信頼! 信頼がこわれると愛も壊れると思います。
これを訳そうと思い立って始めたのが去年の秋頃。その間、日々見つけたネットの記事を訳していたので、今になってようやく完成。
訳すのに慣れてきたとはいっても、これだけの長文はやっぱり大変・・・わからない言葉もまだまだ多いし
でも実はもう1冊、イル君の雑誌記事があるので、次はそっちにチャレンジしようっと。