囲碁や将棋で、人間対AIの対局を何度かテレビなどで見聞きしたことがある。
ソフト開発の初めの頃は、将棋ではAIが徐々に強くなり、囲碁では人間が有利だった。
将棋盤が9×9路で駒の動きにも決まりがあるのに対し、
囲碁は19×19路と広く、石は何処へ打っても良いなどでプログラミングも大変だった為か?
その後、ソフトの改良が進み、現在ではプロ棋士でも囲碁・将棋ともにAIに軍配が上がる。
囲碁・将棋には昔から研究され解明されてきた一定の棋理がある。
それを囲碁では定石、将棋では定跡という。
相手を負かすためには、この定石(定跡)の研究や勉強が必須であることは当然だ。
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人間がAIに勝てなくなったのは、どうした訳だろうと考えた。
AIは過去の実戦棋譜や定石(定跡)を膨大な量おぼえ込ませることができる。
人間の脳は、AIにはかなわないし、感情や意思なども働く。
ある難しい局面にさしかかると、いろんなことを考えて決断することもある。
その結果の判定をAIは、有利、不利のパーセントで表示するのである。
人間の方が有利、不利のパーセントを知るのは、やってみての後のことである。
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定石(定跡)についても、囲碁と将棋では異なる事態が見られるという。
将棋では、これまでの定跡を人間もAIも変わらず採用しているが、
囲碁では、幾つかの定石で採用されなくなったものが出てきた。
逆に、昔、師匠から「それはダメだ」と叱られた定石をAIが採用したりする。
人間サイドの思考回路をAIから学ぶ時代になりつつあるのかも知れない。