久保美緒のブログ

日々思うこと、感じること、考えること

旅① アウシュビッツ

2013-02-01 | ピアノ
2012年1月31日(木)年末年始の旅①



クラクフに着いたのは夜でしたので、翌朝アウシュビッツへ出発

働けば自由になる の門



広い敷地内にはいくつもの建物



この写真、何だかわかりますか?


ここに連れてこられた方々の靴です
想像するのが難しいほど たくさんの方々の人生が詰まっている靴です




アウシュビッツから車で5分ほどのところにあるビルケナウ
アウシュビッツよりもかなり広大な敷地を持ち
強制収容所、殺人工場となったバラック小屋が300棟以上立ち並ぶ場所です



終戦後、証拠隠滅のために爆破されたが、破壊しきれずに残った建物
隠滅どころか、今もなおはっきりとその事実を私たちに提示してくれます



身動きが取れないほどのギュウギュウ詰めの列車に乗せられ
この線路の上を揺られて連れてこられたそうです




アウシュビッツ内の展示
青い缶 ニベアクリームと書いています
現代の私たちも使っていますよね
この出来事は、昔の出来事ではないのですよね
私たちとも無縁のものではないはずです





クラクフに住むガイドさんもおっしゃっておられましたが

”賛成はしないけれど、反対もしない
ただの傍観者になってしまうこと”

これが、一番恐ろしいことだと思いました。


もっと怖いのは、知らず知らずのうちに自分がそうなってしまうこと


そして、知らない間に社会全体がそういう波に乗ってしまうこと



今の日本も危険な状態かもしれませんね





この日、寒波は過ぎたあとでしたが、それでも相当寒く
ブーツの中の足は、感覚がほとんどなくなるほどでした

この過酷な状況の中 薄いペラペラの縞模様の衣服だけを身に纏い
具のないスープとカビの生えたコチコチのパン
それすらも与えられない日もある中、働き続けさせられた人々
ここに連れてこられた方のほとんどは約三か月で命を落とされています

それもなく いきなりガス室で殺された本当にたくさんの方々のことも忘れてはなりません
子供も赤ちゃんもみんな です




いつかここに来たいと 昔からずっと思っていましたが
実際に訪れてみると その想像を絶する現実に、激しい戦慄を覚えました。

まだすべてを受け止められずにいる状態です

ブログに載せるなんてどうなのかな と考えましたが
同じことを繰り返さないためにも
一人の人間として、どういう形であれ、この事実を伝え語り続けなくてはいけないと
強く思いました


人間が秘める様々な「可能性」を思い知らされた1日でした





この地を訪れる日本人は年間7000人くらいだそうですが、他の国に比べると
まだまだ少ないのだそうです

言葉や文字から感じとるのには限界があります
ぜひ、機会があれば この場所を訪れてみてください
実際に行かないと感じられないものがたくさんあります







この日、ビルケナウに移ったくらいから
右まぶたが お岩さんのように腫れ上がってきました
寒さと疲れと衝撃と、、、からでしょうか
翌日には良くなりましたが
よって この日の私の写真はお見せできません(>_<) 





往路 富士山が美しかったです




こちらはクラクフ滞在中のホテル前より



美しい街でした。














コメント (4)