般若心経

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般若心経

2022-01-20 | Weblog

 「いつか死ぬ、それまで生きるわたしのお経」
   (伊藤 比呂美著  朝日新聞出版  2021/11/30   p.269 CD付 )

 昨年11月20日のNHK「こころの時代」は「わたしの言葉で語るお経 ~詩人  伊藤 比呂美」でした。

伊藤 比呂美さん1955年東京都生まれ、詩人、アメリカで20年以上を過ごし、3年前帰国、早稲田大学教授を務める。
お経は詩であるといいます。

伊藤さんの著書「いつか死ぬ、それまで生きるわたしのお経」を図書館で借りました。

 

「お経の現代語訳をやっています。よっぽど信心があるんじゃないかと、ときどき人に聞かれますが、ありません」
本書の書き出しです。
「どのお経も芝居がかった構成で、語り物として、聞いておもしろいように作ってある」と著者はいいます。
特定の宗派のお経ではなく、いろいろな宗派のお経をとりあげています。。

開経偈《かいきょうげ》
三帰依文《さんきえもん》
三宝礼《さんぼうらい》
般若心経《はんにゃしんぎょう》
二河白道《にがびゃくどう》
源信の白骨観《げんしんのはっこつかん》
九相詩《くそうし》
源氏物語表白《げんじものがたりひょうびゃく》
風信帖《ふうしんじょう》
法華経薬草喩品偈《ほけきょうやくそうゆほんげ》
阿弥陀経《あみだきょう》
四誓偈《しせいげ》
本誓偈《ほんせいげ》
聞名得益偈《もんみょうとくやくげ》
法華経従地涌出品偈《ほけきょうじゅうじゆじゅつほんげ》(部分)
法華経方便品《ほけきょうほうべんぼん》(部分)
法華経如来寿量品偈《ほけきょうにょらいじゅりょうほんげ》(自我偈)
一切精霊偈《いっさいしょうりょうげ》
発願文《ほつがんもん》
摂益文《しょうやくもん》
仏遺教経《ぶつゆいきょうぎょう》

総回向偈《そうえこうげ》
 願以此功徳 平等施一切
 同発菩提心 往生安楽国

 どうかこの恵みが
 わたしに
 わたしたちに
 もろもろのいのちたちに
 あまねくひとしくゆきわたり
 目ざめたいという心をおこさせて
 あのやすらかな国へいくことでできますように。

総願偈《そうがんげ》
 衆生無辺誓願度 煩悩無辺誓願断
 法門無尽誓願知 無上菩提誓願証
 自他法界同利益 共生極楽成仏道

 ひとびとはかぎりなくいます
 みんな救います
 ぼんのうはかきりなくあります
 かならず離れます
 おしえはかぎりなくあります
 つねに学びます
 このうえない目ざめに
 きっと行きつきます
 ブッダのめぐみをわかちあい
 ともに極楽にうまれてブッダのみちをあるいてゆきます

お経の現代語訳の間にエッセイが挟まれており、さりげなく父、母、夫の死が折り込まれています。

「白骨」と「九相詩」から
人間は、かならず年取る。という事実。
人間は、かならず死ぬ。という事実。
ところが若い人相手には、命数を見ようという気にならない。あと五十年などと思うと、それは無限とほとんど同義語だ。本当は無限じゃないのに、なんと能天気なことだろう。

詩人の文章、リズムがあるのでしょうか、すらすらと読むことができます。

注釈から
四諦 諦は「あきらかにする」「まこと」という意味。 「あきらめる」と読むのは日本読み。あきらめたらいけません。試合終了になっちゃいますからね。
苦諦 生きることは苦だという真理
集諦《じったい》 もとめる欲望や感情がある(だから苦がある)という真理
滅諦 欲望や感情は滅くせる(だから苦は滅くせる)という真理
道諦 苦を滅くすために道があるという真理


本書には掲載されていませんでしたが、テレビで紹介されていました。
伊藤さんがお経と向き合うきっかけとなった懺悔文です。

懺悔文《さんげもん》
 我昔所造諸悪業 
 皆由無始貪瞋痴
 従身語意之所生 
 一切我今皆懺悔

 わたしが 
 これまでに 
 なしてきた
 いろんなあやまちは
 はるかなむかしから 
 みゃく 
 みゃく 
 とつながる
 むさぼる心・いかりの心・おろかな心
 をもとにして
 からだ・ことば・いしき
 をとおして
 あらわれて
 きたものだ
 わたしはいま
 きっぱりとこここにちかう。
 そのすべてを
 ひとつ
 ひとつ
 心をきりぎさむようにして
 悔いて
 いきます









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