般若心経

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2019-05-26 | Weblog

 お城の石垣  「暮らし☆解説」

 お城の石垣はその上に築かれた土塀や櫓、天守などの建造物とともにその景観は見る人を魅了してやみません。 権力の象徴、統治・防備の拠点としてだけではなく先人が築き上げた美としても 日本が世界に誇ることのできる重要な遺産だと思います。
石垣のカーブは綱を上下に張ったときの綱のたるみに合わせたカーブで、現代の土木工学上からも最適の方法であったと聞いたことがあります。これは外国の城等には見られない光景です。
この石垣の保全が今全国各地で問題になっています。
 熊本地震で熊本城の石垣が崩れる様子はテレビで何回も繰り返し放送されたこともあり衝撃を受けました。東日本大震災でも多くのお城の石垣が崩れたそうです。また香川県丸亀城の石垣の崩壊は豪雨とはいえまさか雨で崩れるとはとおどろきました。

 5月17日のNHK「暮らし☆解説(くらし きらり かいせつ)」は『どう守る?城の石垣』でした。
遅ればせながらビデオを見ました。
番組ではお城の石垣を後世に伝えるため全国各地で取り組まれている対策と問題点について紹介しています。
石垣等の建造物をはじめとする多種の文化財は現状を維持し過去の技術と工法を後世に伝えるのが原則、そのため石垣の修理も崩れた石ひとつずつを元通りに戻していくまるでジグソーパズルのような作業が繰り広げられています。そのためには多大の時間と予算が必要です。
NHKでは石垣の保全について全国の城の管理者にアンケートを行い、半数以上が現状で異常がみられ、問題点を抱えていると回答しています。
技術の進んだ現代においても石垣に対する地震や豪雨の影響は未知の世界だそうです。
またコンクリートで石垣を固めたため地震によりかえって被害を大きくした福島県小峰城の例も挙げていました。
文化財と安全確保、安全か危険か判断が困難、時間・予算・専門的な知識や技術が必要など城の石垣保全に対する問題を紹介しています。

 番組を見て文化財保護の考えが浸透され予算が確保されまた多くの寄付が寄せられる現代の社会はすばらしいと思いました。
しかし、先端技術を駆使してもあらゆる物質は自然に劣化してゆきます。どこまで現状維持を求めるのか、どこまで現代の材料、技術を取り入れるのかむずかしいところだと考えます。
過去に施工された工法と全く同じ工法により復元することは可能でしょう。
しかしそれでは今後何百年か後、今回と同じレベルの地震や豪雨に見舞われるとまた同じように損壊をみることになります。
 明治時代、木造の屋根が大きく傾いた東大寺の大仏殿は、内部に大きな鉄骨を入れたイギリスの技術により補強しました。今その話を聞いても全く違和感を覚えませんし、余計なことをしたとも思いません。
石垣が作られてから何百年と経ちます。その間、施工方法も日進月歩しているはずです。
石垣をはじめとする土木技術には全く疎い立場ですが、新しい技術の導入も検討していいのではないかと思いました。