般若心経

１１４０


チョロＱ

一ヶ月ほど前、市の清掃事業所でイベントがあり、大勢の人が集まった。
その中に数十のフリーマーケットの出店があり、服や食器、アクセサリー、その他いろいろ、見るだけでも楽しかった。
何気なく見ていると、ひとつの店でチョロＱが目に留まった。
新品ではないらしいが、汚れはなく、ひとつずつ丁寧に透明な袋に包装されている。
手書きで値段が付けられており、１つ １０円 。
孫にどうかな、喜ぶのではないだろうかと思って ５つ買った。
先日孫が遊びに来たとき、手に取りずいぶん喜んで遊んでくれた。
孫が帰った後、片付けながら考えた。
いまどき、一つ１０円では手間やマーケットの出店料を考えると分に合わなかったのではないだろうか。
単に金銭のためだけに出店していたのとは違うのではないだろうか。
おそらく、お子さんが遊んでいて 大きくなり、不用になったものを大切にとって置いたのだろう。
そして、次に遊んでくれる子どものために出品したのではないだろうか。
買ったとき丁寧に「ありがとうございました」と言われた。
それは「想い出を引き継いでくれて、ありがとう」と言われたのではないか、とチョロＱを前にして思った。
フリーマーケットのイメージが 変わった。