AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

ちょっと遅れましたが

2013年12月22日 | 日本語教育
小学校での英語教育や、中学校での英語教育を全て英語で行うという話がありました。

それに対して理解できない生徒が続出するという話も出ていました。

記事を読んでいてわからなかったのは、何人のクラスでやるのか、ということです。

日本語の授業、私は13人での直接法というのが、自分なりの限界に近い人数でした。

もし、一クラス10名での英語教育であれば、直接法で教える教材の準備と教員の訓練さえ進めば無理ではないでしょう。

日本語力を身につけてから、という議論も、言語獲得に母語の十分な発達が必要という研究もあり十分頷けます。

で、どうなんでしょうか。

英語の授業を10人程度で実施する予算の確保を求めるのでしょうか。

教員養成や研修のプログラムを作る予算と人員、実施するための期間はあるでしょうか。

少なくとも、現在の形ではすぐには対応できないと思います。

拙速、という印象しかありませんが、どうなんだろう。

上の条件さえ整えば、英語だけで英語を教えたら理解できない生徒が増えるというのは、誤解だとすぐわかるでしょう。その対策を取らないで結果を見て議論するのは真っ当な議論にはならないはずです。

それと、現場の教員はもう一杯一杯です。

授業をすることだけに専念できませんかね。生徒指導も必要なので、そういうことをもっぱら担当する人員の確保もなければ、先生方、授業準備や研修の時間なんて、もうありません。

笑えないのは、生徒ともっと接しましょう、という研修を出張して聞いているという話。

夏休みや冬休み、教員は暇なんじゃないんですよ。その時間にできるだけの授業準備、教室の整備、そして、自分自身の研修をしていらっしゃるのです。

夏休みは暇だというのは、大きな誤解。

学校の先生方対象の研修会を企画しても日程が決められないほどの行事があります。

英語教育でさらに現場の先生方の負担が増えるかと思うと気が重くなってきます。

そして、まともに準備できていない授業を聞くことになる子供達が、英語をどう感じるかにも不安があります。

10年、人材の育成をしてからじゃまずいのかなあ。オリンピック、なんて文言を入れるんだから、10年はないのかなあ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 焼肉食べ放題とスタンプラリー | トップ | ふぐ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語教育」カテゴリの最新記事