AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

一緒に笑った経験

2015年12月25日 | 日本語教育
教養科目多文化リテラシーの中で担当している『日本とアジア ~描かれた日本』という授業。

年内最後となる今週、そして、年明け最初の1月8日の2回、本学に留学している留学生とおしゃべりをするという内容の授業です。

今日は、中国の留学生が3人(うち一人はモンゴル族)、台湾から2人、インドネシアから1人、タイから1人、韓国から1人の留学生が来てくれて、1グループ6人程度で20分を3回、おしゃべりしてもらうことができました。

こちらから、学部学生さんにお願いしたことは次の点。

1.日本語で話す。筆談はしない。
2.ナンパしない。
3.宗教に勧誘しない。
4.マルチに勧誘しない。

てなことです。

事前に配布している教材に、話題のリストを挙げておいて、困ったらこれを使って、ということは伝えましたが、まあ、すべて成り行きで。


大学内にある国際交流会館に住んでいる留学生がほとんどなのに、あんまり、普段の交流がないのをなんとかしたいなあと思っているのもあって、

留学生には積極的に絡んでもらえるように、機会を作っています。


今日の授業で、学生さんたちの話を立ち聞きしていたら、

もちろん、国の文化、食べ物や観光地の話もありましたが、

受験制度の話や、男女関係の話、政治の話、いろんな話が出ていました。


僕がそばにいると話しにくそうだったので、適度に離れては近づき、いろいろ聞かせてもらいました。


私が知っている話題だったら、口を出して、なんというかな、先入観として「日本と同じ」と思い込んでいることを崩す作業をしていきます。

例えば、

 韓国のセンター入試が話題になったグループで、学生さんのとっているメモには、飛行機が止まるとか、警察官が連れていくとか、試験科目が、とか、そういう話題はあったんですが、

カンニング防止の意味もあって、試験会場は前日にならないとわからない

てなことは、予想だにしないわけで、そんな話題を振って、日本の学生さんに話してもらいました。


 それだけカンニングする人がいるのだ、というマイナスの捉え方もありますが、

 前日に知らせるという形でも全国共通の試験が実施できるという体制づくりの見事さ、というプラスの捉え方もあるわけです。


 面白かったのは、

  あ?バイト先も、専攻も同じ!

 と驚いた学生さん。もっと普段からおしゃべりしようよ、と心の中では突っ込んでいました。


 グループでのおしゃべり、わずか20分ですが、大きな笑い声も聞こえてきて、気持ちのいい時間でした。


 一緒に話して、一緒に笑った経験は、学生さんの心の中に残っていってくれるんじゃないかな。

 残ってさえいれば、「あの国の人は」という考え方はしないはず。


 国民性や民族性よりも、個性のほうが大きい、というのは、これまで留学生に接してきて感じたこと。

 学生さんにも、同じ気持ちを感じてほしいと願っての活動です。


 年明け、「普通に」おしゃべりできるといいなあ。

 キャンパスで遠くから姿を見つけて手をふるって、それだけでも、ふってもらった方はうれしいもんだと思うよ。


今日の経験が、昨日までの自分を変える力になるとうれしいです。


留学生の皆さん、ありがとう!
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