小学生低学年の頃、遠足で、小学校の近くにある、カッパの湖という名の湖に行ったことがある。
ずっと、そう思っていた。
グリーングリーンをみんなで歌いながら、山の上を目指す。
その緑色の湖は、底なし沼だとか、恐竜や河童などが棲んでいるとか、噂の絶えない湖だと記憶していた…つもりだった。
高校になって、ふとそのことを思いだし、弟と自転車でその湖を目指した。
しかしどこにもそれらしき湖はない。
弟に言われた。
「兄ちゃん、その湖、夢の中でみたんじゃないの?」
不安になって、数人の同級生に、その存在について尋ねると、誰も知らない。
みんなの記憶がなくなっているに違いない。そう思っていた。
大人になって、そのことをまた思いだし、友達を連れて、昔の小学校を訪れた。車を停め、記憶をたどりながら、一日中、近くの山を探してみた。
いくら探しても、そんな湖は存在しない。
駄菓子屋さんで、昔、この辺りに湖がなかったか尋ねるも、手がかり一つない。
正直、夢だったのかと自分を疑い始めた。
確かに、僕はリアルな夢を見るし、低学年の時だから、妄想していた可能性はある。
それでも、河童の湖という看板、グリーングリーンの合唱、友達との湖についての会話、それ以上にあの湖の色。
それらが全て夢だとはどうしても思えない。
もしかすると、僕は不思議の国のアリスで、僕だけが経験したのかもしれない。
ずっと、そう思っていた。
グリーングリーンをみんなで歌いながら、山の上を目指す。
その緑色の湖は、底なし沼だとか、恐竜や河童などが棲んでいるとか、噂の絶えない湖だと記憶していた…つもりだった。
高校になって、ふとそのことを思いだし、弟と自転車でその湖を目指した。
しかしどこにもそれらしき湖はない。
弟に言われた。
「兄ちゃん、その湖、夢の中でみたんじゃないの?」
不安になって、数人の同級生に、その存在について尋ねると、誰も知らない。
みんなの記憶がなくなっているに違いない。そう思っていた。
大人になって、そのことをまた思いだし、友達を連れて、昔の小学校を訪れた。車を停め、記憶をたどりながら、一日中、近くの山を探してみた。
いくら探しても、そんな湖は存在しない。
駄菓子屋さんで、昔、この辺りに湖がなかったか尋ねるも、手がかり一つない。
正直、夢だったのかと自分を疑い始めた。
確かに、僕はリアルな夢を見るし、低学年の時だから、妄想していた可能性はある。
それでも、河童の湖という看板、グリーングリーンの合唱、友達との湖についての会話、それ以上にあの湖の色。
それらが全て夢だとはどうしても思えない。
もしかすると、僕は不思議の国のアリスで、僕だけが経験したのかもしれない。