食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『飽食の落とし穴』

2014年05月20日 17時00分00秒 | 日記

今年のカツオ漁は全くの不漁で平年の1/10しか水揚げがない。不漁の原因は当初、水温が上がらないためカツオが

遡上して来ないからだと言っていたが、今日のTVでは南の方で中国漁船が捕獲しているからだと言っていた。真

実はどちらか不明だが魚を食べる国が増え、回遊する魚が日本に来る前に捕られてしまったら今まで旬としていた

魚にお目にかかれなくなる。

理由は違うがウナギの稚魚、シラスの不漁と土用のかば焼き騒動に似ているし、捕鯨禁止、マグロ稚魚の捕獲制限

など魚にまつわる環境が日本にはネガティブに働いている。また世界の魚市場では中国が高値で買う相場が続いて

いる、つまり日本人ですら高値で手を出せないのに中国はそれが成り立つという。

一部の富裕層としても人口は日本の10倍、富裕層も10倍以上、また日本人と同等の所得を得ている人の数も多い

のだろうから高値でも中国が買う話も納得できる。

ならば海洋国日本の魚の自給率はどのようになっているのだろうかと調べてみると一部ではあるが、意外なデータ

があった。タコはアフリカから輸入していることは知っていたが第3位に中国があったのには驚いた。

第1位モロッコ、2位モーリタニアとなっていた。ならばイカは第1位中国、2位ペルー、3位タイ。

輸入の多いもので想像できるのは東南アジアからのエビ、カズノコは北米、ウニはチリなどである。スーパーなど

で買う生鮮魚介類の大半は日本産だが加工品、冷凍品は圧倒的に輸入品が多くなる。私たち日本人の食べる海産物

の多くも海外から輸入されたもので賄われている。

全世界人口の一握りの先進国が食糧・水などで贅を尽くす中、食料も満足に食べられない発展途上国の人たちがそ

の食を支えると言う皮肉な関係になっている。支える側にいた中国、インドなどの大所帯が支えられる側に移った

だけで事情が大きく変化するから、今後の国際情勢の変化は更なる困難を日本に与えることになる。

私たちは少しだけではあるが食糧難、粗食時代を経験しており、食べることの苦労と有り難さを良く知っているか

ら、我慢する事も耐えることもできる。また、食料となるべく魚の捌き、子供の頃は鶏の解体なども当たり前のこ

ととして経験しているから、肉とはどんな形で食べられるようになるか知っている。

今の時代は、食は選択の時代、それが当たり前を前提とした生活になっている。貿易収支の赤字が続き更なる円安

になり国力が低下したら、日本の食の環境がどのように変わるのか想像できない。なのに、飽食に浮かれている事

すら気づいていない。今から、そうした事を考えながら生きることを推薦しているのではないが、食料はスーパー

に行けば何とかなる・・・・これだけを身に付けた大人ばかりになった世の中で食料の危機管理ができるはずはな

いから、食の基礎を子供の時からしっかり教育すべきだと思う。

それなのに、学食で学生が食べたものをメールで親に知らせるサービスがあると聞いて驚いた。知りたがる親も親

だが、大学にいっていてそんなことまで親に管理して貰う学生に失望した。飽食の陰に潜む情けない話だ。


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