食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『大腸がんの知己』

2014年05月26日 13時35分53秒 | 日記

昨晩は大腸がんになり目出度く5年生存率の壁を突破した人と話をすることができた。以前、断片的な話を聞いた

ことはあるが詳しいことを聞く機会がなかったから、改めてその大変さを知った。

最初は便秘に似た症状で大それたことになるとは思っていなかった。ある日、横になっていてオナラがしたくなっ

たので思い切り頑張ってみたら、汚いことだが水便が出たように感じたのでトイレに駆け込んでみると出たのは、

水便ではなく血液が出ていた。突然のことでビックリしたのはいう事はなく、直ぐ様に病院に行って調べて貰った。

医師の開口一番『大腸がん、即入院』の言葉に返す言葉がなかったそうだ。

色々な検査の結果、大腸がんが進行して腸を殆ど塞いでいる。その時点では他臓器への転移は認められなかったが

リンパ節へは転移しているのが分かった。事前の抗がん剤治療をしないで手術、その後の検査などで心配していた

肺、肝臓への転移はないことが分かったと言う。

術後、経口剤の抗がん剤治療でリンパ節への攻撃を開始したが、副作用が酷く食事も満足に摂れない状態が続いた。

起きている時も、横になって休む以外に気力も萎え何もする気がなくなり生ける屍のような日々が続いた。それ自

体大変なことだが薬代は月に7万円近くもかかり経済的にも負担が大きかった。余りの辛さに薬の量を勝手に減ら

したこともあったが抗がん剤治療の効果には影響はなかったらしい。

抗がん剤治療の期間を聞かなかったが、手術で解決してハッピーになるはずだったのが副作用との闘いは術前では

全く予想もつかなかったことだから、治療を受けている意味を考えさせられた。このご仁、酒が好きで術前、術後

にも変わりなくしっかりと嗜(たしな)んでおられる。だが流石の八岐大蛇も抗がん剤治療の時だけは酒すらも全く

向かなかったと言うから、その辛さがよく分かった。

こうした苦労を経て今も尚、続いていることは薬による便のコントロール。大腸は1.5m~2mの長さがあり手術で

は20cmほどを切除しただけだから大きな影響はないだろうと、素人は考えてしまう。しかも同じ臓器だから再接

続するにも他臓器どうしをつなぐよりも不都合は少ないとも思う。

しかし、臓器の約10%を切除しただけなのに便の周期はバラバラで1日に10回以上あるかと思えば2~3日は音沙

汰なしになったりするようになった。便も下痢のような事が大半。

こうした不便を無くすために薬でコントロールするが、それも完全に制御できるものではないから、大事な予定が

ある時には食事の制限と絡めて調整している。これは一生続くことになる。

私は胃と食道を切除して異臓器同志を接続し大変な状態だと思っていた。しかし私の場合、食べる量は減ったもの

の食べる苦労から解放され、逆流という不都合はあるもの軽微だから、全体からみれば手術して救われたと言える。

しかし手術によりQOL(Quality Of Life、生活の質)が低下してしまい、症状を抱えていた時より辛い日々を送るこ

とになれば何のために手術をしたのか分からないことになる。現代医学の限界はこの壁を乗り越えるべく研究、挑

戦している。1日も早くその恩恵に与かれるよう祈りたい。


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