『省エネについて』
トルコ旅行の時、バスで移動中に日本と違う光景に気付いた。戸別の家に日
本では見慣れない煙突がある。 薄い金属製の煙突ではなく、ちゃんとしたレ
ンガ積みのようなものだ。家並みもマチマチで鉄筋コンクリート の大きな集合
住宅や古くからの家々と混在しているが、日本のようにゴチャゴチャではなく、
割と纏まっている。
最初、煙突のある家は珍しいのかと見ていたが大体の家にあり、どうも暖炉
に使われているようだ。これならクリスマスの時にサンタさんも古式豊かに出
入り出きる。
緯度や、肌で感じた寒さから推察するに、日本より寒くて特別な暖房が必要
とは思えないが、煙突から見えるのは、化石燃料に頼らない一助にはなって
いそうだ。
また、屋根の上には太陽熱温水器が目立った。日本でも見られる光景だが、
トルコの方が圧倒的に多くあっ た。これまた、日本より圧倒的に条件が良い
ようには見えないが普及率は高い。
内陸部からエーゲ海に抜けようとした時、ガイドさんの説明、『トルコでは地
熱発電に力を入れています』と。
紹介された所を見ると、湯気のようなものがモクモクと上がっていた。全体の
どれくらいが地熱発電かは分か らなかったが、他の場所にも沢山あるとのこ
と。 こうした自然エネルギーの利用は各国では積極的に利用されている。
もう20年以上前になるが、初めての海外旅行でアメリカに出かけた。当時ま
だ元気だったRayさんがSFや近郊を案内してくれた。町からちょっ と外れた
山並みには見事な風車が、延々と並びゆっくりと回転していた。余りの光景
に度肝を抜かれた。
当時は省エネだとか、新エネルギーだという感覚より、風車の並ぶ風景に
感心したが、今はそんな前から取り組まれていたことに唸らされている。
日本には資源もエネルギーもない国だ。そのために、一体どんな努力をし
てきたのか。どんな未来像を描きながらやってきたのか。
東電の原発事故から1年経過したが、原因はおろか、今後のエネルギー
政策のさわりさえ分からないまま、迷走し続けている。政治も、経営者も素
人まがいの日本の行く先は?