女装子愛好クラブ

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和服で初詣①

2024年01月03日 | ★女装体験記
さすがに本日は大事件はなかったですね。
元日、2日と親戚回りをしており、地元神社には本日初詣をいたしました。
コロナが明けたこともあり、ここ数年で一番の人出でした。
こうしたなか、『別冊くいーん 7号(1987年10月)』「女装告白手記~25人の体験実話」では、和装美女の久美子さんが素敵なお着物を着て、初詣した体験記が掲載されています。

着物に見せられた久美子さん、B面の姿で呉服店を訪問。架空の美女を作ってその子に着物をプレゼントするという設定で
初詣用の留めそでを作りました。
そして大晦日。後半歌合戦もうわの空で和服女装に取り組みます。

『和装美女の冒険』        久美子

 鏡の前に立って見ると、自分でも奮いつきたくなる様な美女が映っている。簪を差し変えたり、パフで白粉を叩き、紅筆で口紅のラインを修整したりしながら殆ど自己陶酔に陥っていた。気を取り直し、今度は着物の気付けを点検する。半襟の出方、抜き衣紋、帯揚げの左右バランスや帯〆め の歪み、お端折りの皺と下線を揃え ・・・・・・お太鼓の形や曲がりを直し、垂れの出具合を調整する。より美しくより 完ぺきなオンナになりたいと思ってす るこの様な仕草そのものに、女装の悦びが倍加するのである。

 化粧部屋になっている二階の座敷を 出て階段を降りるのも、いつもと違っ てトントントンとは行かない。着物の 裾が足にまつわるので自然と内股にな る。簪がキラキラ眼前にちらつくので 『ああ私は日本髪を結っているんだ』という喜びを実感出来る。
 銀箔の草履に白足袋の足を入れる頃 になって、急にガタガタと震えがきた。
 元旦の午前二時半、気温は多分零度 以下になっているだろう。凍てつくよ うな冷気が、厚く塗った白粉を透して肌をチクチクと差す。

 しかしこの震えは強ち寒さだけで はない。自分がこれからやろうとして いる冒険があまり世間に受け入れられるものでなく、寧ろそれと知られた場 合、嘲笑と蔑みの標的になるのは 明らかである。そんな事態になるかも 知れない危惧と恐怖がこの震えの原因である。
 しかし尚ガタガタ震えながらも決心を変えず玄関のドアを開けて表に出た。
 辺りは森閑として静まりかえり、近所の人の気配もない。遙か二、三百 メートルの先に人の影が見えるだけで ある。もう行くしかなかった。
 履き慣れない銀箔の草履を小幅に進めながら出来るだけ急いだ。着物の赤い蹴出しがハタハタと翻り深夜の街路燈に嬌めいて見える。
 さっき見えていた人は三人の若者で、 バイクを寄せて大声で話をしていた。 多分これから何処かへ遠乗りでもする 相談をしているらしかった。私が近づ くと一人が叫んだ。

「ヒエーッ! マブイーじゃん・・・・・・ちょっと彼女! 何処へ行くの? こん な夜更けに独りじゃ危ないよ」
「すげえー! こんな恰好してるのオ レ初めて見たよ。まるで花嫁みたいだ」「写真撮ってやるからちょっと寄って いきなよ。ネッ、いいだろう?」
私は三人の方へ軽く会釈して黙って 通り過ぎていった。
「チェッ、透かしてやがるのり お待ちしてるワヨ一」
以下、続きます。


怖かったでしょうけど、「マブイ」と言われたのだから、オンナとして彼らに認識されていたんですよ.....。


文章と画像の出所『別冊くぃーん7号』 1987年10月
コメント
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