女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

『かげま茶屋~ある女装役員の週末』(あとがき)

2024年07月07日 | 女装小説
おはようございます。
昨日はすごい雷雨でした。
自宅も瞬間停電しました。

コメントでご質問いただいたのですが、舞台のK町、H町のイメージはかなり前の横浜の黄金町と日の出町のイメージです。
ただ、いま町はきれいになりましたから匿名にしました。

個人的には50年前の池袋北口エリアです。
ここは旧青線だったところで間口の狭い飲み屋が軒を連ねていました。
終電を逃したので、そのなかにあった木賃宿に泊まったことがありますが、その間取りが今回サクラ嬢が春を売った桔梗の間のイメージです。
また、50年前に観た映画『青春の門・自立編』に新宿2丁目の赤線も出てきます。
美貌の娼婦カオル役は桃井かおりですが、その部屋も印象に残っていますのて、参考にさせていただきました。

五木寛之の小説にはないのですが、カオルはある客と睡眠薬を飲んで自殺を図ります。
その理由は「虚無感」.....。私はこのところに衝撃を受けました。
さすが浦山桐郎監督。







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かげま茶屋~ある女装役員の週末⑦

2024年07月01日 | 女装小説
 高層ビルの窓からからは朝日に輝く新宿の高層ビル群がよく見える。3連休明けの朝だというのに、私のメールボックスには各部からさまざまなメールが届いている。そのなかの一つに関連会社部の人事企画部長から「解雇予定者について」という稟議メールがあった。

「佐倉取締役に、子会社売却に伴う解雇予定者の一覧をご報告いたします。既に各人には内示済みです」という書き出しとともに20人の氏名と人事原簿へのリンクが張られたリストが添付してあった。リストの一番下にある男の人事原簿を開いたとき、一昨日の晩にK町で逢った男の顔が画面に現れた。

「いや、やめない...で....ください...」
 私の懇願の叫びが幻聴のように聞こえた。
「一発ぶちこみゃ..」
 男の野卑た言葉も幻聴のように聞こえた。
「ほらよ、チップこみだ」
 男が渡した皺くちゃの紙幣はまだ私の財布の中にある。

 しかし、それがどうだというのか。
 私はただちに『承認』をクリックすると、次のメールの処理にとりかかった。(完)

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かげま茶屋~ある女装役員の週末⑥

2024年06月30日 | 女装小説
 ピッピッピッ....
 枕元においたキッチンタイマーが鳴りだした。ショートの時間があと10分で終わるという合図だ。それを超えると延長料金だ。
 男の腰の動きが次第に激しくなり、私の身体の深くまで突いてきている。男の下腹が私のお尻にぶつかって乾いた音を立てているのがわかる。コンドームをつけた肉棒は根元近くまで私のなかに押し込まれていて、私は身体が破裂しそうな衝撃を必死に耐えていた。

「サクラちゃんよぉ、そろそろイクぞ....」
「きて、きて、きてぇぇぇ」
 男の腰の動きがさらに、力強く激しくなっていく。
「ほらっ、ほらっ、ほらっ..」
 男は四つん這いになった私のウエストを両手でつかんで固定させると、猛然と腰を打ち付けてきた。彼の爆発寸前の肉棒が私の「膣壁」を激しくこすっている。

「あああ....浮いている あああ...浮いている...こんなの初めてぇぇ」
「サクラ、いいぞ、すげえぞ...」
「もうだめだめ イク イク イク イクゥゥゥゥーーー」
 私は背筋をのけ反らせた。頭のなかが空白になり、目の前でフラッシュをたかれたようになる。絶頂感が、身体の中心を貫いた。

「あっ、いやっ! いやっ! くる! くる! くる!ー」
 男の肉棒が私の「膣」の一番深いところまで突き立てられた。そして、同時にそれがぴくぴくと痙攣しはじめた。私は大波のような女のオーガズムに呑みこまれたような感じがした。息ができない。目の前が真っ白だ。

「おおおぉぉぉぉぉぉぉ」
「いやぁぁぁぁぁぁ」
 筋肉質の汗まみれの男が狭い部屋の中で射精の咆哮をした。女装した私の身体の奥に、コンドームを隔てて男の熱い体液が何度も吐射された。それを受け止める私も雌獣になってしまっていた。

「いくっ、イクッ、イクゥゥゥゥゥゥゥ....」
 身体中の震えをまったく止められなくなった私は女のオーガズムを実感しながら、悦楽の地獄へ堕ちていってしまった....。
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かげま茶屋~ある女装役員の週末⑤

2024年06月29日 | 女装小説

 男は私を膝の上から下ろして、私を敷布団の上に四つんばいにすると、背後からスカートをめくりあげた。
 ヒップが露わになる。犬のスタイルで後ろからインサートされるのかと思うと、おぞましさとともに、背筋が粟立つような興奮をおぼえた。つい数時間前までは都心の高層ビルの個室で書類を見ていた自分が、女になって背後から男に侵犯される。こんなことがあっていいのだろうか。

 男は背後からそそり勃ったペニスを押しつけてきた。硬く無くなったペニスの感触。それを感じると私の劣情は一気に昂っていた。男は私に脚を開かせると、亀頭で秘蕾をこねるようにする。硬くなった男性器官の感触がアナルを刺激する。私は背筋をぴんと伸ばして、湿った吐息をもらした。
「あ... あああああ....」
 自分の声は既に女の声そのものになっている。その自分の声を聞いて私はさらに背筋がぞくぞくした。

「へへ、感じたようだな」
 男は枕元の籠のなかにある黒いコンドームをつけた。そして潤滑ゼリーを私のお尻のワレメの上から垂らした。透明なジェリーが菊門の上をゆっくりと流れていく。
「これで準備OKだな」
「ううっっ」

 男は黒い私の双尻を広げるとコンドームをつけたペニスを菊口に当て腰をぐっと突きあげた。男の昂りが私の体内に埋まってくる。
「ぐぅうぅぅぅーーー 」
 私は大声を出さないように唇を真一文字に引き締めた。
 しかし男は腰に力を入れ、根元までペニスを埋めてくる。鋭い快感が、下半身から衝きあがってきた。私は十本の指で敷布団をぎゅっと掴んだ。男の両手がウエストのあたりをつかみ、腰がぐいぐいと突きあげられる。
荒々しい挿入だった。
「ああーー、す..ご...いーーーー!」
獣のような形で交わっている男女を鏡台は映し出している。
作業服の大柄な男に背後からのしかかられているチャイナドレスの女がいる。それが私....。

 男のペニスは私の身体の奥深くまで埋没している。それでも、完全に根元まで埋まっている感じではない。
 男はゆっくり腰を引き、アナルの入り口あたりまでペニスを引き戻し、ふたたびゆっくり突き入れてきた。男のペニスが私の仮想の“Gスポット”に当たる度に、身体中が痺れるような快感を感じてしまった。

 「アッウゥゥゥゥー」
 これまで経験したことのない、ものすごい快感が駆け抜ける。
 男は徐々にピストン運動を速めていく。男の腰が動き、剛直したものが女装した私の「身体」に出入りするたび、“Gスポット”に当たるたび、電気ショックが走る。
 「ああーー いやあああーーーーー」

 私は思いきり叫び、チャイナドレス姿のままで身体を突っ張らた。男は私のウエストを両手でしっかりつかみ、腰の動きに強弱をつけながら、私のアナルをペニスで掻きまわしてくる。後ろから突きあげられるたび、ずんずんと鈍い快感が衝きあがってくる。私にも「ヴァギナ」があるかのように錯覚してしまう。いや、それどころか「子宮」までを感じてしまう。そして男の肉棒はその「予宮」を突きあげてくるのだ。

 私は過激なジェットコースターに乗って、急激なアップダウンを繰り加えしているようなオーガズムをおぼえた。絶頂感という無限の大きな暗闇に急降下していくようなジェットコースターに乗っているような感じだ。
「いや、いや、いゃぁぁぁぁ」
 初めての体験に拒否の言葉がついて出てくる。しかし身体は止められるわけがない。

「サクラちゃんよ、やめていいんかい、やめていいんかい、このままやめていいんかい」
「いや、やめない...で....ください...」
「そやろ、いいんやろ..、サクラよぉ」
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かげま茶屋~ある女装役員の週末④

2024年06月28日 | 女装小説
(いやだ!こんな男に抱かれるなんて....)
そんな私の気持ちはまったく知らず、男はショーツ全体に愛撫の範囲を広げ、そして私の身体はさらに熱くなった。
「ねえちゃん、身体は正直だということだよ。口ではいやいやといいながら、ねえちゃんのチンボは固くなってるよ」
男はそんな下卑た言葉を投げつけてきた。私の倒錯した快感を見透かしたかのようにだ。

「いや、そんなこと、ない....です」
「ふふ、事実だっぺ。どら、固くなったチンボをらくにしてやっか」
男は私の黒のショーツを荒々しく脱がせようとした。
私はいやいやをしながら、足をくねらせながら抵抗をしたが、まったくの無駄。
「ほら。ねえちゃんのパンティもぐっしょり濡れているぞ」
男は無遠慮に、ショーツの染みを私に見せ付けてきた。たしかに黒のショーツの前はカウパー氏液でベチョベチョになっている。

「そうら、と」
下半身が丸見えになった私を男は自分の膝の上に抱きかかえた。まるで幼児がおしっこをさせられるような格好だ。部屋の鏡台の中のにはチャイナドレスの女がいる。しかし股間には男の象徴物が屹立している女だ。
「恥ずかしい....。やめてください...」
「いいぞ、いいぞ、すごいぞ。いやあ、俺もよ、こんなところをみると昂奮するよ」
「ああ...」
「もっと、気持ちよくしてやっからよ」

男は背後から手を回して、私のペニスを大きな掌で包み込みこんだ。ゴシゴシと荒々しくしごきたてられるものだと覚悟したが、男は予想に反して軽やかでソフトな感触で愛撫してきた。それは快感のポイントを知り尽ている愛撫だった。さわっているか、いないかわからないような微妙なタッチであるのに、しっかりと強い力でペニス全体を包みこんでしごいていく。その愛撫でよけいに私は感じてしまう。

「あんっ」
 思わず口から呻き声がもれた。
(ああ、ダメ。こんなことで呻き声をあげてしまっては…)
 頭の中では必死に落ち着こうと思うが、快感はとまらない。同じく呻き声もとまらない。 
「おうおう、いい声がでるねぇ。感じているだよなぁ」
「ああっ、やめてください...」
「やめていいんかい?」
そういうと、男は右手の動きを止めた。しかし私の身体は正直だった。
「ああ、やめないで....ちょうだい...」
「ちょうだいだと...、お女郎さんのくせに上品な口をきくなよ。チョンの間で男に買われるだけの女郎だろ」
「いやぁ、そんなこといわないで」
「ほんとのことだ」
「.........」
「かっこつけても、ここじゃ何の役にゃたちやせんよ」
「いや...」
「頭の中じゃ、なにも考えんことよ。インテリさんはすぐに理屈をつけたがるが、現場で一発ぶちこまれりゃ吹っ飛ぶよ」

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かげま茶屋~ある女装役員の週末③

2024年06月27日 | 女装小説
「じゃ、ごゆっくり」
 寝具代という名目の入場料として5000円札1枚を押し頂くようにして受け取ったおかあさんは、電灯を消すと、襖を閉めて立ち去った。
 枕元のスタンドの明かりのなかで、私は初めてこの客をゆっくりと見た。40代の後半の男で、身長は180cm、体重は80kgくらいだろう。身体はがっしりして、顔も腕も真っ黒に日焼けしている。仕事はブルーカラーだとすぐわかった。会社の作業着を着ていて、胸のところには名字が刺繍されている。ここに来る前にお酒を飲んできたようだ。かすかに焼酎の匂いがする。

「よろしくお願いいたします」
「おうよ、まあ、なんだな。このくらい暗いと、まあねえちゃんも若く見えるな」
「あ、ありがとうございます」
「おれはよ、すこし、ムシャクシャしてるんだよ」
「どうされたんですか?」
「どーもこうもないよ。うちはよ、ほらM工業の子会社なんだけどよ、こんど売られちまうんだと」
「........」
「それでよ、45才以上はリストラだよ」
「.......」
「めでたく、俺も失業者だよ。来月から...」
 私は偶然に言葉を失った。子会社の社員がお客になったばかりか、リストラ対象になっているとは。そして、子会社売却の事業計画を作ったのは男の目の前にいる女装の売春婦なのだ。

「まっ、こんな話をしていてもねえちゃんには関係ねえことだよな。そんなことだから、まあ、サービスしてくれよな」
 こういうと、男は私に近寄り私を抱きしめてキスをしてきた。男の舌が私の口の中に侵入する。煙草のヤニの匂いにむせ返り、おぞましさが先に立つ。しかし男は構わずベロベロと私の口の中を舌でかき回す。
「ううっ...」
この声を感じていると勘違いしたのかもしれないが、男はチャイナドレスの上からバストを揉みあげだした。
「ああぁぁ」
パッドの上からの荒々しい愛撫だが、化粧をしている間から性感が高まっているので、私の身体は反応してしまった。

「えへへ、いい声だねえ、サクラちゃん」
「ヒィッ....。」
「なかなか感度が良いじゃないか!」
こういうと男は私を白いシーツが敷かれた布団の上に押し倒して、のしかかってきた。
「やめて..ください...」
「やめられねぇな...」
「ああっ、もっとやさしくして...」
「わかってるって」

 そういうと男は指先で肌に触れるか触れないかの微妙なタッチで胸全体を触ってきた。その微妙なタッチで感じてしまう。男は胸だけでなく、同時に脇腹や脇の下までも手を伸ばしてくる。私はこれだけでゾクゾクと鳥肌がたってきた。
「アン.....」
「感じてきたようだな。まだまだこれからだからな。」
男はチャイナドレスの裾からゴツゴツした手を入れてきた。
「あっ、やめてください」
「やめていいんかい。まあ、お前は俺に買われたんだから、身をまかせておきゃいいだよ」
だんだんと男の口調も野卑たものになり、潜んでいた攻撃性が表れつつあるようだ。

こういうと、男の手がショーツの上からすっぼりと私のペニスを包み込み、愛撫し始めた。私はそのおぞましさに、腰を振って逃れようとしたが足首は男の太い足で押さえ込まれている。私の右腕は男の左手で決められており、叫ぼうにも無理やり唇をふさがれている。男の太い指は黒のビキニショーツの上から私のペニスを荒々しくしごいている。
「いや、いや...」
女性がレイプされる感覚はこういうことなのだろう。

 表通りをダンプカーが通った。ガタガタと部屋が揺れる。こんな場末の木賃宿の狭い部屋でブルーカラーの男にのしかかられている自分が情けなくて堪らない。
 女装者の性も悲しい。心とは裏腹に下半身が悦び始めているのも現実なのだ。そう、昂奮して固くなりだしているのだ。

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かげま茶屋~ある女装役員の週末②

2024年06月26日 | 女装小説
 鏡台の前に座って、サクラに変わっていく作業が始まった。
 まずスティックファンデーションで髭の剃り後を消した。カバー力の高い油性ファンデーションを毛穴の中まで入り込ませるようにパッテイングをして下地を作っておくのだ。そしてその下地の上にクリームファンデーションを重ねて上品な艶肌に仕上げる。次にパウダリーファンデーションを優しく丁寧にはたいていく。変身中の自分を鏡の中に見ながら無心にファンデーションを塗る瞬間はなんとも言えない幸福感なのだ。しかし、さすがに厚化粧だと自分でも思ってしまう。しかしこれでいいのだ。桔梗の間の中でしかお客と会わないわけで、そして部屋の中は枕元のスタンドライトだけの薄暗さなのだから。

 お化粧がここまでくると鏡台の前には佐倉という男はいない。サクラという女に替わっている。
 メーキャップパレットを出し、まずは目から仕上げにかかる。アイシャドーとアイラインは濃すぎるくらいにするが、そうしないと暗い照明の下では表情がでない。そしてチークはピンク系を使うことにした。そして口紅もすこし派手めのレッドだ。レッドという色は、化粧品を買ったことのない親父が空港の免税店で娘にお土産で口紅を買うときの定番の色だ。しかし娘は「こんな派手な色なんて、キャバクラ嬢しかつけないわよ」といって全然使わない。
 しかし私はキャバクラ嬢よりも堕ちた女装の売春婦に変身しているのだ。こんな自分には派手な赤の口紅がお似合いだ。

 リップブラシで唇の形を整え終わったころ、階下からおかあさんの呼ぶ声がした。
「サクラ、いつまでもお化粧しているんだい? もうできたかい。お客さんがお待ちかねよ」
「はーい、すみません」
 化粧を終えた私は声までも女の声になっている。私は慌ててウィッグをかぶると、黒のブラとショーツとスリップをつけた。今日はランジェリーは黒と決めていたのだ。ガーターベルトで黒のシーム・ストッキングを吊るした。そして先月、上海に出張した時に買った黒のチャイナドレスに身を包んだ。こういうときは、自分が163cmという小柄なのが役に立っている。女性の9号がぴったりだ。
 鏡台のなかにはやり手のエリート役員はいなかった。そこにいるのはこれから男に買われる年増の娼婦だった。

 階段を上がってくる音が聞こえると、私は部屋の入り口に正座して、指を畳みにつけてお辞儀の姿勢をとった。
 桔梗の間の襖が開いた。
「サクラちゃん、お客さまだよ」
「いらっしゃいませ。サクラと申します」
 私はお辞儀をしたまま、ご挨拶をした。
「なんだあ、おばさんじゃねえか。若い子はいねえのかよ」
「ごめんなさいね、今日は金曜日でしょ。若い子はみんな売れちゃってるのよ」
「しかたねぇなぁ」
「その代わりね、この子はね、まだまだおぼこいの。年はそれなりだけど、女装はつい最近だからね。初々しいよ。それに締まりも最高なの」
「そうかあ、締まりがいいのか、このねえちゃんは..」
「それはもう、もちろん。ねっ、サクラちゃん。一生懸命サービスするんだよ」
「は、はい...」
 買われるとはこういうこと。私はこの屈辱に身体の奥底がジーンとしてしまった。


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かげま茶屋~ある女装役員の週末①

2024年06月25日 | 女装小説
『女装管理職デビュー』という妄想AVに触発されて、久しぶりに女装小説を書いてみました。
とはいっても、20年前に書いていた小説に少し手を加えたものです。
私の初代のブログにアップした記憶はありましたが、こちらのブログの女装小説カテには入れていませんし、
また大昔につくったfc2のHP「女装小説」にもアップしていません。
古くからのご愛読者はご記憶があるかもしれません。

主人公は大会社の若き取締役。仕事ができる切れ者で40代で役員になり、将来の社長候補です。
しかし彼には人にも家族にも話せない秘密がありました。
それは女装して横浜の某所に行っていることです。
20年前に書いた小説で今回は主人公の名前を変えました。
ご笑覧いただければ幸いです。


「明日から3連休なのに、接待ゴルフというのも大変ですね」
 社用車の運転手である大沢さんが同情したように言ってくれる。
「そうなんですよ、経済産業省と財務省の若手官僚なんですけどね、僕のゼミの後輩にあっていましてね。『たまには先輩、ゴルフでも誘ってくださいよ』とせがまれましてね」
「後輩思いなんですね、さすがだ、佐倉取締役は」
「いやいや、わざわざ伊豆まで行くのは、正直な話、億劫ですよ。ま、クラブは先に宅急便で送ってありますけどね」
「伊豆ですか....。新幹線ですか? 踊り子ですか?」
「たまには在来線でいこうとおもって、秘書室には踊り子のグリーンを取ってもらってますよ」
「わかりました。じゃ、丸の内口につけますね。そっちの方が近いですから」
「ありがとう」
 数分後、黒のクラウンは東京駅南口のKITTE前に到着した。トランクからボストンバックを取り出した大沢運転手は「気をつけていってらっしゃいませ」と最敬礼で私を見送ってくれた。
 数分後、私は予定通り15番線ホームから伊豆急下田行きの踊り子号に乗車した。しかし、私は素知らぬ顔で横浜駅で下車したのだ。そして駅前にいるタクシーに乗り込むと行き先を「K町に...」と告げた。
 K町からH町に向かっては赤線の生き残りのような妖しげな飲み屋が立ち並んでいる。しかし、これから私が行こうとしている場所はそこからすこし奥に入った古い住宅やアパートが立ち並ぶ一角にある。昭和40年代に建てられた木造の商人宿を誰かが買い取ったといわれているが、詳しいことはわからない。ここだけ時代から取り残されたような雰囲気で、街灯も少なく暗い闇に包まれている。
「遅かったじゃないの、サクラちゃん」
「ごめんなさい、おかあさん。会議が長引いちゃって」
「あんたが会社でどんなに偉くても、ここじゃお女郎さんのひとりなんだからね。それもさ、もうすぐ45になろうという年増の女郎なんだよ。きちんと早くきて、すこしでもきれいにみえるようにお化粧しておかないとだめじゃない」
「すみません....」

 私はこれでも虎ノ門の高層ビルに本社があるM工業株式会社で経営企画担当の役員をやっている。MITのMBAをもっているし、賞与の査定時期には300人の評価票にサインもする。今週はずっと若手のプロジェクトチームと関係会社再編の戦略会議をやっていたくらいだ。1000人くらいがリストラされることになるだろう。
 しかし、60年も水商売をしているおかあさんから見れば私なんか子供なのだ。戦略会議なんかより、今日のお客さんの入りのほうがよっぽど重要のはずだ。帳場にいるおかあさんの厳しい視線を避けるようにして、私はあわてて階段を登った。それをおっかけるように、おかあさんの声が響いた。
「はやくお仕度しなさいよ、お風呂もちょうど空いているし。お部屋はね、今日は桔梗の間ね」
「はい...」
「それとね、いつものように潤滑ゼリーをたっぷり入れておくのよ。サクラちゃんのあそこに...」
 桔梗の間といっても8畳の狭さだ。窓際に鏡台、壁際に白いシーツが掛かった布団と枕が二つ。そして枕元にスタンドライトと桜紙があるだけの殺風景な部屋。背広を着たままの私は鏡台の前にストンと正座した。
「どうして、こんなことをしているんだろう....」
 収入も地位もある自分が、女装して場末の売春宿で身を売っている。妻と子供には「伊豆で接待ゴルフだ」と嘘をついて、金曜日の夜から土曜日の朝まで女郎になっている。MBAやコンサルタントや会計士なんかを思うように使っている自分が、日焼けした汗臭い肉体労働者たちに抱かれている。ここに来るたびに私は必ず自問自答してしまう。
でも回答は簡単、嫌ならここに来なければいい。しかし、私はここに来てしまう。何かの魔性に取り付かれているとしかいえない。




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トランスジェンダー サトミの新宿日記: -女装バー ジュネへ通った九年間の日々-

2024年06月16日 | 女装小説
読者の方に教えていただいた本です。
著者・小谷理美さんのお名前は以前から存じ上げていました。
昭和末から平成の新宿・女装バーを題材とした小説のようです。
オンデマンドのペーパーバックです。

トランスジェンダーの著者が、昭和末から平成の時代に新宿の女装バーへ通った日々の日記小説。性的マイノリティーへの理解が乏しかった時代に、苦しみ、悩みながらも仲間と出会い、自らの心のままに生きてきた体験をもとに書き上げた作品。偏見に満ちた世間の目をかいくぐりながらも、性をトランスすることでバイタリティーをもって、したたかに生きてきた人々がかつて存在したことを知ってほしい。

トランスジェンダー サトミの新宿日記

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昭和43年『風俗奇譚』の女装小説『蒼い岩漿』⑩

2024年02月17日 | 女装小説
いよいよ最終回です。
伸子は大場の加虐に愛を感じながら眠りに落ちていました。

“女”の身だしなみ

大場の体の重みで、伸子は深い眠りからさめた。情事の後のけだるさと快感の余韻がま だ全身に残っていた。 責め疲れた大場は、やや衰えてはいるが、それでもまだじゅうぶんに硬度を残している それを、伸子の後ろに密着させたまま、快い 寝息をたてていた。
伸子は、大場の眠りを防げないように静か に体を離すと、ベッドの外に出た。
激しかったプレイを物語るように散乱しているかずかずの責め道具をかたづけてから浴室に入った。浴槽の間はすっかり冷えていた。 あまり大きな音を出さないように気を配りな がら、新しい湯を入れ替えて、静かに体を沈めた。

高い位置につけられた窓から見える夜空が 夜明けの近いことを教えていた。
伸子は肩まで湯の中に改め、現在の充実した生活に満足していた。最初のうちこそ、変形された大場の愛情の表現にとまどいを覚えたが、巧みな大場の飼育に助けられ、どのような加虐的な責めも受け入られるように育てあげられた自分を、持って生まれたマゾ的な性格のものだけだとは思っていなかった。 打ちおろされる一振りの鞭にしても、その中に大場の自分に対する愛情がこもっていなかったら、おそらく肉体に加えられる鞭の痛さに耐えることができなかったであろう。
献身的な伸子の行動は、自分への愛情を信じ、大場への愛の芽をそっと伸ばしたいと願いと心情のあらわれだった。

伸子は体にバス・タオルを巻いて三面鏡の前にすわった。
湯上がりの肌に化粧ののりはよかった。
極限にまで責め抜かれ、乱れた顔を直し、 新しいパンティーとブラジャーを身に着けた伸子に、愛情を疑わない若々しい張りがあっ た。何年間かの百合江との結婚生活が、どのような行為が男性にきらわれ、どうすれば男 性によい感情を得られるか、貴重な体験となっていた。

閨房のベッドの中で迎える朝、化粧のはげた女性の姿を見た時、急にしらじらしさを 覚えるのが男性の常だった。前夜の情事の営みが激しければ激しいほど、哀れた女の寝顔は見苦しいものだった。
それを知っている伸子は、夜を迎えた時とか同じ美しい姿で朝も迎えたいと願っていた。
夜明け前に一度起きて鏡に向かうのも、そ のためだった。創造された偽りの女性像であ るだけに、細心の注意をはらっていた。そういった伸子の気持ちが、なにげないしぐさの一つ一つにあらわれて、大場の心を大きくひきつけていた。

伸子は、完全な女性になりたいと願っていたが、男性の身である自分に悔いてはいなかった。男性であるために、冷静に女性を見つめ、理想の女性像に近づけるのだ、と信じていた。
すべての女性は男のためにあるといっても 過言ではない、と思っていた。
男の愛玩具になりきり、男が満足したとき初めて女のよろこびが生まれるのだという気持ちが、苛酷な大場の加虐に耐え、みずからも官能の世界の中で果てることができる原因だった。

快い香水の香りを漂わせながら、伸子は再びベッドの中に入った。無意識のうちに大場が体を開いて伸子を迎入れた。
伸子は大場の胸の中に顔を埋めながら、静かに目を閉じた。
幸福感の絶頂にあった。完

出所 風俗奇譚 昭和49年3月号~4月号


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男性であるために、冷静に女性を見つめ、理想の女性像に近づけるのだ、と信じていた。
すべての女性は男のためにあるといっても 過言ではない、と思っていた。
男の愛玩具になりきり、男が満足したとき初めて女のよろこびが生まれるのだという気持ちが、苛酷な大場の加虐に耐え、みずからも官能の世界の中で果てることができる原因だった。
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この最後の文、奥が深いですね。
これを言いたいがために作者・鹿島一人氏は伸一を伸子にし、そしてロープ、蝋燭、バイブというフルコースでその官能を花開かせたのかもしれません。
簡単でも結構です。
ご感想などをコメントでいただければ幸いです。
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