女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

昭和末期の女装バーで③

2024年01月23日 | ★女装体験記
さあ、女装子さんのスカートのなかに手を侵入させた男性はどんなテクをつかうのでしょうか。

しかし、だんだんとエキサイトして イッてしまっては後がつまらないし、 第一、洋服を汚してしまうので、その 瞬間には両手でストップがかかり、一休みしてまた再開する。
彼女達は、 こちらが要求しない限り、プロのホステスのように当方のものに自分からは手を出さない。
一度「握らせて」という 彼女の要求に、オープンしてやったところ、いきなりくわえられたのには驚いた。
よほど興奮したのか飢えていたのであろう。

ある時、ちょっと太目の肉付きのいい彼女に会い、後から彼女の尻を愛してやると、ふとしたはずみで私の指が 彼女の穴に入ってしまった。
彼女も突然のことで驚いたようだったが、案外 スムーズに入ったので、思いきって人差し指の根元までズブリと入れてみた。
その瞬間、彼女は「イイッ」と云い、 モジモジと尻を動かしたかと思うと、 私の指の根元をグイッグイッと締めつけてきた。
十分間ぐらいそのままにしてやったら、彼女のものも最高にエレ クトしてきた。よっぽどよかったのであろう。

こんなこともあった。SM雑誌を前にして話をしている時、そっと彼女の 両手を後ろにまわして手首を重ね「どうこんなの」というと「うん」とうなづくので、大版のハンカチでキッチリと縛ってやると、目をトロンとさせて最高の喜びようだった。

そのほか色々な遊びをやったが、くいーん誌にも誰かが書いてたように、女装とSMは表裏一体で、女装の経験をつむほど、女装して「男に愛された い」「責められたい」「犯されたい」という被虐の感情を持つようになるようだ。
それを人によって適度にとり合わせてゆくところに女装者との遊びの面白さがある。

だが、ふたりっきりの密室でのプレイを私は感心しない。
一度、誘われて 行ったことがあるが、彼女がセックスに夢中になりすぎて、あけすけに迫ってくるのに対し、私はなぜかシラけた気分になってしまった。
やはり女らしさ、女としての一番大切な羞恥心がなくなると、どうしても味気ないものになってしまう。
他の人に見られるのではないか、恥かしい、という心と姿が男性にとって最大の興味であることを忘れてはならない。(了)


>他の人に見られるのではないか、恥かしい、という心と姿が男性にとって最大の興味であることを忘れてはならない。
これも同感ですね。
羞恥心を解きほぐして、女の快感を味合わせてあげることが、女装子愛好男子の務めでございましょう。
まあ、私はホテルのツインルームでの密室プレイも好きですが....。
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昭和末期の女装バーで②

2024年01月22日 | ★女装体験記
おはようございます。
昨日の冷雨とちがって、今日は天気がよさそうですね。
さて続きです。

そして次には直接の行為だが、二重 三重に防護された障壁をとり除くのは ひと苦労。
無理して強引に手を突っこんでもダメ。ちょっと腰を浮かせて パンストごとズリ下げるか。
一番良いのは後へ手を廻して尻の方からバンストごと下げて、それから前の方へ手を入れる方法だ。

この段階になると、彼女等のものも相当の硬度をきたし、長い時間キュークツな場所に収められていた反動か、勢いよく飛び出してくる。
ヂットリと汗をかき、中には先端から粘液をにじみ出させてる人もいる。
こうして、ずいぶん多くの彼女達のものを手にした が、面白いことに意外に巨根の持ち主が多い、しかし反面、小さなまるで小児のような人もいれば、完全な包茎の人もいる。

皆、当然興奮して、私の手の動きに応じて巨根はますます巨大に隆々となり、スカートに天幕を張るようになる。
あわててハンドバックなどを膝の上に 乗せてカムフラージュしようとするが 間に合わない。
けれども、まわりのどのカップルも似たようなことをしているので、今度は安心してこちらのなすがままにまかせる。
そして今にもイキそうになるのを必死にこらえ、肌に喜悦の表情を浮かべて、時々ピクピクッと 上体を震わせる。
この時の表情と仕草は何とも云えない。私の遊びの最大の楽しみはここである。
  出所 くいーん 44号



>そして今にもイキそうになるのを必死にこらえ、肌に喜悦の表情を浮かべて、時々ピクピクッと 上体を震わせる。
この時の表情と仕草は何とも云えない。私の遊びの最大の楽しみはここである。

ここですよ、ここ
ここが女装子愛好男子の醍醐味です!!
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昭和末期の女装バーで①

2024年01月20日 | ★女装体験記
おはようございます。
曇天ですね。
降雪は回避されたようですが、明日は大雨のようです。
まあ、こんな日はネットサーフィンしてみてください。

国立国会図書館でコピーしてきた『くぃーん』誌をよんでいると、私と同じく女装子愛好男子O氏の投稿を見つけました。
掲載されたの1987年つまり昭和62年10月号。
バブル経済真っ盛り、そしてこの1年3か月後に昭和が終わります。
ネットも携帯もない時代のことです。

女装者の集るバーで①

 新宿に’J’という女装者がよく集る小さな小さなスタンドバーがある。7、 8人も入れば満員になる店で、夜の十 時頃にもなると、ほとんどいっぱいに なる。客は女装者と男性が半々ぐらいだが、その男性連も、かつては女装経験があるか、よく女装して来るが、その日たまたま男装できたという人で、全員が女装愛好者と言っていいだろう。そのせいか、ほとんど常連で顔なじみも多く、いつも賑やかなムードである。

 私もかつての——組であるが、時々いっては彼女らと楽しいひとときをすごしている。同じ女装者でも、メイク や服装によって、日毎夜毎にガラリと 雰囲気が違うのが面白い。中でも女装経験の浅い人や、その日初めて女装してこの店に来た人などに巡り合うと、 私は無上に嬉しくなってしまう。

 緊張してコチコチになっているウブな女装者に対し、完全な女として接す あと、こちらもすごく感激し興奮してくる。私が彼女達を上手にリードして、女装の醍醐味をしらしめてやるのも楽しみの一つだ。彼女達の職業は、私が接した範囲ではコンピューター関係のエンジニアやイラストレーター、ライターそれに教師や公務員が多く、年齢も30代から40代の人が主で、会社の管理職クラスの人も相当居る。

 狭いカウンターの中では、肩が触れ んばかりにして、色々と話をする。彼女らは余りしゃべりたがらず「ええ」 とか「そう」の簡単な返事だけで、やたらにアルコールや煙草を口にする。 当方が煙草をつまむとすぐにライターで火をつけてくれたり、サービスも良い。しゃべらないのは自分の声色を聞かれたくないのと、とっさに女言葉が出てこないせいであろうか。顔もほとんど正面を向いたままである。

 テーブルの上のクィーンやSM雑誌 などをパラパラめくりながら話してるうちに、私の手はどうしても女装者の腿に行ってしまう。最初はスカートの上から、ついでその下に入って靴下の上から太腿をゆっくりとなで、次に要点に及ぶ。拒否する人はまずいない。 ベテランになると靴下をガーターで吊り、その上からショーツをはいているが、多くはパンストをはき、その下にピッチリしたビキニのショーツをはいている。又、その上からガードルをはいて締めつけてる人もいる。そして男性自身はボールを下向きにして、股間に挟んで小さく収められてる場合が多い。それでもモッコリとした上から軽くもむと、ムクムクと膨張してくるのがわかる。(続く)


O氏は私の大先輩ですね。
同じプロセスを踏襲させていただいています。

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和服で初詣③

2024年01月05日 | ★女装体験記
和服美女の久美子さんは、参拝を終えると露店を冷かします。
店主とのやりとりにも余裕が感じられます。
しかし、帰路に知り合いのお寿司屋さんとすれ違うことになってしまいます。
果たして、リードか?パスか?

 その代り自宅近くで、知っている人に出逢ってしまった。稀に行く駅前の すし屋のマスターが、矢張り三人連れ でこちらへ向かって来たのである。生憎脇道がないので逃げるわけにいかず、 仕方なく伏し目がちに擦れ違った。
 マスターの連れが 「凄い美人だ!どこの女だろう?」 「ほんと、本格的な支度だね」
 そんな会話をしながら、三人の目が 一斉にこちらに注がれた。気のせいか すし屋のマスターの目が、何かを言い たげに瞬いた。まさか?とは思った が、それは私の取り越し苦労らしかっ た。後日そのすし屋に行った時、格別 それらしい問い掛けがなかったからである。

 こうして何とか自宅に着いた私 は、寒さなんか何処へやらで、只ぐったり神経が擦り減っていた。取りあえず二階の化粧室に入り、三面鏡のス ツールにかけて鏡に映る自分を見た。 真白に塗り上げた顔や襟は、絖を湛えた青磁器のようにしっとりとし、メイクアップした眼や唇なども出掛ける時のままの美しさである。

 着物の方も、帯揚げが少し乱れお太 思う程度で、鼓が一寸下がったかな? 衿元や着付けも確かりしていたし、高島田も沢山の髪飾りも異常なかった。

「くみ子! とうとうやったね…………大成功だよ」
私は鏡の中の美女に賛辞を送った。
「有難う、最初はどうなるかと心配したわよ。でもあなたのお陰で成功する ことが出来たのよ。もう一度言うわね、 本当に有難うございました」

その夜、私はそのまま帯ひとつ緩めずず、盛装した女装姿を写真を撮ったり、狭い庭から初日の出を拝んだりした。そして女として冒険に成功した一里塚を心に刻む為に…………そして今後より女らしく美しい女装に励みをつける為に、お屠蘇で乾杯をした。

>そして女として冒険に成功した一里塚を心に刻む為に…………
女装子さんにとって外出は冒険です。
そして和服を着て混雑する神社に初もうでに出かけることはさらに大冒険です。
久美子さんはこれをサポート役の男性をおかずに行ったのですから、これは大大冒険です。

久美子さんの手記は昭和50年頃です。
このころは、お正月に晴れ着を着た女性を初詣や神社でもよく見かけたものです。
しかし、令和の現在、お正月ですが晴れ着の女性をみることはとんとなくなりましたね。
時代が変わっているのですね。


文章と画像の出所『別冊くぃーん7号』 1987年10月


追記です。
Xで着物だいすきのめいさんも初詣されていました。
https://x.com/metarion1/status/1742662692559822899?s=20
Xでは令和の着物女装子さんが活躍されています。
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和服で初詣②

2024年01月04日 | ★女装体験記
承前です。
和服美女の久美子さん、不良3人組も軽いなして、さあ神社に参拝です。
出所は『別冊くいーん 7号(1987年10月)』「女装告白手記~25人の体験実話」です。


 そんなワルを後ろに聞きながら神社へと急いだ。神社の近くになると、もう、人人が密集して、川の流れ に乗った様に参道から境内へと暖い込 まれていく。当然私もその中に入って 歩いたが、予想通り格別に扱われることなく、無事に拝殿前に進む事が出来た。勿論私の周囲にいた人を擦れ違う人々は一様に驚いた表情で、私の濃い化粧の顔や今時珍しい高島田に結った髪や派手な着物に見とれて立ち止まって見る人々の中で、わざわざ振り返ってじっと見詰めていた中年の女の視線が気になった。案の定連れの男性に何事か囁いていた。

 その時の様子と女の眼差しから推測すると、私の正体を知ったらしく 「……あの人オカマよ。絶対そうよ」とでも言っているらしかった。
(いいのよ。何とでも仰言いな。本当なんだから口惜しかったらご自分 もお洒落してみたら・・・どっちが綺麗か競争しましょうよ。悪いけど男の私の方が勝ちに決まってるワヨ)
 そんな台詞を胸の中で呟いて、意地悪な女から受けるプレッシャーを防ぐしかなかった。

 拝殿前の人混みの頭越しにお賽銭を投げ、両手を合わせて 「帰り途の無事ともっと美しい女が 出来ます様に」と祈った。
 帰路「女装参指 の記念に」何か購おうと思い、立ち並ぶ売店の一つに立ち寄った。電球が晃々と照らしている店先に立つのは、正体が暴る怖れが充分にあったが、その時はその時と開き直っ て、スーッと近づくと印半纏もイナセな兄ちゃんが元気な声をかけた。 「へい、らっしゃーい、お嬢さん綺麗 ですねー、一つ如何ですか? この獅子はとっても縁起がいいんだよ。この大きな口で彼氏のムスコを噛むと、後が良くなるよー。そりゃ冗談だけどウハハハ」

  私もつられて微笑みながら低い声で
「その小さいの敷くワ。お幾ら?」
「これは三千だけど、お嬢さんがあんまり綺麗だから二千に負けちゃうよ」
「悪いワネ……………じゃあこれ」
 私はピンクにマニキュアした指で、 千円札二枚を差しだした。
 彼は獅子頭を包みながら言った。「わたしゃ吃驚しましたよ、お嬢さん あんまり綺麗なんでね。それにしても 近頃の女は駄目になったね。ジーパン かミニスカートばかりはいて······あっ どうもお待ちどう様でした」
 お世辞半分であっても、彼は私を再三「綺麗だ、綺麗だ」と言ってくれたの で美しい女として認められた満足感が胸一杯に広がり、やや自信めいたものを感じた。 帰り道に例の三人の若者がいるといやだなと心配したが、幸い何処かへ行ったらしく居なかった。
 以下、続きます。


>わたしゃ吃驚しましたよ、お嬢さん あんまり綺麗なんでね。
テキヤのお兄さんも気づいていたと思いますよ。
でも、それをいっちゃあお仕舞いです。
テキヤさんはお客様をいい気持ちにしてなんぼ。
世辞のひとつも女装子さんにもかけますわな。
そういうときは、久美子さんのように有難く受け止めればいいんです、


文章と画像の出所『別冊くぃーん7号』 1987年10月

怖かったでしょうけど、「マブイ」と言われたのだから、オンナとして彼らに認識されていたんですよ.....。
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和服で初詣①

2024年01月03日 | ★女装体験記
さすがに本日は大事件はなかったですね。
元日、2日と親戚回りをしており、地元神社には本日初詣をいたしました。
コロナが明けたこともあり、ここ数年で一番の人出でした。
こうしたなか、『別冊くいーん 7号(1987年10月)』「女装告白手記~25人の体験実話」では、和装美女の久美子さんが素敵なお着物を着て、初詣した体験記が掲載されています。

着物に見せられた久美子さん、B面の姿で呉服店を訪問。架空の美女を作ってその子に着物をプレゼントするという設定で
初詣用の留めそでを作りました。
そして大晦日。後半歌合戦もうわの空で和服女装に取り組みます。

『和装美女の冒険』        久美子

 鏡の前に立って見ると、自分でも奮いつきたくなる様な美女が映っている。簪を差し変えたり、パフで白粉を叩き、紅筆で口紅のラインを修整したりしながら殆ど自己陶酔に陥っていた。気を取り直し、今度は着物の気付けを点検する。半襟の出方、抜き衣紋、帯揚げの左右バランスや帯〆め の歪み、お端折りの皺と下線を揃え ・・・・・・お太鼓の形や曲がりを直し、垂れの出具合を調整する。より美しくより 完ぺきなオンナになりたいと思ってす るこの様な仕草そのものに、女装の悦びが倍加するのである。

 化粧部屋になっている二階の座敷を 出て階段を降りるのも、いつもと違っ てトントントンとは行かない。着物の 裾が足にまつわるので自然と内股にな る。簪がキラキラ眼前にちらつくので 『ああ私は日本髪を結っているんだ』という喜びを実感出来る。
 銀箔の草履に白足袋の足を入れる頃 になって、急にガタガタと震えがきた。
 元旦の午前二時半、気温は多分零度 以下になっているだろう。凍てつくよ うな冷気が、厚く塗った白粉を透して肌をチクチクと差す。

 しかしこの震えは強ち寒さだけで はない。自分がこれからやろうとして いる冒険があまり世間に受け入れられるものでなく、寧ろそれと知られた場 合、嘲笑と蔑みの標的になるのは 明らかである。そんな事態になるかも 知れない危惧と恐怖がこの震えの原因である。
 しかし尚ガタガタ震えながらも決心を変えず玄関のドアを開けて表に出た。
 辺りは森閑として静まりかえり、近所の人の気配もない。遙か二、三百 メートルの先に人の影が見えるだけで ある。もう行くしかなかった。
 履き慣れない銀箔の草履を小幅に進めながら出来るだけ急いだ。着物の赤い蹴出しがハタハタと翻り深夜の街路燈に嬌めいて見える。
 さっき見えていた人は三人の若者で、 バイクを寄せて大声で話をしていた。 多分これから何処かへ遠乗りでもする 相談をしているらしかった。私が近づ くと一人が叫んだ。

「ヒエーッ! マブイーじゃん・・・・・・ちょっと彼女! 何処へ行くの? こん な夜更けに独りじゃ危ないよ」
「すげえー! こんな恰好してるのオ レ初めて見たよ。まるで花嫁みたいだ」「写真撮ってやるからちょっと寄って いきなよ。ネッ、いいだろう?」
私は三人の方へ軽く会釈して黙って 通り過ぎていった。
「チェッ、透かしてやがるのり お待ちしてるワヨ一」
以下、続きます。


怖かったでしょうけど、「マブイ」と言われたのだから、オンナとして彼らに認識されていたんですよ.....。


文章と画像の出所『別冊くぃーん7号』 1987年10月
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1973年の女装子&愛好男性のクリスマスパーティー

2023年12月26日 | ★女装体験記
おはようございます。
小川麻美さんの外出記はいかかでしたでしょうか。

すみれさん、お元気になられたことでしょう。
同じく国立国会図書館から研究資料としてコピーしてきた『風俗奇譚』に、その夢野スミレさんがクリスマスパーティの模様をレポートしています。
いまから50年前のクリスマスイブに富貴クラブで開かれたパーティです。

パーティーより愛をこめて 夢野スミレ  風俗奇譚 1974年4月号

 ●Xマスパーティーより
 あたしのことを見つめてくれるかたがいるかいないか。だって、こんな大ぜいのかたがただもん、おひとりぐらいは……。そのために今日は、初めてのロング・ドレスよ。(美樹のミニはまた短くなったけど)

 それにクラブのおじ様がたはみんな気前のいいかたばかりで感激。30センチもあるXマス・ケーキや、シャンパン、ワイン、アイスクリーム。そんなさし入れで長いテーブルの上はいっぱい。大人のムードで今夜はと思ってたのに、もうダメ。バイキング料理が出たら、麻美や美樹につられて乙女のわきまえも忘れちやったの。陽気なジングル・ベルもいけないのかもね。

 お食事が一段落ついて、皆さん、さすがにその気勢にうたれたのか、知らないまに消えてしまうの。アレレと思ったら奥のお部屋のここかしこ。クリスマス・サービスかしら。゛
 暗くなったお部屋のすみずみにキャンドルがともって、いつのまにかできたカップルがひっそり。クリスマスは本来、静かなものですものネ。

 でも、中には、フッと灯を消して何やら、ホワイトではなくてピンク・クリスマスだわ。でも、このほうがいいの。皆さんがそうなら、あたしだってはばかりなく……だもの。

 夜もふけて、皆さんが帰ってしまうと、残った私たちはトランプでまたわいわい。でも、ひょっとみると、カーテンでかこまれたソファーに一人、悦子がキャンドル見つめてぼんやり。何を考えてるのかしら。
でも、それもいいわ。私たちだって、するのはエッチなことばかりじゃありませんものネ。
                                   73・12・24(クリスマス・イブ)


夢野スミレさんです↓↓↓↓



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1974年の女装外出記③~虚構の女~

2023年12月24日 | ★女装体験記
おはようございます。
こちら関東地方は快晴の日曜日、そしてクリスマスイブです。
でも日本海側は大雪ということ。
お気をつけてお過ごしください。

富貴クラブの華・小川麻美嬢、女装したまま伊勢丹でワンピースを買い、そして女装子仲間のすみれさんのお見舞いに向かいました。

“彼女”にまちがわれる
 すみれの好物のバナナの包みを片手に、それに、とうとう買わされたワンピースをたいせつに抱いて、彼女の下宿に着いたころは、冬の夕暮れは早くも日の沈むころでした。
 ドアをノックしても返事がありません。風邪で寝ているはずなのに、と思いつつノブを回すと、ドアは開くじゃありませんか。閉め切った部屋の中はまっ暗、眸(ひとみ)を凝らしてよく見つめる。部屋の片すみに、ふとんにくるまって寝ているすみれがぼんやり見えます。

 電気をつけて驚いたこと、部屋じゅう足の踏み場のないほどの散らかしよう。新聞、雑誌、ラーメンのどんぶりは食べっぱなしでころがっているし、洗うばかりの食器は台所にうず高く捨てておかれ、チリ紙は使い捨てたまま畳の上に。クラブの花と言われるすみれも、自室ではなんとだらしのないこと、病気で寝こんでいるにしても、ひどすぎる。
 その中で、口を半開きにして眠っているすみれの寝顔のなんとかわいいこと。Mさんが夢中になるのも無理はないわねえ。

 少しでもお部屋をきれいに、とおそうじを始めたら、
 「あれ、誰なの?」
 物音で目をさましたすみれの、とんきょうな声。
 「なによ、私よ、麻美よ」
 「なんだ、麻美ちゃんか。びっくりしたなア」
 「びっくりしたもないもんよ。なに、この部屋のきたないことったらないわ。まるでゴミ箱みたいな所によく寝ていられるわネ。おそうじしてあげようと思って」
「アー、悪い悪い、ごめんネ」
 と、それが癖の、両手で頭をボリボリかくの、その格好のあいきょうのあること、
「あんた、風邪ひいて寝てるって言うんで、好きなバナナ買ってお見舞いに来てあげたのよ」
 「いよいよ悪いなア。だいぶよくなって来たので、明日ごろから起きられると思うの」 「じゃア、今日は何か、おいしいものでも作ってあげる、何がいい?」
 「ボク、まだあまり食欲がないんだ」
 「そうなの。よくないわネ。このバナナでも食べたら」

 寝ているすみれは生地の男のコですから、どうしても「ボク」が出てくるのです。最近のクラブの様子や、私が今日、新宿で買い物した冒険談? など、気の合う二人には話題は尽きません。夢中でおしゃべりをしていると、誰やらドアをたたく音に、二人は一瞬、顔を見合わせながら、誰かしら、困ったわ。
 一間きりのすみれの室では隠れる所もないし。といって押し入れにまで入るのは、ちょっとみじめな気もしたので、ままよとドアを開けたら、下宿のお母さんが立っているじゃないの。以前、男姿の時一時会ったことがあるので、思わず休を堅くしていると、
 「アラー 岡田さん(すみれのこと)、ぐあいはどうなの。荷物が届いたから、ここに置いていくわよ。あんたもすみにおけないね、こんな彼女が介抱に来てくれるんだもの、風邪なんかどこかへ飛んでいっちゃうのじゃないかえ。いつまで、おじゃましていると、気の利かない小母さんだとしかられるから、私は退散しますよ」
と一人合点で、笑いながら降りてゆくのです。足音が聞こえなくなると、二人はこらえ切れずに、わき腹が痛くなるほど笑いこけたものです。

「ボク、ほんとうにヒヤッとしたよ」
「私もよ。前に一度、男で来たことがあるんで、バレやしないかと、下ばかり向いてたわ。でも、彼女が介抱には、よかったわネ」
 二人はまたしても、安堵感に満足の大笑いです。荷物をほどいてみると、故郷のお母さんからの心づくしがいっぱい。その中に手編みのセーターが一枚、風邪をひかないようにとの親心です。
 すみれ、いいお母さんがあって幸せね、もう、これで、すみれも風邪をひくことはなくなることでしょう。だって、愛情より暖かい着物ないでしょ。

 麻美にも、暖かい着物をプレゼントしてくれる人、早く現われないかしら。女として麻美を幸せにしてくれる人が。
 しゃべり疲れたすみれが軽い寝息をたてたのを見て、私はクラブに帰りました。現実に戻るため。
 そう、麻美は虚構の世界の女なの。ふだんは背広にネクタイの平凡な姿で、電車の中ではあなたの隣にすわっているかも知れません。 


>そう、麻美は虚構の世界の女なの。ふだんは背広にネクタイの平凡な姿で、電車の中ではあなたの隣にすわっているかも知れません。
私は、この体験手記のなかで、この言葉が一番好きなんですね。
虚構世界と現実世界を女装してトランスしていく麻美さん。
私も多くの女装子さんたちとお会いしてきました。
もしかすると、現実世界のビジネス場面でお会いしていたかもしれません。

虚構の世界の淑女の皆さん、良いクリスマスを♪


小川麻美さんのお写真です↓




文章、写真の出所は『風俗奇譚』1974年10月号
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1974年の女装外出記②~虚構の女~

2023年12月23日 | ★女装体験記
富貴クラブの華・小川麻美嬢は女装して、女装子仲間のお見舞いにいくことにしました。
その前に新宿伊勢丹でお洋服を見ることにしました。

伊勢丹の試着室

 満員の地下鉄で新宿へ。でも、電車の中にはどうしてこう痴漢が多いのでしょう。麻美が一人で電車に乗る時、必ずといっていいくらい、一、二回は不愉快な触感を昧わうのよ。
「このド助平、僕は男なんだぞ」
 ってタンカを切ったら、どんな顔するだろうな。でも、せっかく若い女のコになっているのに、とてもそんな勇気はないわ。
 日曜は歩行者天国なので、メーン道路は、家族連れ、アベック、友達連れがあふれています。スナップを撮っているアベ。ク、コーラを立ち飲みする若い男、ヒッピー風の街の詩人。人だかりを後ろからのぞいてみると、演劇らしい若い男の集団、新宿の街は生き生きと若者の街、親しみがあって、私、大好きよ。

 その間を縫って、伊勢丹に入ると、中も大混雑。特にヤングのファッション・コーナーは若い女のコが群がっているの。女装の私にはこのほうが気楽、店内がガランとして、女店員にジロジロ観察されるのはあまり気持ちのいいものじゃないわ。
 人込みにまじってアレコレ手に取っているうちに、パステルカラーのすてきなワンピースが目にとまりました。思わず見とれる私のかたわらに、かわいい女店員が近寄ってきます。
 「よろしかったら、試着室へお持ちになってください」
 と熱心に勧めるのです。つり込まれた私もつい、「そうね」と返事をしてから大あわて、もう遅いのです。

 彼女に案内され、試着室に入ってびっくり。
 細長い廊下をまるでカーテンで仕切っただけみたい。正面に大きな姿見があり、入り口も簡単なカーテンだけなんです。各試着室は満員で、十人くらいの若い女の子が、思い思いのお洋服を持ちこんで試着をしているのがまる見えなんですもの。
なかには、スリップだけの姿になっている子もいたの。こんな所で、脱いだり、着たりするのかと思うと、心臓がドキドキ、顔まで赤くなってしまった。脱ごうか、どうしようかともじもじしていると、
 「どうか、されましたか」
 とカーテンを明けて店員さんが入ってくるでしょ。ほんとうに因ってしまうの。で、しかたなく、できるだけ声を絞り、女らしく、「これ、私に似合うかしら?」
 「ええ、これならよくお似合いになりますとも」
 営業用言葉が返ってきます、そのうえ、「さ、どうぞ、おためしください」と言うなり、私のコートに手をかけてくるじゃありませんか。これは大変だわ、助けて。

 もし、男がバレた時、店内はどんな騒ぎになるかしら。きっと新聞の特ダネものよ。と内心は震えているものの、体つきが女らしいのと、肌が柔らかいのがせめての救い。どうにでもなれと居直った気持ちで努めて自然に、コート、ブラウス、スカートと脱いでいくものの、さすが手が震えているの。そして、そのパステル調のワンピースに着替えました。
 それなのに、彼女、全然知らん韻で平然としているのです。わかっていても営業だから黙っているのかしら。それとも、私の女っぼい肌にゴマカされたのかしら……。

 少し肩からつい以外はビックリと麻美の体にフィットし、スカートのヘムラインの柔らかさが女らしさを強調し、スカートの長さも最近の傾向の膝下まであり、全体に落ち着いたワンピースがすっかり気に入りました。
 「少し肩のあたりがきついけど、どうかしら」
 と店員さんのほうに振り返りました。彼女は少し肩のあたりを触れてみて、
「そうですわ、お客様は少し肩幅がありますから。でも、このくらいだったら心配ないほどですよ」
 ですって、その言葉の下から、
「何かスポーツでもなさっているのですか」
 これが商売上のお世辞というものかしら。気にしているところをちょっとはぐらかすのです。でも、口数の多い女店員さんね。
「ええ、少しレスリングを」
 とでも返事したら、どんな顔するだろうかと、一人で思い出し笑いです。


昭和50年代、日本経済が伸び始めてきたころの新宿。
麻美さんの文章を読んでいると、改装前の古い伊勢丹の催事場を思い出します。
その日は家族の買い物に付き合って伊勢丹にいったのですが、催事場フロアで先輩女装子さんに連れられた新人女装子さん2人がドキドキしながら歩いている場面に出会わせたのです。
そのころから、伊勢丹は女装子さんにとってあこがれの場所だったのでしょうね。


小川麻美さんのお写真です



文章、写真の出所は『風俗奇譚』1974年10月号
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1974年の女装外出記①~虚構の女~

2023年12月22日 | ★女装体験記
急に寒くなりました。
日本海側は大雪とのことです。
皆様、お気をつけてください。

先日、永田町の国立国会図書館で研究用資料としてコピーしてきた『風俗奇譚』をようやく整理いたしました。
そのなかに、富貴クラブの華といわれていた小川麻美さんの外出記~虚構の女~があります。
1974年の富貴クラブそして新宿伊勢丹の雰囲気がよくわかる佳作です。
今日から数回に分けてご紹介いたしますね。


虚構の女~ある日曜日の女装外出記~  小川麻美
  『風俗奇譚』1974年10月号

土曜の”部屋”泊まり
 カーテンのすきまからさし込む日の光のまぶしさに、やっと目をさます。土曜日というと、どうもクラブに泊まる癖がついちゃうのね。昨夜も、集まった人たちの間で、おしゃべりの種もつきると、さっとマージャンが始まるんですもの。女装のまま、女の子になってするマージャンは、すごく楽しいものなの。皆さんも、そのムードが忘れられなく、誰ともなく、やらない、ことが合言葉で、すぐメンバーが集まっちゃうの。Kお姉さん、M子、Y子、それに私。皆、女装のまま始めるのです。
 初めの間こそ、おしとやかに「アラ、それボンよ」「あたりだわ」品よく遊ぶのですが、勝負がエキサイトしてくると、つい男の生地が出るのはお笑いの種、K子お姉さんのようにベテランになると、どんな場合でも女の姿勢をくずさないのは、さすがキャリアの相違ね。

 勝負をやると皆さんの性格が出るものね。人物が堅いと信用絶大なオリエ姉さんの手堅い打ちぶり。感のいい美樹、楽天家のためかときどき冒険をする私。
 そこへいくと男性がたはおおらかね。勝負に関係なく、マージャンのふん囲気を楽しむかたが多いよう。Iさんなど、ベテランのはずなのに、よく負ける。
 「またやられたナ。今日はいくら払うんだ」
 きっと女性陣に花を持たせているのね。
 昨夜は幸運にもだいぶもうけさせてもらったわ。といっても、このお金は各自のものにならない。勝ったお金は積み立てて、ときどき皆でごちそうを食べる時の用意なの。いいルールでしょ。

 ここ南向きのお部屋は春のように暖かい。ぬくぬくするふとんを離れがたく、隣を見ると、昨夜、まくらを並べて寝たはずのK子姉さん、L子、Y子のふとんはもぬけの殼。私ってほんとうに寝坊なのね。
 起き上がるとすぐお風呂へ、朝湯、朝酒、朝寝で身上(しんしょう)をつぶした人の気持ち、よくわかるわ。朝酒こそやらなくても、朝寝、朝風呂は最高の気分。
 お風呂から上がると美容体操を十分ほど、マンションの十階から町の景色をながめながら、イチ、ニッ、サンッは私のプロポーションを美くするため、大切な日課なの。

 さあ、日曜の午後をどうしようかしら、そうだ、すみれの病気見舞いに行こう。昨日もすみれから電話があって、ここ一週間あまりクラブにごぶさたしているのは風邪引きのせいよ……とこぼしていたから。
 ふと、私のちゃめっ気が出ました。ヤボったい男の姿で行くよりは、いっそ女になって訪問したら、すみれがどんな顔するだろうな。

 思い立つと、すっかり自分のアイデアにうれしくなってしまう。昨夜、パックで肌を整えたせいか、今日はお化粧のノリがよくて、至極ごきげんです。今日のルージュは何色?
 ウイッグはロングね。黒のブラウスに黒のスカート、赤紅のニックがアクセント。黒のコートに合わせて黒のブーツ。これで今日のおしゃれは決まったわ。大鏡の前でファッション・ショーでも見物が一人もいないのは寂しいわ。


  富貴クラブの土曜日の喧騒、日曜日の気怠さがよくわかります。

小川麻美さんのお写真です



文章、写真の出所は『風俗奇譚』1974年10月号



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