女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

『戦後日本女装・同性愛研究』から女装者美島弥生氏のライフヒストリー

2006年09月18日 | 私的読書日記
『戦後日本女装・同性愛研究』(矢島正見編著):中央大学出版部から引用です。

「相手がいて初めて,男であり,女であり,という意識をもつわけです」ということばは至言だと思います。

           
私は自分のことを男だと思っています。女として生きていきたいとか扱われたいとか,そんなことを思ったことはさらさらありません。
男がやるから女装なんです。だから楽しいんです。だから,私はどこまで行っても真の男です。
女装をすれば,女になったという錯覚を起こす,それが楽しくて気持ちがいい
わけです。それはあくまで趣味であり,遊びであり,結局は道楽です。

でも,趣味にしても何にしても,人に負けたくないという気持ちはあるんで
やれるだけはやってみたい,自分か「もうこれ以上はあかん」とあきらめ
るところまで,やってみたいんです。あらゆることを研究して,どこまで自分
か行けるか,とことん追求してみたくなるわけです。これは私の性格ですね。
何でもとことんやらないと,気が済まないんです。負けず嫌いなんです。自分
の人生すべてそれに尽きるかもしれません。人に頭を押さえられて「おまえは
だめだ]とやられるのが嫌なんです。私のいちばん最初の女装び真なんてひど
いものですから。まるきり他人,ぜんぜん違います。で払 ここまでになっ
た,それまでに相当の努力と研究があったわけです。

 昔は,仕事以外のときはずっと,下着から何から全部女物を着て過ごしてい
ました。住宅設備の仕事をやめて小売業を始めてからは,夜もお客さんが来る
のでやらなくなったのですが。今でもド着は全部女ものです。病院に行くとき
など必要なときに,男物をさがして引っ張り出すぐらいです。下着は女物をつ
けるのが自然,当たり前になっています。もうはき慣れてしまって,男のもの
だと気持ちが悪いんです。寝巻きだって男物はないです。寝巻きも全部,女も
ののパジャマかネグリジェです。

 夜になると女装をするというより,自然にもどるという感覚です。人が来た
ときに,男の演技をするという感じです。やはり男と女,両方の気持ちをもっ
ているわけです。ひとりでいるときは,ややこしい心理状態です。男の精神と
女の精神とが,両方住んでいて,そのときどきによって変化しているんです。
 どちらかの気持ちでいるというはっきりした区分ではない。男性心理と女性心
理の両方が同居している,それが私という感じです。それをはっきり区分けし
ろと言われても無理です。

 あとは第三者次第です。相手がいて初めて,男であり,女であり,という意
識をもつわけです。ひとりの場合は同居している,両方の気持ちをもっていま
すから,女装するとすっと女になれるんです。自然になれるんです。芝居をし
ているのとは,またちょっと違います。

 私は男の格好をしていたら,ぜったい男性とセックスできません。でも,女
装仲間からせまられたことはけっこうあります。私が男の格好をしていてもせ
まってくるんです。私は,相手が女装をするということを知っていると,仮に
男の格好をしていても,だめです。女になれば,女としての立場のセックスを
やりますが、それはあくまでも遊びです。穴があってやれないことはないわけ
ですから,別にそれはいいのではないでしょうか。

 彼氏とはアナルセックスをしました。しないと彼女にならないですから。セ
ックスをしているときは,射精します。当然でしょう。だってふたりとも興奮
しているんです。最高潮になったらいってしまうでしょう。射精すると自分が
男だということを確認するようで嫌だという方もいらっしゃるようですけど,
そんなことないです。お互いに本当に没頭した場合は,そんなことを言ってら
れないと思います。『風俗奇譚』の小説などでも,うしろから入れられて,興
奮して射精しますけど,そんなのは当然あります。快感をおぼえれば,それに
連勤して射精は起きるわけですから。

 でも,私は,相手の男性のペニスをしゃぶるのは嫌です。なんか不潔な感し
がするでしょう。私は潔癖性なほうですから,口を使うのはだめです。どうし
てもやってほしいなら消毒してきなさいと言います。手でやってあげるくらい
ならいいです。

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『問題解決力を鍛えるトレーニングブック』(奈良井安):かんき出版

2006年09月18日 | 私的読書日記
かんき出版のこのシリーズは内容のレベルが高くて、読んでいておもしろい。
ただ、この本はもうすこし内容がすっと入ってくるといいのだが...。
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『昭和のまぼろし』(小林信彦):文藝春秋

2006年09月18日 | 私的読書日記
小林信彦の含羞のある、それでいてブレないスタンスのエッセイがいい。
若い頃は椎名誠のパワフルなエッセイがよかったけど、40代後半になると小林信彦のほうがほっとする。
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『野望の青春』(梶山季之):角川文庫

2006年09月17日 | 私的読書日記
三橋順子氏の戦後女装史を読んでいて、本棚の奥から梶山季之先生の『野望の青春』を引っ張り出しました。
そこにはアマチュア女装者が集うバーのことが書かれています。
これも参考になるでしょう。

以下、同書から引用です

女装化時代
-新宿二丁目。
かつて赤線と呼ばれた遊郭が殷賑をきわめていた一角に、一見、しもた屋風の日本家屋がある。
看板は出でない。
ただ格子の玄関の右脇の柱に、日本の婦人草履が、片方だけ打ちつけられてある。
そそっかしい者だったら、
〈あ、草履屋か……〉
ぐらいに思ったであろう。
でも、それは連うのだ。
その家は、日本女装愛好者連盟東京支部の建物であった。
好事家のあいだではーー装愛連と呼んでいるが、ここに集る人達は、ゲイ・ボーイではない。
素人の男性である。
男性でありながら、女装して、連れ立って外を歩いたり、旅行したりすることが目的で誕生した会であった。
創始者は、通称ケリーと呼ぶ、今年四十五歳の事業家である。
ケリーは、戦争中、中隊長づきの当番兵で、美貌であったがため、上官から鶏姦の味を教わった。
つまり肉体的に、女にさせられたわけである。
敗戦後、ケリーは東京に帰って、父の仕事をつぎ、結婚した。
しかし彼は、結婚生活に満足を覚えられなかったのだ。
彼は、女になりたい、と思った。
妻を外出させては、自分の顔を化粧し、妻の着物をきて、ひとり自慰に耽った。その方が、性的な快感が強かった。
そのうち、妻の留守中に、ひとり愉しむだけでは満足できなくなる。
彼は、非常な苦心をして、自分で女になるための小道具を買い整えてレった。
早い話が、化粧品である。
薬局へ行って、男が、
「口紅を下さい」
といえば、怪しまれるだろう。
デバートの下着売り場で、
「パンティを下さい」
と堂々といい、買物はでぎない。
しかし彼は、それをやった。
流石に、東京では恥しいので、大阪のデパートを歩き、パンティだの、カツラだのコルセットだのを買い揃えたのだ。
そして彼は、この秘密の品物の保管場所に困り、小さなアパートの部屋を借りた。
夜になると、彼はその秘密の隠れ家へ行き、三面鏡の前に坐って、ひっそりと心ゆくまで化粧をした,
晴れた日の夜は、着物をきた。
着物の方が、毛脛が見えないし、胸の膨らみを気にする必要がない。
雨の日は、洋装した。着物だと、足さばきが悪いからだ。
カツラをつけ、すっかり女になり切るとハンドバッグをもち、雑踏の中へと紛れ込む。
「あ、いい女だな:・・:」
とか、
「見ろよ、綺麗だぜ。人妻かな?」
などという、同性の私語を耳にした瞬間がケリーの恍惚となる一瞬で、そんなときは必ず、サポーターの下にあるものは怒張していきり立った。
 彼は、幸福感に浸りながら、タクシーで秘密の部屋に駈け戻り、
「今夜は三人の男が、声をかけてくれたわ。あたしって女、倖せだわ……」
などとつぶやきつつ、三面鏡の前である行為に耽るのが、常となった。

 ……そのうち、世の中が平和になって、いろんな雑誌が出版されだした。
ケリーは、そんな性科学雑誌の中で読者の投稿から自分とおなじく、女装を趣味としている同性があることを知ったのだ。
ケリーは、その同好の士に手紙を出した。
最初に、ケリーと顔を合わせたのは、楓と源氏名をもつ人物で、いま地方の温泉地で、芸者として座敷をつとめているという。
楓は、声だけが男性で、体つきから物腰にいたるまで、そっくり女性であった。
ケリーは、楓に手伝って貰って、自分は洋装し、昼間銀座を歩いた。
誰も、径しまなかった。
前から、欲しいと思っていたハイヒールを買いに入った靴屋の店員さえ、ケリーが男だなんて夢にも考えない様子であったのだ。
ケリーはいった。
「あたし達みたいな女装趣味をもった人がもっともっといるはずだわ。そして、その人たちは秘密の品物の隠し場所や、いろんな欲しい品物が手にぱいらなくてヽ困ってるはずよ・仲間のだ
 めのクラブをつくりましょうよ」
楓は賛成した。
ケリーは自分が資金を出し、二階建の店舗を借りた。
一階は、バーとして、二人で営業することにした。そして二階は、女装愛好者たちに、無料で提供したのだ。

ケリーと楓とが、交替でマダムをつとめるその小さな酒場は新宿のゲイバーの中でも、毛色の変った店として、大いに流行した。
普通のゲイ・バーでは、マダムとゲイボーイがいる。
しかし<ケリー>では、女装のマダムとバーテンがいるだけで、客にサービスしている女給というのも、実は客なのであった。                           
女装してヽ男にサービスしたい客が、二階へ昇って、化粧や着付をして貰い、そして胸を弾ませて客席にはいる。
つまり〈ケリー〉の店では、客が客にサービスして、結構、繁昌したわけである。
それが評判になってヽ物好きな映画人や舞台俳優が押しかけ、一階だけでは客をさばき切れなくなった。
それでケリーは、旧赤線の中に、一軒の家屋を借り、ここを同好者のクラブとしたのだ。女物の草履は、仲間たちにだけわかる、クラブの紋章であった。
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『人間関係学トピック100』(齊藤勇編)誠信書房

2006年09月09日 | 私的読書日記
この本を読んでの収穫は別の掲示板にアップした「アニマ」と公正な分配の意味です。
ドイッチという人の分配の分類を見て納得しました。
どうも成果主義・業績主義しかないと思っていましたが、下記にあるような11の分類があるとおもうと、なんかほっとします。

以下、同書から引用です。
-----------------------------
公正な分配の意味

 近年、日本の企業の賃金体系が変わりつつあ
る。年俸制の導人もはじまっている。
 ここで、職場の数人がチームを組み、新製品
を開発する場合を考えてみよう。あがった利益
をチームのメンバーで分けるとしたら、どのよ
うな方法かおるだろうか。
 たとえば、頑張って次つぎとアイディアを出
し、新製品完成に最も貢献した人が多くもらう
(I)。出したアイディアが製品完成には結びつ
かなかったが、いつも仕事場に最後まで残るな
どして、自分は一番努力したと感じている人が
多くもらう(2)。仕事中の怪我で入院し、治療
費がかさんで生活にも困っている人が多くもら
う(3)。一つのチームで働いた仲間なのだか
ら、各人が等しくなるように分ける(4)。
 どの分け方も、それなりにもっともだと感じ
られるだろう。
 ドイッチは、分配の公正の問題を扱う方法の
うち、主要なものを十一種類あげている。

1.貢献の多い人ほど多く分配する。
2.努力している人ほど多く分配する。
3.多く必要としている人ほど多く分配する。
4.各人が平等であるように分配する。
5.本人の潜在的価値に応じて、たとえば将来性があると思われる人には多く分配する。
6.他者が彼らのために何を選ぶかによって分配する。
7.外的なえこひいきや差別なしに、競争の機会を等しく与えるようにして分配する。
8.市場の供給と需要とによって分配する。供給が多いものには少なく、需要が多いものには多く、分配する。
9.共通の利益の必要によって分配する。
10.互換性の原理による。借りのある人にはそれだけお返しをするように分配する。
11.誰一人として特定された最低線以下に落ちぬよう分配する。たとえば最も貢献の少ない人も生活でき石最低限の分配を与える。
 以上のどれもが「公正」だといえる。

 しかし、たとえば(1)のように、貢献が多い人ほど多く分配する場合には、本人が一生懸命に
努力している(2)、本人が生活にとても困っている(3)、各人の受け取る額が異なる(4)な
どのことは、問題にされないことになる。
 現実に分配を行う場合には、たとえば、貢献に応じて分配する年俸制を導入するにも、貢献の査定方法など問題は山積みである。しかし、
次のことは確認しておきたい。ある分配方法を公正なものとして採用することは、決して客観的な作業ではなく、その分配の背後にある考え
方や「価値」の選択を行うことなのである。
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涙なくして観られない戦争映画

2006年09月09日 | 私的読書日記
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「南の島に雪が降る」
太平洋戦争末期の東部ニューギニア、マノクワリ。
観客である連隊が加藤大介の演芸分隊の慰問演劇をみる。
出し物は「関の弥太っぺ」。
最後の幕は甲州街道の雪景色。
300人の兵隊は雪景色を見て、全員泣いていた。
東北出身の兵隊であったのである。
雪の中に生まれ、雪の中で育った兵隊。
熱帯雨林の中でみた雪景色。
雪景色は故郷である。
誰が彼らを故郷から離したか。

戦争はやってはいけない。
政府に戦争をやらせてはいけない。
そのためには、僕は選挙に行く。
投票箱に票を入れる。
無駄かもしれない、無駄じゃないかもしれない。
しかし、僕に出来ることは選挙に行って、戦争をさせないために投票箱に票を入れることだけ。雪国に生まれた子供達をジャングルで死なさないために。

原作本『南の島に雪が降る』(加藤大介):光文社知恵の森文庫
南の島に雪が降る(1961)(1961) - goo 映画
南の島に雪が降る(1961)(1961) - goo 映画
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今週もけっこういろんな本を読みました

2006年09月03日 | 私的読書日記
『頭がいい人、悪い人の<口ぐせ>』(樋口裕一):中公新書
『常務 島耕作』(弘兼憲史):講談社
『陽だまりのブラジリアン』(楽月慎):朝日新聞社

『陽だまりのブラジリアン』は女装趣味の営業本部長の俺(女装名 サユミ)の一人称小説です。ただ、あんまり私にはフィットしなかったですねぇ。
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『パイロットが空から学んだ危機管理術』 (坂井 優基 ):インデックスコミュニケーションズ

2006年09月03日 | 私的読書日記
坂井さんは旅客機のパイロットです。
乗客としては何気なく利用する飛行機ですが、どんなに短いフライトでもパイロットは細心の注意と細やかな神経を使って操縦するのですね。

以下の分など「悲観的に準備して、楽観的に実行せよ」のよい事例だと思います。

******************************

 事故を防ぐために一番いい方法はヽ何かあった場合に自分に都合がいい解釈をするのではなく、自分に一番都合が悪い解釈をして、それでも大丈夫なように、行動することです。
 人間はいろいろなときに自分に都合のよい解釈をしがちです。間違いや失敗のうちかなりの物が、後から聞いてみるとは実は誰かが「少し変だ」とか「何かおかしい」と感じています。でもそのほとんどのケースでたぶん後でやるんだろうとかヽそう言えはこの間こんな事例もあったとか、そのことを合理化する理由を探し出してきて自分I人で勝手に納得した結果失敗につながっています。
 日本車の真珠湾攻撃のときにノハワイに設置されていたレーダーが遠くから日本車の機影をとらえました。担当の兵士は士官に注意喚起したのですがヽ士官は以前一晩中ラジオ放送があったときは本土から爆撃機が飛んできたことを思い出して「心配ないこれは本土からの爆撃破だ」と片付けてその情報がそこから上に伝えることはありませんでした。
 
 少しでも違和感があるときにはヽ心の中で合理的な説明を探すのではなく、違和感を口にして、さらに確認する姿勢が失敗を大幅に減らします・またヽリーダーはヽメンバーの内の誰かI人でも疑問をさし挟んだら、必ずもう一度確認する姿勢をとることが重要です。
 リーダーは日ごろから、このような場合に物を言いやすい雰囲気を作らなければなりません。部下が何か言うと怒られたり、文句を言われそうだからおかしいと思ったけれども口に出さなかったというのはリーダーに責任があります。
 一方、部下は安全に関する限り、嫌われようが怒られようが、きちんとりーダーに感じたことを言うべきです。何も言わないで、事故が起きた場合、予見していたことを言わなかったということで罪に問われます。
 自分でも、部下でも誰か1人の心に何かがひっかかった場合、自分に一番都合が悪い解釈をすることで、事故が防止できます。最悪を想定して対策をとり、実際には大したことはなくても、被害はありません。都合のよい解釈をして、実際には最悪の事態が起きたときには大事故につながります。
(同書から引用)
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