ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

大人ジブリ

2013-07-25 | 映画
今日は休みだったので、宮崎駿監督の新作『風立ちぬ』を観てきた。

新宿まで朝9時半の回を観に行ったのだが、上映館の新宿ピカデリーが巨大なシネコンビルになっていたのに驚いた。

もうひとつ驚いたのは、フロアには大勢の人が開場を待っていたけれど、その中に少なからず高齢者がいたことだ。

特に後期高齢者と思われる男性が複数いて、落語や観劇ならともかく、一般の封切り映画ではあまり記憶にない光景だった。

作品は良かった。
『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』のような果てもないイメージの連鎖…という作品世界ではない。

より端整に一人の飛行機設計技師の実直な半生を描いていて、爽やかであると同時に、「人の生き方」について宮崎駿監督が率直に語っているようにも感じられた。

死者の鎮魂が感じられる関東大震災の描写や主人公と妻の哀切に満ちた出逢いと別れなど、確かにこれは長く生きてきた人の作品だ…と思えた。

その意味では、今日の客層はきちんと『風立ちぬ』という作品の質を反映しているものであった。

上映前、高畑勲監督の『かぐや姫』の予告編が流された。
これはまた、洒脱で都会的に切ない高畑ワールドを予感させるもので、大人ジブリ揃い踏み…と思わせた。






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