ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

二本の映画

2018-01-04 | 映画
今日も仕事はお休みでした。


朝、いつものように5時半に起きたので、6時過ぎから、昨日TSUTAYAから借りてきた映画を観ました。

昨日は昨年の米アカデミー作品賞の『ムーンライト』と、一昨年カンヌ映画祭で最高賞を取った『私は、ダニエル・ブレイク』を借りてきました。

『ムーンライト』は昨日観ていたので、今朝は『私は、ダニエル・ブレイク』を観ました。

どちらも貧しい無名の人々を描いた作品ですが、鑑賞後の印象はかなり違いました。


『ムーンライト』は母親が薬物中毒でゲイの黒人男性の幼年期、高校生時代、大人になってからを章分けして描いているのですが、とにかく「救いがない」と言う気持ちになりました。

独特の色調など、映像作品として優れているのは分かるのですが、主人公だけでなく、登場人物全てから鬱屈と社会的底辺のどん詰まり感が伝わって来て、ツラくてかないませんでした。

それが一般的なアメリカ黒人社会の実情なのかも知れませんが、この先の人生に不安いっぱいの身としては、正直もう良いです…と感じたことでした。


『私は、ダニエル・ブレイク』は、心臓病で医者から仕事を止められている59歳の大工の男性が、社会保障制度を利用しようとして、役所のいかにも「小役人」的な対応に振り回される…と言う筋書きです。

悲劇的な最後を迎えるなど、エピソードはツラいものばかりなのです。

でも鑑賞後は、不思議とむしろ少し温かい気持ちになりました。

ケン・ローチ監督らしい淡々としたドキュメンタリータッチの作品ですが、登場人物を肯定的に捉えるセリフなどもあり、それが観るものに一縷の希望を感じさせるのかも知れません。


同じように社会の底辺で苦しむ人々を描いた二本の作品の印象の違いは、アメリカの黒人男性とイギリスの白人男性が置かれた絶望の深さの違いだろうか…とも思ったことです。

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