ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

彼岸

2012-09-21 | ほとほと日記
朝早く、スマートフォンが鳴った。
五時を回ったばかりで、番号は勤め先からだった。

取ると夜勤の女性スタッフが出た。
ある入居者の反応が全くないです。もうすぐ、お医者が到着します…。

私は自転車を飛ばし、六時過ぎにホームに着いた。
すでに医師の車がホームの駐車場にあった。

今月に入り、私のホームでは三人の方が亡くなった。
初めてではないが、やはりこれだけ続くと「何か理由があるのだろうか」と考える。

気候の替わり目の影響だろうか。

しっかり数えた訳ではないが、夜が明ける頃に急変される例は明らかに比率としては多い。
潮の満ち引き。月の満ち欠け。
古来から、自然や宇宙の呼吸と人の命の盛衰には深い関係があったに違いない。

「父は春の彼岸に生まれて、秋の彼岸に逝きました。物事をキチンとする人でしたから、きっと彼岸を待って行ったのでしょう」
悲しみのなか、そう言われた方がいた。

美しい考えだと感じた。

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2 コメント

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美しい言葉 (マックス)
2012-09-22 09:23:27
「父は春の彼岸に生まれて、秋の彼岸に逝きました。物事をキチンとする人でしたから、きっと彼岸を待って行ったのでしょう」
本当に美しい言葉ですね。ジンときました。以前の日本には、こうした端正な生き方をした人が沢山いたのでしょうね。
それにしても、人を看取る仕事と言うのは、色々感じることがあるのでしょうね。
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世代・時代・教養 (ほとほと男)
2012-09-22 20:09:54
コメントありがとうございます。
亡くなった方は90歳を超えた方で、慶応大学から海軍士官学校に進まれたそうです。学生時代の成績を見せて頂きましたが、いわゆる「全優」に近く、「大学に残れ」と教授から勧められたそうです。
大正生まれの優秀な方には、いまや到底身につけることの出来ない「旧制高校・女学校的」な気品のある教養と芯の太さを感じます。
これは恐らく個人の努力ではどうしようもない類のものだと感じます。
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