ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

心弱き者

2019-02-17 | ほとほと日記
昨日と今日は今月唯一の連休です。


昨日は母と姉とランチをし、夜は古くからの友人たちと定例の飲み会がありました。

このところずっと仕事の負荷で心がくさくさしていましたが、とても充実した休日を送ることができました。


今日は朝6時台から印象的なテレビ番組を見ました。

NHKのドキュメンタリー番組で、ある建設会社が人手不足解消のために、いわゆるニートの若者たちを積極的に雇用している様子を伝えたものでした。

朝6時台と言うこともあるのか、そういう番組にしばしばありがちな劇的な場面はほとんどなく、不器用で心弱い彼らの姿を淡々と映し出していました。

仕事が全く覚えられないのに、周囲の先輩に聞くと「出来ない奴と思われるのではないか」と恐れて緘黙状態になって固まる青年。

真面目に出勤していたのに、自分で勝手に「きっと周囲は自分を認めていないに違いない」と思い込み、突然出勤しなくなる青年。

皆、いじめられっ子だった時期があったせいか、自己評価が恐ろしく低いのが共通しています。


そんな中、30歳の青年が初めての給料を貰って故郷の沖縄に電話を掛ける場面がありました。

電話先の祖母が「偉いねえ、頑張ったねえ」と、素朴だけれど慈愛溢れる 声を掛けると、青年は少し声を詰まらせながら「いやあ、本当はお婆ちゃんに何か送ってあげなければならないのに…」と言うようなことを言います。

見ていて目頭が熱くなりました。


彼らの総監督役は63歳のベテラン職人です。

この世代の職人にありがちな暴力性がなく、 共感能力の高い人情家であることが言動から伝わって来ます。

ときにこういう珠玉の庶民がいるものですが、こんなリーダーがいなければ、ニートの青年たちを積極的に雇用する…と言う難しい試みは絵に描いた餅に終わるでしょう。

少なくとも番組に出て来た青年たちは皆、真面目で心優しい印象でした。

少しでも彼らの居場所が出来たら良いな…と思います。


今日は今月初めて教会のミサに与りました。

司祭朗読で、「心貧しき者は幸いである」と言う有名な箇所が読まれました。

司祭から、ヘブライ語で「貧しい」は「神に頼るしかない」と同義なので、ここは「神に頼るしかない心弱き者は幸いである」と言う意味に取っても良いのです…と説明がありました。

朝の番組やこのところの心細い日々を想って、感慨があったことです。



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