ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

稀有な災害対策チーム映画

2016-10-29 | 映画
今日は仕事はお休みです。


昨日は午後半休だったので、夕方『シン・ゴジラ』を観に行きました。

まるで巨大災害映画…というウワサを聞いていましたが、まさにその通りの作品でした。

今回のゴジラは、ただ歩いているだけ。

悪気は全然ない。

でもその巨大さゆえに、通るだけで物理的被害が甚大だし、放射能を撒き散らすので、周辺住民は避難しなければなりません。

攻撃されると超強力なスペシウム光線みたいのを全身から出して反撃しますが、これも本能的な防御反応で、狙い撃ちではない。

しかし、その反撃が強力過ぎて周囲の森羅万象を破壊し尽くしてしまう。

それに、放っておくとゴジラは変容を繰り返し、どんどん巨大になっていく。


誰もがこのゴジラを3.11の大地震と巨大津波、福島の原発事故のメタファーと感じるでしょうが、通った後に巨大な被害をもたらすという意味では、私はスーパー台風を連想しました。

登場人物はたくさんいますが、ほとんどがゴジラ災害の対策に奔走する政治家や対策チームの研究者などで、いわゆる民間人がほぼ出てきません。

こういう作品にはたいていサイドストーリーとして主人公周辺の夫婦や親子のドラマが挟み込まれるものですが、それもサッパリと切り捨てている。

ただひたすら巨大災害ゴジラへの対策チームの活動を描き、日本映画の大作にありがちな無駄に長くて情緒的な「泣きの場面」も入れずに、きっちり二時間で仕上げました。


映画の帰り、私は(もともと何の予想もしていませんでしたが)、想定外の面白い作品に出会ったことを喜びました。

伊福部昭氏の音楽ももちろん良かったです。

JR在来線の各車両が対ゴジラ兵器に変身して疾走するときに流れる「自衛隊マーチ」には、本当にワクワクしました。