少し変わった子あります

作者は森博嗣。
感想も、なるほどの森博嗣。
正直、これだけで言いたい事が終わるといえばそのとおりの本。
いつもの森博嗣の本である。

友人の荒木が行方不明になった大学に勤める小山。
以前その荒木が話していた、看板も出さず、店の位置も不定、メニューもなく、
ただ毎回違う相手と共に食事をするだけ、という奇妙な店が、
なんとなく気になり、訪れてみる。
奇妙でありながら、非日常的な店が気に入り、じょじょに通うようになり……。
というそれだけの話。

日常から切り離されたような、非日常的で詩的で、哲学的というか。
森博嗣らしい、いつもよりもさらに落ち着いた文章が、心地よく、すらすら読める。
良くも悪くも、平坦で、ラストにはそれなりにしっかりしたオチがあって。

感想としては、森博嗣である。
森博嗣のファンなら楽しめる。ファンで無いとやや不満の残るであろう、そんな本でした。
自分は楽しめましたが。