旧(アイマスな)駄目人間の溜り場

(アイマスにはまってる)駄目人間の駄目な毎日。の跡地。

遊牧の民 ベドウィン

2011-07-10 23:27:26 | 
古書店で見つけて買ってみたもの。
サウジアラビアの砂漠の奥地?、ルブ・アル・ハーリーに住むアール・ムッラと呼ばれる、
遊牧民の部族について、彼らとともに2年近くを過ごした著者D・P・コウルという人が、
書いたもの。

もともと社会科学、人文人類学的な視点から彼らのことをまとめた博士論文がもとになっており、
かなり詳細というか、ただの紀行文ではなく、彼らの社会の中での暮らしぶりや、ジェンダー、
宗教観についてなどガッツリまとめられていて、
異国情緒あふれる題名に反して、ガチガチのまともさで、それなりに読みにくい。

とはいえ、ほとんど聞いたこともないような、サウジアラビアの移動放牧を生業としている、
部族の暮らしぶりは、とても興味深い。
なにより、彼らが牧畜、と言われて、自分を含めて普通の人が連想するであろう、
羊、ヤギ、馬、牛などの家畜は飼育せずに、メインに扱う動物がラクダというのが、
一番変わっているだろうし、興味を引きました。

移動にも使い、且つ、そのラクダが良質の乳を出す存在でもある。
んで、移動性牧畜で、砂漠地帯ゆえに、水を求めてきわめて広範囲を、
季節的な規則性はあれどかなりアバウトな、というか、雨、水を求めて動く彼らの行動の原理。
部族、クラン、リネッジなどの社会生活など、非常身興味深い。

のだが、いくらかやはり問題というかも。
というのも、石油資源の豊富なサウジアラビアの話であり、書かれた時期が1970年代という事。
当時ですら、彼らのこれから現代の変革が待っていて……、
という扱いをされており、現在の彼らがどうなっているか考えるととても複雑な気分になれる。
当時ですら、完全に牧畜だけで生活をしているとはおおよそ言えない感じで、
移動しての牧畜を生かして、政府から国境警備の任を受けていたのですが、
それこそ、湾岸や昨今の情勢とかで、どうなっているのかなぁ、と。

とはいえ、ほとんど想像も難しいような、文化圏の違う人の伝統的な話っていうのは、
やはりそれなりに面白かったです。読みづらくはありましたが。
そんな。

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