旧(アイマスな)駄目人間の溜り場

(アイマスにはまってる)駄目人間の駄目な毎日。の跡地。

雪蟷螂

2011-01-16 18:00:12 | 
作者は紅玉いづき。以前買って読んだ「ミミズクと夜の王」の人。
そちらがよかったので、こちらも。
正確に言うと、この「雪蟷螂」が3作目で、ミミズクと~から続く人喰いシリーズの3番目らしい。
つまり、自分は人喰いシリーズの2作目、「MAMA」というのを読まず、飛ばしてしまったよう。
ミスった。

ともあれ、雪蟷螂。
長年の戦争の末に10年の停戦を向かえ、和平のために互いの部族の族長を婚礼に出す、
高山のフェルビエとミルデの部族。
女が勇ましく「雪蟷螂」の名ではせるフェルビエの女族長、アルテシア。
互いに未だに牽制、わだかまりはあるものの、いよいよ婚礼を迎えるため、
ミルデの里に向かう頃になって、先代の残したともいえる問題が表面化して。という感じで。

相変わらず電撃らしからぬ、それこそ絵本とか、普通の本になってそうな、お話の筋。
部族間の諍いだったり、だがいに違う死生観だったり、
それこそ高地山脈の乾燥地帯であるような即身仏だったり、
相手を食ってしまうほどの凶暴な愛情としてよばれる「雪蟷螂」という逸話とか。
そのあたりは個人的にも大好物なので、かなり楽しめました。

が、ううむ。
あんまり内容を書こうとまんまネタバレなのであれですが、
個人的には「ミミズクと夜の王」の方が好みだったな、と。
ミミズクと~のほうが寓話っぽいというか、それこそ御伽噺であったのに対して、
雪蟷螂のほうはもう少し俗っぽくなっていて、お話も恋といっていいのか、そちらですし。
良くも悪くも身も焦がすような狂ったような恋とか愛のはなしが、いまいち個人的には。
後は、主人公がアルテシアなんですが、如何せん先代から続く確執、因縁が多く、
(というか、婚姻を設定したのが先代だから仕方ないのですが)
先代が色々やっているにもかかわらず、主人公側の動きがいまいち大きくない感じを受けて。
若干地味だな、と。主人公が。

落ちというか話の着地点としては割とアリで納得のできるもので、悪くは無かったですが、
個人手の趣味の問題としてミミズクのほうが好きだったな、と。
そんな感想。
後は、人喰いシリーズの残った「MAMA」も読んでみたなぁ、と。