南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

ご利用は計画的に!

2010-01-18 17:50:10 | 経済

テレビCMでさかんに流れる「ご利用は計画的に!」のセリフ。
以前だったら1円でも多く貸し付けるためのCMを流していたのに、時代は変わったものです。
多重債務問題への抜本的対策にむけて、貸金業法の大幅改正が近づいているからです。
改正が実現すると、過剰な貸付による破綻を防ぐために“総量規制”などが導入されます。
“総量規制”が導入されると世帯収入の3分の一を超える借入は原則禁止となります。
旦那さんに隠れてサラ金を利用している主婦にも、旦那さんの所得証明を求められますので隠れ借金も表面化します。
この改正に対してサラ金業界は世論を味方につけたいと画策していますが、そもそも返済能力を上回るような貸付にこそ問題がありますので、混乱は承知のうえで改正を進めるべきです。

しかしいくら家計の財政バランスを正常化しても、国家財政が破綻したらどうにもなりません。
1億人が懸命にがんばって毎年500兆円産み出しても、国家の借金が1000兆円近くあるわけですからもう破綻寸前なのは誰にもわかります。
この借金を誰がつくったのかなんてことは抜きにして、政府はこの現実をもっとわかりやすく国民に説明すべきです。
平成22年度の予算案(家計のやりくり)が政府から示されましたが、昭和21年以降はじめて税収(給料)よりも公債(借金)が多いという異常な状況になりました。
もうこれは一般家庭でいえば自己破産待ったなしの状況です。

一般家庭における自己破産がどうなるかは想像できますが、国家財政が破綻するとどうなるのでしょうか。
いみじくも昭和21年に日本で起きた現象を見てみましょう。
終戦後の昭和21年、戦後処理に巨額な財政支出を余儀なくされた日本政府は、強制的に国民の財産を預金させたうえで「預金封鎖」を行い、強制的に「新円切り替え」を行ないました。
このことにより戦時中に発行された国債や紙幣は紙屑同然となり、多くの国民の財産が失われました。
またそれ以外にも信じられないような増税を行い、要するに国民の財産を法律によって合法的に吸い上げていきました。
それが敗戦国=財政破綻した国の運命ですから、致し方のない現実だったわけです。

敗戦であろうが放蕩であろうが、どんな理由にせよ借金は返さなくてはなりません。
“ボロは着てても こころの錦 ♪ ”庶民は清く正しく生きましょう。
富裕層も大企業も、国家あっての資産です、紙屑になる前にお金を世の為人の為に回しましょう。
そうすることでしか自主的な財政&経済回復は叶いません。
タンス預金をしている政治家のみなさんもここは一気に使ってください。
景気浮揚のためなら、あの検察も大目に見てくれるかもしれません。